前回の「消費増税直前で55~60V型に駆け込み需要、大画面テレビの売れ筋」に引き続き、今回はジョーシン浦和美園イオンモール店でフィットネス関連の計測アイテム、体組成計と活動量計の売れ筋を取材しました。

体組成計は、シンプルな体重計の時代から「一家に一台」の存在ですが、最近はスマホ連動機能や50g単位での計測機能に注目して買い替える人が増えているようです。活動量計も、歩数計のロングスパンな需要と、近年伸びているApple Watchなどのウエアラブル端末の人気が重なるなど、新たな動きが生まれているとのこと。

同店で健康器具を担当する高橋則子氏は、最近の傾向について「体組成計の購入層は、年代を問わず女性が優勢です。一方で、高機能な活動量計は働き盛りの男性が多いと感じます。いずれも、フィットネスに関心がある方はより高機能なモデルに注目されますね」と説明してくれました。

  • ジョーシン浦和美園イオンモール店の体組成計売り場。店頭スタッフの高橋則子氏にガイドしてもらった

体組成計の購入ポイントは以下のとおりです。

  • ダイエットや身体作りを重視するなら、50g計測タイプがお勧め
  • 家族みんなで習慣的に使うなら、個人認識機能を備えたモデルを選びたい
  • ウエアラブル端末との連動性は差が大きい。使用シーンを固めて購入を

それを踏まえて、フィットネス性重視の人が選ぶ人気モデルのランキングを見ていきましょう。

※本文と写真で掲載している価格は、2019年8月20日15:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:スマホ連動と多彩な計測メニューで人気の「インナースキャンデュアル RD-909」

一番人気となっていたのは、タニタの体組成計「インナースキャンデュアル RD-909」でした。筋繊維を分析して筋質点数が測定できる上位モデルで、BluetoothによりiOSやAndroid端末と連携が可能。体重計測は50g単位で、4人までのデータが登録できます。税別価格は2万2800円。

「多彩な機能があり、スマホで長期的に管理できます。どちらかといえば、ご年配の人よりも働き盛りの方によく指名買いされますね。ウエアラブル端末と一緒に買われることも多いです」

  • タニタ「インナースキャンデュアル RD-909」

第2位:ウエアラブル端末市場を牽引する「Apple Watch」

続く2位は、Appleのウエアラブル端末「Apple Watch」です。最新世代はSeries 5となりますが、とくに売れているのは価格が落ち着いた一世代前のSeries 3とのこと。前述のとおり、ウエアラブル端末は男性人気が優勢のため、シリーズ内では小型の38mmタイプよりも42mmタイプのほうがよく出ているそうです。取材時の販売価格は税別3万4800円でしたが、取材後に価格改定がなされたので、現在はより安い価格で購入できます。

「30~40代の男性で、健康や体型を気にされるようになって買いに来られるというのがひとつのパターンになっています。ジョギングをされる方には特に人気ですね。指名買いが多く、ウエアラブル端末のなかでも独特の売れ方をしています」

  • Apple「Apple Watch」

第3位:スマホ連動機能付きで1万円切りの「エクリア HCS-WFS01」

3位は、エレコムの体組成計「エクリア HCS-WFS01」。Wi-FiによりiOSやAndroid端末と連携できるアプリを備え、50g単位の計測や4人までの自動認識機能などを備えています。税別価格は8,980円でした。

「ひと通りのトレンド機能を備えて1万円を切っているというコストパフォーマンスの高さが魅力です。フィットネス重視の方は体脂肪率や骨格筋率などに注目しますが、そのあたりもしっかりと押さえていますから。アプリとの連動も、計測値がWi-Fiで自動転送されるなどラクに使えるのも喜ばれています」

  • エレコム「エクリア HCS-WFS01」

第4位:スマホ連携は不要という人に支持される「BC-E01」

4位には、タニタの体組成計「BC-E01」が入りました。50g単位の体重計測や筋肉量、推定骨量といった数値も測れますが、スマホ連携機能は搭載していません。自動計測の登録人数は最大5人で、税別価格は5,980円となります。

「体組成計を単独で使いたいという人に人気があります。フィットネスで気になる数値は調べられますし、5人登録できるのもポイントですね。それでいて低価格ということで、最終的に選ばれることが多いモデルです」

  • タニタ「BC-E01」

第5位:シンプルな操作性で根強い人気の歩数計「HJ-325」

5位は、オムロンの歩数計「HJ-325」でした。電池込みで約23gの軽くて小さなボディで、歩数測定のみを持つシンプルなモデルです。税込み価格は1,880円。

「Apple Watch以外のウエアラブル端末も好調に売れるようになってきていますが、昔ながらの簡単さと携帯性を備えた歩数計の人気も根強いです。とくに、HJ-325は機能がいたってシンプルということで選ばれることが多いですね。比較的ご年配の方に人気があります」

  • オムロン「HJ-325」

はみ出し情報…健康情報器具で定番化している血圧計「HEM-8713」

その他の健康情報器具で安定して売れているジャンルを尋ねると、高橋氏は血圧計を挙げました。「巻きやすくて習慣的に使えるタイプが1万円以下で買えるので、長らく定番化していますね。購入層の中心は50代以上の方になると思います」

売れ筋は、オムロンの上腕式血圧計「HEM-8713」で、税別価格は8,480円でした。数量はそこまで出ないものの、スマホ連動機能のついた上位機「HEM-7511T」も注目度がじわじわと上がっているそうです。税別価格は1万6800円でした。

  • オムロン「HEM-8713」

著者プロフィール
古田雄介

古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『死とインターネット』(Kindle版)、『ここが知りたい! デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。