先日Appleが発表したiPhoneの新モデル「iPhone 12シリーズ」はもうチェック済みですか? 久しぶりに本体のフォルムが変わり、5G通信に対応し、iPhone 7や8をお使いの方ならそろそろ替え時かな…と思っているかもしれませんね。

今回は、発表された2機種4モデル進化のポイントを、ラインアップに残ったiPhone SE/11/XRとの比較を含めてまとめてみました。

待望の5G対応&フラットエッジ、しかし期待外れも…

  • 本体サイズと各種仕様の比較

iPhone 5sぶりのすっきりエッジ、ガラスは4倍強化

まず外観の違いです。注目は、iPhone 6以降のラウンドエッジから、iPad Pro/iPad Air(第4世代)と同じ真っ直ぐ切り出したエッジになったこと。これは待ち望んだユーザーも多かったようです。

また、このおかげで本体サイズをほぼ変えずに画面の大型化が実現。12 Pro Maxは過去最大の6.7インチに。12 Proも昨年モデルより大きく6.1インチになっています。新しいカテゴリであるminiは、SEよりも本体サイズは小さく軽く、画面サイズは大きくなっています。

画面サイズ順に並べるとこんな感じです。

  • Pro Maxはより大きく、miniは小型ながらも大きな画面を搭載

前面・背面には、従来のガラスよりも「耐落下性能が4倍」というセラミックシールドが採用されています。落としても画面割れを回避できる可能性が高くなることが期待できます。

全モデルで5G通信対応、ただし国内ではミリ波非対応

期待が高まっていた5G通信は、iPhone 12シリーズ全モデルが対応。特に、5G本来の超高速通信・低遅延が利用できる周波数帯「ミリ波」対応は上位モデルだけではないかとウワサされていましたが、これにも全モデルが対応…と思いきや、こちらは米国内のみでした。米国以外では、4G通信の施設を一部利用できる周波数帯「Sub-6」のみに対応する形となります。

どのみち、現時点で国内のミリ波通信エリアはごく一部のスポットに限られているので、端末だけ対応していても仕方がない部分ではあります。5G通信を重視して端末を選ぶなら、もう少し環境が整ってからでも遅くないでしょう。

  • ミリ波対応は米国向けのみ。ミリ波の周波数帯は超高速・大容量・低遅延が特徴ですが、遮蔽物に弱く遠くまで届きにくいのが課題

指紋認証非対応、取り残されたLightning

一方で残念な部分も。先月発表されたiPad Airは、トップボタンにTouch IDが内蔵されていました。これがiPhoneにも搭載されるのではと期待しましたが、残念ながらFace IDのみ搭載となりました。当面、外出時にマスクが必要な状況は続きそうなので、iPhoneにこそ対応して欲しかった部分です。

充電まわりでは新たに「MagSafe」が搭載され無線充電の利便性が向上しています。一方で、コネクタは依然としてLightningが残り、付属のケーブルはLightning/USB-Cという他に使いようのない仕様。さらにカーボンフットプリント削減のためにアダプターが同梱されなくなりました。従来のアダプターしか持っていない場合は、従来のケーブルを併せて使うしかなさそうです。

  • アダプターとLightningイヤホンが同梱されなくなり、パッケージが小型化しましたが…

Pro/Pro Maxは「Apple ProRAW」に期待大

  • カメラ性能(静止画)の比較

カメラ関連で一番の注目ポイントは、iPhone 12 Pro/Pro Maxの「Apple ProRAW」撮影機能です。RAWは一眼レフなど一部のデジタルカメラに搭載されている、ハイクオリティな写真のための記録形式。ここでは詳しい説明は省きますが、簡単に言えば自分でフィルムを現像するレベルのプロ&ハイアマチュアが使う「生データ※」の形式です。これを扱うにはハイスペックなデジタルカメラとPCが必要でしたが、それがiPhone上で完結できる形になった、というわけです。

  • iPhone 12 Pro Maxは、超広角から望遠までズームのレンジが光学5倍に

  • 「Apple ProRAW」は、通常の補正やフィルターではできないレベルの高品質の加工が可能

さらにPro Maxは、望遠カメラの焦点距離が65mmに、広角カメラには新しいセンサーシフト式光学手ぶれ補正が搭載され、より多彩な撮影を楽しめます。

iPhone 12も、iPhone 11と同じデュアルながら広角カメラの絞り値がf/1.8からf/1.6へ、ナイトモードが超広角でも使えるようになるなど、外見からわからない部分でしっかり進化しています。

※通常、スマホやデジタルカメラで記録されるのは、画像処理エンジンによって煮たり焼いたりされた「加工済みデータ」です。

動画は劇場クオリティのDolby Visionで撮影・編集可能

  • カメラ性能(ビデオ)の比較

カメラ性能の向上により、ビデオ撮影も進化しています。iPhone 12シリーズ全てでナイトモードでタイムラプス撮影が可能になり、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影が可能になりました。

Dolby Visionとは、映像の階調と色域をより豊かに表現する米Dolby Laboratoriesのテクノロジーで、撮影段階からDolby Vision対応カメラを使用し、撮影後にはプロのラボで階調と色域を整える編集が必要です。映画スタジオが制作する劇場品質の映像ですね。

これがiPhoneのみで、しかもリアルタイムで完結するのがDolby Vision対応HDRビデオ撮影機能です。Apple ProRAWと併せて、まさにプロ向けのカメラ性能が用意されたと言えるでしょう。

  • 専用のカメラや大掛かりな機材が必要だったDolby Visionが、iPhoneのみで撮影・編集可能に

機械学習性能が大幅に向上、効率がモノを言う時代に

  • チップの比較

iPhone 12シリーズには、先月発表されたiPad Air(第4世代)と同じA14 Bionicチップが搭載されています。大きなポイントの一つは、製品化されたチップとしては業界初の5nmプロセスを採用していること。これによって電力を節約しながらより高いパフォーマンスを発揮できます。

もう一つは、Neural Engineが8コアから16コアに増えたこと。Neural Engineは機械学習処理に特化したチップの構成部分で、写真や動画の処理、Face IDやAR等の3D認識などで大きな役割を担っていると考えられます。先に紹介したApple ProRAWやDolby Vision対応HDRビデオ撮影も、Neural Engine強化による恩恵と言えるでしょう。

Pro/Pro Maxは微妙なお得感、一方で値下げモデルは…

  • 2020年現行モデルの価格比較と、iPhone 11/12シリーズの価格比較

気になる価格は、昨年モデルとほぼ同水準…と思いきや、Proシリーズは昨年モデルよりややお買い得感が出ているようです。iPhone 12 miniは昨年のiPhone 11と同価格、iPhone 12は少し割高に設定されています。

一方でiPhone 11とXRは値下げされ、Pro MaxからXRまでキレイに価格のカーブができました。そんな中でもSEは低価格モデルの位置をキープする、ブレない存在になっています。

価格、性能、いま必要かどうか…。まずは予算で目星をつけ、機能を見ながらその前後を探っていくと、希望に合うモデルを見つけやすいのではないでしょうか。