カシオ計算機は、光る鍵盤に合わせて演奏を楽しめる「光ナビゲーションキーボード」の新製品「LK-550」「LK-350」を9月4日に発売します。
今年で発売30周年を迎える光ナビシリーズの節目として、上位機のLK-550には東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究成果を反映した「脳活BGM」「脳活カラオケ」を新搭載しました。「弾く」に加えて「聴く」「歌う」でも脳に働きかける、という新しい体験を提案しています。
パズルや計算問題を「解く」だけが脳活ではなく、運動や音楽、人との交流までを含めた“複合型の脳活”に注目が集まる中、音楽機器メーカーならではの提案としてこの新機能は生まれました。開発の背景には、ユーザーアンケートから見えてきた使い方があったといいます
「弾けない人のために」始まった光ナビ。なぜ脳活に向かったのか
光ナビゲーションキーボードは1996年発売の「CTK-520L」からスタートし、今年で30周年を迎えます。光る鍵盤が弾く場所を教えてくれることで、楽器初心者でも気軽に演奏を楽しめる電子楽器として、長く支持されてきたシリーズです。
搭載機能のひとつ「脳にキク」フレーズは、今回が初登場ではありません。東北大学の学術指導のもと、約18年前の機種から搭載されてきた既存機能で、規則的なフレーズを演奏することで指先への意識集中が脳の活性化につながるという知見を反映したものです。
今回のLK-550とLK-350にも、この「脳にキク」フレーズがそれぞれ50フレーズ、10フレーズ収録されています。東北大学の協力により、このフレーズを演奏することで脳の血流が上昇することも実証済みで、演奏前後の脳の状態を撮影した画像でも活性化の様子が確認できるといいます。
開発のきっかけは、ユーザーの“意外な使い方”
今回、LK-550に新機能を搭載する発想の原点は、既存の上位機に対するユーザーアンケートだったといいます。
購入理由を尋ねたところ、もっとも多い理由が「ボケ防止」「脳トレ」「脳活」「認知症予防」で、続いて「BGM」、そして「カラオケ」という結果が出たそうです。しかも、鍵盤をほとんど弾かずBluetoothスピーカー代わりに音楽を流しているだけのシニアユーザーや、カラオケ機能だけを楽しんでいるユーザーが少なくなかったとのこと。
そこで、「聴く」「歌う」という入り口で製品に触れているユーザーに対してさらに脳活機能を届けるために、LK-550には新機能「脳活BGM」「脳活カラオケ」が搭載される運びとなりました。
LK-550の「脳活BGM」、クラシックを“脳のために”アレンジ
「脳活BGM」は、作業効率向上をサポートする「はかどる曲」と、リラックスを促す「ととのう曲」の2カテゴリーで各15曲、計30曲を収録しています。ベースになっているのは「エリーゼのために」「G線上のアリア」といった誰もが耳にしたことのあるクラシックの名曲です。
「はかどる曲」は原曲のテンポを上げ、ビート感を強調するようアレンジされています。反対に「ととのう曲」はテンポを落とし、バイオリンなどストリングス系の柔らかく豊かな音域を生かす方向でアレンジされています。単にテンポを変えるだけでなく、どの程度の速さやビート感であれば効果が出るのか、実験を重ねながら細かく検証したそうです。
この研究成果は東京大学先端科学技術研究センターとの共同研究によるもので、音楽のテンポによって脳の状態が変化することが確認されています。好きな音楽を聴くと脳が覚醒すること、速いテンポの音楽では作業のスピードが上がること、遅いテンポの音楽ではリラックスして前頭前野の活動が高まることなどが、共同研究を通じてわかってきたといいます。
LK-550の「脳活カラオケ」、あえてメロディを聞こえにくくする理由
もうひとつの新機能「脳活カラオケ」は96曲を収録しています。一般的なカラオケボックスのように歌詞をなぞって色が変わっていくだけの表示は、実はそれほど脳活効果が高くないとされています。重要なのは、自分でリズムを感じて歌い出しのタイミングを取ったり、メロディを自分の頭の中で思い描きながら歌ったりすることだといいます。
そこでLK-550の脳活カラオケは、あえてメロディ音量を絞り、歌詞集とリズムを頼りに歌う仕様にしました。もちろん、それでは難しいという人向けにメロディ音量を上げる調整も可能です。この設計思想の裏付けとして、東京大学との共同研究では、健常な高齢者25名を対象にした実証実験で、カラオケプログラム実施後に空間記憶課題中の脳血流反応の立ち上がりが平均約2.9秒早まったこと、発声トレーニングの反復速度が向上したことなどが確認されています。
また、LK-550はMIDIレコーダー機能も備えており、演奏を録音・保存できます。フィンガードラム的な遊び方など、ユーザーがさまざまな使い方を楽しんでいるといいます。
LK-350は、贈る人と贈られる人を意識した設計
一方のエントリーモデル「LK-350」は、脳活BGMと脳活カラオケは非搭載ですが、3ステップで無理なく弾けるレッスン機能や、どこを弾いても正しい音が出る「らくらくモード」、付属マイクでの弾き語りなど、初心者向けの機能を備えています。
デザインテーマは「フローズンブルー&Pixelアート」。小さな女の子にも刺さる配色や、ドット柄のグラフィックを意識して取り入れたといいます。想定するのは主に小学校低学年までの子どもですが、クリスマスに親から子へ、あるいは子から祖父母へ贈るギフト需要もありそうです。
内蔵曲は120曲で、最新のプリキュア主題歌のほか、人気アーティストの楽曲、映画の主題歌などトレンド性の高い曲を積極的に収録しています。
アプリで新曲をダウンロード可能! 好きな曲で脳活できる
このほか、LK-550はBluetoothオプションと専用アプリ「ソングバンクプラス」を使うことで、追加コンテンツを曲単位で購入して増やせる拡張性も備えています。現在のところ600曲以上が配信されており、新曲が毎月追加されていくそうです。
脳活という新しい切り口を得たことで、シニア層だけでなく、幅広い世代がそれぞれの目的で光ナビゲーションキーボードに触れる機会が広がりそうです。
LK-550/LK-350はいずれも9月4日発売、価格はオープンで、量販店のオンライン販売価格はLK-550(ブラック、ホワイト)が39,600円前後、LK-350(ホワイトのみ)が25,300円前後となっています。








