Appleが提供するクラウドストレージサービス「iCloud Drive」は、iOSやmacOSとシステムレベルでつながり、さまざまな機能を提供しています。メモや写真、ファイル(Files)などiOSに標準装備されているアプリの多くは、整備されたAPI(CloudKitフレームワーク)を介し、Apple製デバイス間でのデータ同期やバックアップにiCloud Driveを活用しています。
iCloud Driveは、インターネットを通じてクラウド(Appleが運営するサーバ)と端末の間で通信します。その通信プロトコルには、インターネットにおける事実上標準の「HTTPS」にApple独自の仕様をくわえたものを採用しており、暗号化された通信上で端末とサーバ間の同期を軸としたストレージサービスを実現しています。
かつてパソコンにおいてファイル共有といえば、SMB(Server Message Block)やAFP(Apple Filing Protocol)といった"ファイルそのものを転送する"通信プロトコルを使用していましたが、クラウドストレージサービスでは"ファイルの同期"に主眼を置いています。かんたんにいえば、ファイル実体のダウンロード/アップロードをできるだけ避け、端末側にキャッシュを置き、必要なときに必要なぶんだけデータ転送を行うのです。
HTTPSを基盤としているため、特定のプラットフォーム/OSに縛られないことも特長です。たとえば、WEBブラウザからiCloud Driveを利用できる「iCloud.com」は、Safari以外にもGoogle ChromeやMicrosoft Edgeなどをサポートしており、それらのWEBブラウザが動作する環境であればiCloud Driveを読み書きできます。この点においても、かつてのファイル共有とは一線を画したクラウド時代のストレージサービスといえます。
