Samsungは、米サンフランシスコで新たなスマートフォンを発表する「Galaxy Unpacked」を開催し、最新のハイエンドスマートフォン「Galaxy S26」シリーズを発表した。無印の「Galaxy S26」に加えて「Galaxy S26+」「Galaxy S26 Ultra」の3モデルがラインナップされ、米国では3月11日に発売される。日本でも、大手キャリアを含めて同タイミングの発売となっており、Galaxyシリーズとして初めて、グローバルの第一次販売国となった。
Galaxy S26シリーズでは、独自のAI機能である「Galaxy AI」をさらに強化。イベントに登壇したモバイル部門トップのTM Roh氏は、「歴史を変えるテクノロジーはインフラとなり、背景に溶け込んでいく。AIはまさに今、その瞬間に立ち会っている」と話した上で、Galaxy AIが簡単に、誰でも利用できるように設計されている点をアピールした。
Galaxy AIを搭載したGalaxy Sシリーズは「エージェンティックAIフォン」を実現するための第一歩となる端末であり、Samsungが推進するエージェンティックAIの幕開けとなることが宣言された。
AIが生活を便利にするエージェンティックAIスマートフォン
Galaxy S26シリーズに搭載されたGalaxy AIには、「日常の摩擦を減らす」といういくつかの機能が搭載されている。
例えば、メッセージなどの通知の中に「予約完了」があって、それがカレンダーに登録していなかったら、自動でリマインドしてくれる。
音声アシスタントの「Bixby」も進化し、より文脈理解が進化した。例えば「友だちのスマホを私のスマホで充電する方法は?」と尋ねると、設定画面の「ワイヤレスバッテリー共有」の設定方法を示すとともに、その場でオン・オフができる。
これまでGalaxy AIは、Samsungブラウザを使うことでWebサイトの要約、翻訳、ハイライトを利用できたが、現在開いている複数のタブの内容や検索履歴を横断してリサーチが可能になったため、「開いているタブのレストランの比較をして」といった問い合わせにも回答してくれる。
特にアピールされたのが「Now Nudge」機能。例えば、チャットで予定の日程調整をしていたら、キーボード上部にカレンダーへのショートカットが表示され、アプリを切り替えずに予定を確認できる。また「先週のオーストラリア旅行の写真を送って」というメッセージを受信したらギャラリーアプリへのリンクが表示され、先週の日付で位置情報がオーストラリアの写真が自動抽出されるので、スムーズに画像を選んで送信することができる。
こうしたAI機能を実現するため、MX部門President兼COOのWon-Joon Choi氏が、「Personal Data Engine(PDE)」の重要性について説明した。デバイス上に散在するデータをAIが活用できる意味のあるデータに変換することで、AIが文脈を理解して機能を提供できるようになる。それでいてセキュリティの確保も大事なポイントで、Samsung Knoxを活用して安全にデータを分離して活用する。
長年続いているGoogleとのパートナーシップによる成果としては、新たにGeminiを使ったエージェンティック機能も紹介された。例えば家族のグループチャットでピザのトッピングをみんながバラバラに意見していた場合、Geminiがその内容を読み取って、それぞれの要望を取りまとめ、バックグラウンドでデリバリーアプリを自動操作する、という未来の体験が紹介された。
ほかにも、配車アプリを呼び出すことも可能で、「空港からホテルまで配車して」といった問い合わせに対して、Uberを呼び出してくれる。まずは韓国と米国において、このUber対応から提供を開始する予定だ。
なお、こうしたGalaxy AIの機能は、当初はGalaxy S26からスタートするが、ソフトウェアであるため、既存の端末でも利用可能になる可能性はある。
世界初の覗き見防止ディスプレイ
Galaxy S26のハードウェア面では、SoCとしてSnapdragon 8 Elite Gen 3 for Galaxyを搭載したことで、NPUで39%、CPUで19%、GPUで24%の高速化。例えば、画像処理などのAI処理で高速化が実現できているという。ベイパーチャンバーの大型化による冷却性能の向上によって、長時間のゲーミングでもパフォーマンス低下を抑えられる点、急速充電の対応などといった性能向上も図られている。
最大の特徴となるのが、Galaxy S26 Ultraに搭載された世界初の「プライバシーディスプレイ」。これは、ディスプレイから出る光の向きを物理的に変えることで、斜めからは画面が見えないようにするという機能。
通常のディスプレイのピクセルは、できるだけ広い角度から画面が見えるように広範囲に拡散するようになっている。プライバシーディスプレイでは、光の通り道を物理的に狭める「ブラックマトリックス」機構を採用。結果として、正面からは画面が見えるけれども、側面からは光が届かずに画面が見えないという状態を実現した。
画面全体だけでなく、指定アプリ起動時のみオンにしたり、通知領域だけをオンにしたり、細かな設定ができる点も特徴だ。
確実に水平を保てるカメラなど動画機能を強化
カメラは、マイナーアップデートという印象で、例えばGalaxy S26 Ultraは2億画素のメインカメラでレンズのF値が従来のF1.7からF1.4へと大口径化。超広角カメラと5倍望遠カメラは5000万画素でスペックは変わらず。画像処理エンジンのProVisual EngineやインカメラにおけるAI ISPによる高画質化が図られたほか、AIによる直射日光下で明暗差のバランスを調整する日差し補正なども搭載する。
得意の夜景撮影「Nightgraphyビデオ」では、プロセッサの進化でノイズ処理が高精度化し、複数カメラで動画撮影時のノイズを軽減した。
動画撮影時の手ブレ補正では、アクションカメラにあるような「水平ロック」機能を搭載。センサーの中心部を撮影に使い、その周囲を手ブレ補正用に広く確保することで、どれだけ傾けても、仮に端末を回転させても水平を維持できる。画角は狭くなるが、確実に水平を保てるようになった。
RAW撮影が可能な「Expert RAW」モードにおいて、新たに「水中モード」も追加された。これは海などの水中において色が変化する現象を補正して、より正しく豊かな色彩で撮影できる。
さらにS26 Ultraでは、スマートフォンとして初めてという「APV」コーデックに対応。高ビットレートでロスレスに近い映像を8Kで記録でき、DaVince Resolveなどの動画編集ソフトで編集が可能。外部ストレージへの直接記録もできる。
カメラ機能ではGalaxy AIを活用したスキャン機能を搭載。レシートや書類などをカメラで撮影する際に、紙のシワ、折れ目、角の欠け、写り込んだ指などを検出してきれいに消去や補正をしてくれる。
画像編集機能では、「フォトアシスト」機能で、生成AIによる画像の「復元」や「追加」といった機能が可能になった。一部を食べてしまったケーキを元の見た目に戻すといったデモや、別のペットの写真と飼い主の写真を合成するといったデモが紹介されていた。
画像を水彩画やアニメ調に変換する機能、SNSやメッセージで送信できる独自のステッカーを作成する機能も搭載する。
なお、今回はAIによって生成・編集した画像にはコンテンツ認証イニシアチブ(CAI)のタグが保存されるようになった。
エージェンティックAI時代に向けたAIコンパニオン
今回のUnpackedでは、Galaxy AIへのさらなる推進が強調された。AIをインフラにして、エージェンティックAIフォンとして進化するための第一歩がS26シリーズだと位置づけられており、ユーザーの意図をスマートフォンが理解し、スマートフォンが実際にその意図を処理する、そんな時代に向けて、さらなる取り組みをSamsungは強化していく意向が示された。
最後に登壇したWon-Joon Choi氏は、冒頭のTM Roh氏のAIに関するコメントに改めて言及し、AIが最高の体験だけでなく、使いやすさ、利便性、選択肢を提供すると話した。その上でWon-Joon Choi氏は、「真のAIコンパニオン」という目標に向けて開発を進めていくことを強調した。



















































