はい、滞在する場所によってiPhoneのバッテリー消費量は変化する可能性があります。その原因となるのは、「モバイルデータ通信」と「Wi-Fi」です。同じワイヤレス通信でもBluetoothは空中線電力が圧倒的に低く、それほど問題にはなりません。

モバイルデータ通信は、携帯電話会社が運営する基地局と通信することで、インターネット接続を実現します。インターネットから切断されると通知が届かなくなるなどの不便が生じるため、iPhoneは基地局との通信を維持しようとしますが、ひとつの基地局がカバーするエリアは限定的なため、移動中は新しい基地局を探す処理が断続的に発生します(ハンドオーバー)。これが電力消費量増加の大きな原因となります。

通信圏外のときも、電力消費量は増えます。通信圏外はつねに基地局を探している状態で、iPhoneは通信可能な相手からの信号がないかデータ通信の受信回路を動かし続けています。だから建物内の電波が不安定な場所、ひんぱんに圏外になる場所に長時間いると、電力消費量増加を招きます。

Wi-Fiについても基本的には同じで、接続できるアクセスポイントがないか探しているときに電力消費量が増えます。ただし、Wi-Fiは通信距離が短いこともあり、モバイルデータ通信と比較すると消費電力量は抑えられます。

以上を踏まえると、高速移動中のクルマのようにひんぱんにハンドオーバーが発生する場所、圏外になりがちな通信状態がよくない場所では、iPhoneの電力消費量は増えがちということがいえます。そのような場所では、機内モードをオン(モバイルデータ通信はオフ)にするなどの対策をとったほうがバッテリーが長持ちするはずです。

  • 特にモバイルデータ通信は場所によって消費電力量が増えがちです