アップルのオーディオブランドであるBeats(ビーツ)が、初めてのiPhoneケース「MagSafe対応 Beats iPhone 16ケース」を発売しました。アップル純正ケースとの細部の違いにも注目しながら使ってみました。
どうしてBeatsがiPhoneケースを発売したのか?
Beats iPhone 16ケースは、4種類のiPhone 16のラインナップごとに展開されます。カラバリは、ミッドナイトブラック/サミットストーン/リップタイドブルー/サンセットパープルの4色。価格はいずれも7,980円。今回はiPhone 16 Pro Maxのケースを中心に、アップル純正のクリアケースと比べています。
そもそも、なぜBeatsが初めてのiPhoneケースを手がけることになったのでしょうか? 筆者は、iPhone 16世代の4モデルが共通に搭載する新しいユーザーインターフェース「カメラコントロール」が深く変わっていると思います。
カメラコントロールは、iPhoneの側面に新たに加わった物理ボタンです。感圧センサーと静電容量センサーによる動作は正確ではあるものの、ユーザーに繊細な操作感覚を求めるところがあります。例えば“ダブルクリック”でカメラアプリを立ち上げたり、オプションツール選択の機能を起動できるのですが、慣れるまでユーザーは画面表示の変化と指先に伝わる触覚フィードバックを頼りにしながら、操作が正しくできたことを確認する必要があります。
ボタンの上を保護しながら、操作感を損なわないケースを開発するためには、アップルからカメラコントロールの構造や動作に関する新しいiPhoneの情報を事前にある程度知らされている必要があります。なおかつ、ケースを商品化してiPhoneの発売にタイミングを同期するのであれば、アップルのグループ傘下にあるブランドのBeatsに協力を仰ぐことが良いものづくりへの近道だったのでしょう。
アップル純正クリアケースと同じところ・違うところ
実際にBeats iPhone 16ケースを使ってみて、とても魅力的で完成度の高いアクセサリーだと感じました。
素材は、アップル純正のクリアケースと同じハードタイプの樹脂。Beatsの方はクリアタイプではなく、全体が着色されているので、装着するとiPhoneの地の色はほぼ見えなくなります。表面側には、キズが目立たなくなるように光沢コーティングが施されています。
カメラユニットとUSB-C端子・スピーカーの側に大きな切り欠きがあるため、これらの箇所だけむき出しになります。アップル純正のクリアケースと本体をカバーする範囲は同じ。ケースを装着した状態でiPhoneのサイズや重さを計ってみても、ほぼ変わりはありませんでした。
iPhoneの背面カバーガラスに触れるケースの裏地には、柔らかなマイクロファイバーが配されています。サミットストーンのケースは、蛍光オレンジのファイバーシート。ケースの側面には、同じオレンジ色で「beats」のロゴをレイアウトしています。
カメラコントロールの操作性
ケース装着後のカメラコントロールの操作感は、アップルとBeatsのケースとの間に少し違いがありました。
アップル純正のクリアケースはカメラコントロールの周囲に白いフレームがあり、この部分の手触りが少しさらっとしています。カメラコントロールのあたりが強調されたデザインに見えてしまいますが、筆者は手汗をかいた状態でも操作しやすい感覚があるので気に入っています。
Beatsのケースは、内側にはリング状のフレームを搭載しているのですが、外側はボーダーラインのないデザインになっています。アップル純正のクリアケースに比べると指先の引っかかりが少なめです。
サミットストーンのケースは、カメラコントロールが一目で分かるようにブラックに塗り分けています。ふたつの製品の間でルックスと操作感は少し違うので、試してから好みに合う方を選ぶとよいでしょう。