サードウェーブは、2024年9月9日にLunar Lake搭載ノートパソコンのラインアップを公開しました。メディア向けの発表会では実機を展示。PCの写真とともに、その様子をお伝えします。
16インチ1製品、14インチ2製品を個人/法人向けにそれぞれ提供
先週行われたIntel Connection Japan 2024では16インチモデルが展示されていましたが、今回公開されたのは16インチのCore Ultra 258Vモデルと14インチのCore Ultra 258V/226Vモデルの3機種。これが個人向けと法人向けで提供されます。
ただし、今回の説明会では価格と発売開始日、バッテリー駆動時間の情報がありませんでした(後日公開)。その意味では実際に触れた程度といった感じなのは否めません。
説明会では、冒頭、製品・マーケティング統括本部 統括本部長の西村祐典氏が一般向けと法人向けそれぞれ3製品のCopilot+PC対応製品を出すと紹介。それぞれの担当者から説明がありました。
個人向け製品は、製品・マーケティング統括本部 セールスプロモーション課の黒川裕大氏が紹介しました。
AI PCということで、従来のパソコンの能力にローカル動作のAIが加わったと説明。個人向けは16インチ製品が「THIRDWAVE DX-L7LA」で、14インチ製品が「THIRDWAVE F-14LN7LA」と「THIRDWAVE F-14LN5LA」という名称です。
画面サイズの違いのほか、「DX-L7LA」「F-14LN7LA」はCoreUltra7 258Vを使用しており、メインメモリは32GB。対して、「F-14LN5LA」はCoreUltra5 226Vでメインメモリが16GBという違いがあります。
そのほかの基本構成はほぼ同じで、バッテリーは55Wh、ストレージがGen.4 1TB M.2 SSDです。Lunar LakeはCPUモジュール内にメインメモリが入っているため、カスタマイズ要因はM.2 SSD程度でしょう。
法人製品は法人事業統括本部 法人製品企画部の鈴木由希子氏が紹介。企業におけるAI PCのメリットとして「パブリッククラウドを使うと問題が出る社外秘の機密データでもローカルPCなら扱うことができる。企業の場合、パソコンは資産となり、早々に新製品に変えることが難しいが、当社の場合は短期の利用に強いレンタルや、1年たてば上位製品に乗り換えもできるPCサブスクリプションがある。この制度でAI PCを利用できるよう検討中」と説明していました。
製品ラインアップは、16インチのDX-L7LA-B法人モデルと14インチのF-14LN7LA-B法人モデル/F-14LN5LA-B法人モデル。中身は個人モデルとほぼ同じなので、説明は省略されていました。
実際に触ってみると、よくできた薄軽ノートという印象。14インチモデルは約960gと十分な軽量性を持っていつつ、無理やり軽量化したわけではなくMIL-STD 801H認証のある頑丈さも持っています。
「プレミアムPC」なので各社価格は高め? 価格は後日発表
今回の説明会は、開発ギリギリな状態ということもあり、電池持ちに関しても「これから計測する」、価格に関しても「発売までに発表」と、やや見切り発車な感がありました。
4日の発表で「あれ?」と思っていましたが、インテルはCPUの価格を公表していません。通常ならば表に1000個ロット注文時の価格が出ていますが今回は入っていませんし、Intel ARKサイトにも記載がありませんでした。
インテルも「高性能なノートパソコンにAI機能が加わった」という趣旨の表記をしているため、その分のプレミアムが上乗せされる可能性は否定できません。
また、Lunar Lakeは、TSMCでメインのウエハを製造しているため、インテルの都合だけで製造を増やすことができない問題もあります。会場の記者の中に「おそらく発売を前倒しにしたので、十分な数が用意できていない可能性もあるのでそれも考慮するとプレミア価格にする可能性がある」とコメントした方がいらっしゃいました。
とはいえ、ライバル製品よりと明確な価格差があると売れ行きにも影響するので、ギリギリまで発表できない何らかの事情があるのかもしれません。