台湾MediaTekは5月10日、フラッグシップ5Gスマートフォン向けの最新チップセット「Dimensity 9200+」を発表した。同チップを搭載したスマートフォンは2023年5月に発売されるという。

  • Dimensity 9200+

    Dimensity 9200+

Dimensity 9200+は、第2世代のTSMC 4nmプロセスで製造。3.35GHz動作のArm Cortex-X3を1コア、最大3.0GHz動作のArm Cortex-A715を3コア、2.0GHz動作のArm Cortex-A 510を4コア搭載したオクタコアプロセッサ。GPUはArm Immortalis-G715を搭載し、前世代のDimensity 9200から、CPU性能/GPU性能ともに10%向上しているという。

メモリは最大8,533MbpsのLPDDR5Xで、ストレージはUFS4.0+MCQに対応する。

モデムチップはサブ6接続とミリ波接続をスムーズに切り替えられる4CC-CA 5G Release-16モデムを搭載。Bluetoothはバージョン5.3、無線LANは最大データレート6.5GbpsのWi-Fi 7(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be)の2x2 2.4GHz+2x2 5/6GHzにも対応する。MediaTek Wi-Fi/Bluetooth coexistence 3.0 & Wi-Fi UltraSaveにより、Wi-Fiでのゲームの遅延は競合製品にくらべて46%低減されており、Wi-Fi/Bluetooth LEオーディオ/無線周辺機器を低遅延で干渉なく同時に接続できるという。

イメージシグナルプロセッサMediaTek Imagiq 890。カメラは最大320メガピクセルをサポート、動画は8K30(7,690×4,320)4K60(3,840×2,160)まで対応する。

第6世代AIプロセッシングユニットAPU 690は、前世代から35%高速化し、45%の省電力化を達成。AIベースのノイズ低減と超解像タスクを効率的に処理し、リアルタイムフォーカスやボケ調整を活用した映像出力が可能だ。

またMediaTek MiraVision 890はアダプティブリフレッシュレート技術とモーションブラー低減機能を備えたディスプレイ技術で滑らかなユーザーエクスペリエンスを実現する。

このほか、高フレームレートを維持して遅延を最小限に抑えるアダプティブパフォーマンステクノロジーによりゲームエクスペリエンスをさらに向上させるHyperEngine 6.0、あらゆる5G接続条件に合わせてバッテリー持続時間を最適化する電力効率化技術MediaTek 5G UltraSave 3.0などを搭載している。

  • Dimensity 9200+の諸機能

    Dimensity 9200+の諸機能

Dimensity 9200+の発表にあたり、同社ワイヤレスコミュニケーションビジネスユニットで副ジェネラルマネージャーの職にあるDr. Yenchi Leeは、「当社は、Dimensity 9200+によりフラッグシップ製品のパフォーマンスと電力効率の水準を継続して引き上げ、デバイスメーカーが現在最も強力なモバイルゲーム機能を常に利用できるようにしています。高速なレイトレーシングと高フレームレートでの滑らかなゲームプレイにMediaTekの省電力技術を組み合わせることで、ユーザーは驚異的なビジュアル、壮大な映像効果、長時間のバッテリー寿命を享受することができます」と語っている。