MMD研究所は3月14日、2023年に実施した通信サービスに関する調査の結果を公表した。eSIM/デュアルSIMの利用経験/認知について聞いた部分では、ともに認知度は全体の4割弱、利用経験があるのはひとケタ台にとどまるという結果だった。

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eSIMの認知/利用経験

18~69歳の男女40,000人のうちから、調査時点でスマートフォンの契約をしている36,563人を対象に、eSIMについてファネル構造(認知/利用経験/現在利用)で認知/利用経験を聞いた結果が次のグラフ。全体としては「認知」38.9%、「利用経験」が8.0%、「現在利用」が6.1%という結果になった。

  • グラフ:eSIMの認知~利用状況

    eSIMの認知~利用状況

年代別に見ると、20代~40代では認知が4割を超えており、現役世代では認知度が比較的高いという結果だった。利用経験あり/現在利用が比較的高いのもこの年代。ただ、現在利用は全年代を通じてひとケタ台で、まだ利用があまり広がっていないというのが実情だ。

また、スマホ端末/キャリアのeSIM対応が進んさほど時間が経っていないわりには、「利用経験」と「現在利用」のギャップが以外と大きい感がある。eSIM利用経験者の4人に1人近くが、現在はeSIMを利用していないという計算だ。その理由のひとつとなっていそうなのが、楽天モバイルがいわゆる“ゼロ円プラン”を廃止した影響。楽天モバイルは比較的eSIMに積極的に取り組んでいたキャリアだったこともあり、ゼロ円プランをいざというときのためのサブ回線としてeSIMで利用していた層は少なくなかったはず。それがゼロ円プランの廃止で利用をやめたというのはありそうな話だ。

デュアルSIMの認知/利用経験

同じ対象に、デュアルSIMについてファネル構造(認知/利用経験/現在利用)で認知/利用経験を聞いた結果が次のグラフ。全体としては「認知」37.6%、「利用経験」が6.0%、「現在利用」が3.7%という結果になった。

  • グラフ:デュアルSIMの認知~利用状況

    デュアルSIMの認知~利用状況

こちらも20代~50代が比較的高い認知度になっている。こちらも利用経験と現在利用の差がそれなりに生じている。デュアルSIMは積極的に試してみる層はヘビーユーザーに多かったと考えられ、「メリットが小さい」「必要ない」と考えたときの撤退の判断も早そうだ。また、もともと複数キャリアと契約していた人が機種変更の間に一時的にデュアルSIMを利用するというケースもあるだろう。加えて、先の楽天モバイルゼロ円プラン廃止の影響もあったと思われる。

調査概要

  • 調査名:2023年2月通信契約サービスに関する調査
  • 調査期間:2023年2月3日~2月6日
  • 有効回答:40,000人 ※人口構成比に合わせてウェイトバックを実施
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:18歳~69歳の男女
  • 設問数 :15問