MMD研究所は3月9日、2023年2月に実施したMVNOのシェア・満足度調査の結果を発表した。前回調査では首位だった楽天モバイルはMVNOサービスの申し込み受け付けを終了して1年10カ月が経過していることもあり、シェアを3.2ポイント落として2位となり、前回2位のOCNモバイルONEが首位を奪取する結果となった。

今回の調査は、3月7日に結果が公表されたMNOのシェア・満足度調査の結果と同じ予備調査から、MVNOを利用している18歳~69歳の男女を対象とした本調査を行ったもの。本調査で対象としたMVNOサービスは、OCNモバイルONE/楽天モバイル/mineo/IIJmio/イオンモバイル/BIGLOBEモバイルの6サービスで、各サービスについて150人の回答を集めている。

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MVNOのメイン利用は9.7%で前回調査から微減

予備調査における、スマホ利用者全体に占めるメインの通信回線としてMVNOと契約しているという割合は9.7%。この数字は2022年10月の前回調査から0.2ポイントのダウン。2019年に13.2%のシェアがあったことと比べると数字を落としているものの、2021年11月以降は9%台で推移している。

  • グラフ:MVNOをメインとして利用している比率の推移

    MVNOをメインとして利用している比率の推移

受け付け終了から1年10カ月経過した楽天モバイルは首位を明け渡す

予備調査において、メインで利用しているMVNOとしてもっとも多く名前が挙がったのは前回2位だった「OCNモバイルONE」。前回首位の「楽天モバイル」は数字を3.2ポイント落として2位となったが、MNOへの移行に伴ってMVNOサービスの申し込み受け付けを終了して1年10カ月が経過していることを考えれば自然な流れといえるだろう。3位以下、「mineo」「IIJmio」「イオンモバイル」「BIGLOBEモバイル」と続く6位までの順位は前回調査と同じだったが、こちらもソフトバンクとのサービス統合により受け付けを終了している「LINEモバイル」が前回7位からひとつ順位を落として8位となっている。

  • グラフ:メイン利用のMVNO

    メイン利用のMVNO

前回からのシェアの変化は、前述のとおり楽天モバイルが3.2ポイント数字を落としているほかは、OCNモバイルONEが1.2ポイントシェアを上げているのが目立つ程度。OCNモバイルONEは2021年11月からの変化でも4.9ポイントと大きく拡大しており、この数年の好調がわかる。

  • 表:メイン利用のMVNOの比率の推移

    メイン利用のMVNOの比率の推移

総合満足度はイオンモバイル/mineo/IIJmioが上位

各サービスの利用者に総合満足度を聞いた結果が次の表。首位はイオンモバイル(前回1位)、2位は「mineo」(前回1位)、3位はIIJmio(前回2位)。4位~6位は前回調査と変わらず、「OCNモバイルONE」「楽天モバイル」「BIGLOBEモバイル」の順。

  • 表:MVNO 6サービスの総合満足度

    MVNO 6サービスの総合満足度

サービス推奨度トップはmineo

それぞれのサービスの利用者に、家族や友人に薦めたいかどうかを10点満点でスコアをつけてもらい、それを集計したNPS(ネット・プロモーター・スコア)をまとめたのが次のグラフ。全体として批判的な声が多いが、その中で比較的高い(中立に近い)スコアとなったのが「mineo」のマイナス9.3で、「イオンモバイル」のマイナス14.0、「IIJmio」のマイナス16.0が続く結果。

  • グラフ:MVNO 6サービスのNPS

    MVNO 6サービスのNPS

NPSの変化が大きかったのが楽天モバイルで、前回調査では批判者が64.7%を占めてスコアはマイナス53.3だったところ、批判者が41.3%まで減り、スコアもマイナス30.7と大きく改善した。ただこれは、シェアの減少が示すように批判的だったユーザーが解約していることの影響かと思われる。

調査概要

  • 調査名:2023年2月MVNOのシェア・満足度調査
  • 調査期間:2023年2月3日~2月6日
  • 有効回答:<予備調査>40,000人(人口構成比に合わせて回収)、<本調査>900人(各サービスごとに150人)
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:<予備調査>18歳~69歳の男女、<本調査>MVNOを利用している18歳~69歳の男女
  • 設問数 :<予備調査>15問、<本調査>9問