実験の結果、ハスモンヨトウの胸部や顔部の損傷が大きいことを確認。これらが急所であり、そこを狙えば、比較的低い光エネルギーで駆除することが可能だと判断。さらに飛んでいるハスモンヨトウを画像検出して追尾し、青色半導体レーザーによってパルス光を照射する飛翔害虫駆除システムを構築し、撃ち落とすことにも成功したとする。

  • ハスモンヨトウの撃墜

    ハスモンヨトウの撃墜。検出・追尾してレーザー光を発射、ハスモンヨトウが煙を上げて落下していく様子 (出所:阪大Webサイト)

また、アフリカや中東、東南アジアなどで大規模な被害をもたらす害虫として恐れられている「サバクトビバッタ」も考慮し、それに準じた国内のバッタへの適用も試みられたところ、ハスモンヨトウと同様に胸部が急所であることが確認されたともしている。

  • 半導体レーザーによる飛翔害虫駆除システム

    半導体レーザーによる飛翔害虫駆除システム (出所:阪大Webサイト)

研究チームによると、今回の成果により、薬剤抵抗性を獲得した害虫であっても、レーザー光で駆除できることが示されたとしているほか、今回開発された飛翔害虫駆除システムと、農研機構が発表した飛翔害虫予測技術を組み合わせることで、飛んでいるハスモンヨトウやサバクトビバッタもより撃墜しやすくなり、農作物被害の減少が期待されるとしている。加えて、今回の成果を用いれば、家庭でも薬剤を使わずにゴキブリやハエなどを駆除できることも可能になるともしている。