シャープは、ミニLEDバックライトを搭載した液晶テレビ「AQUOS XLED」シリーズを、米国で2023年春に発売すると発表した。米国市場には約8年ぶりの本格再参入となる。

  • シャープが米国テレビ市場に「AQUOS XLED」を投入へ

米国で発売するのは、2022年11月に国内で発売したAQUOS XLED「EP1」シリーズをベースに開発した海外向けモデルで、75/70/65型の3サイズを用意する。

高密度に敷き詰めたミニLEDバックライトを、2,000以上のエリアに分割して明暗を制御する「Xtreme mini LED」技術や、量子ドットを活用した光波長変換によってバックライトの光から純度の高い3原色を生成する「Deep Chroma QD」技術を採用。これによって輝度やコントラスト、色彩表現を高めている。

サウンド面では、画面の上下部にスピーカーシステムを搭載して没入感ある音場を再現。システムにはGoogle TVを採用し、さまざまなサービスやアプリを楽しめるようにした。

  • グローバル向け70型「AQUOS XLED」の利用イメージ

なお、米ラスベガスで開幕した「CES 2023」(会期:現地時間1月5日〜8日)に合わせて、シャープはミニLEDバックライト搭載の液晶ディスプレイとして世界最大級の120型モデルを出展している。

  • ミニLEDバックライト搭載の液晶ディスプレイとして世界最大級となる120型モデル。CES開催に合わせて出展

AQUOS XLEDは2021年12月から、日本を皮切りに中国や台湾で既に販売済みだが、2023年春にはAQUOS XLEDの新製品を米国市場に投入。その後、カナダ、メキシコ、中国、台湾、ASEANおよび中近東諸国においても順次発売する計画とのこと。

シャープ スマートディスプレイシステム事業本部長 岡本寛文氏は、「フラッグシップモデル『AQUOS XLED』を、米国をはじめ世界各国・地域のユーザーに提供できることを大変うれしく思う。ミニLEDバックライトの緻密な制御と量子ドット技術がもたらす、圧倒的な光と色の表現力。さらには美しい映像と一体になったサウンドにより、ネーミングの由来でもある“素晴らしい視聴体験(excellent experience)”を実感してもらえると確信する。CES 2023のシャープブースで体感してほしい」とコメントしている。

  • 120型ミニLED液晶ディスプレイの設置イメージ

なお、AQUOS XLEDとは別に、スマートテレビ向けOS「Roku」を搭載した有機ELテレビの65/55型モデル、液晶テレビの75/65/55/50型の計6機種も、米国で同時期(2023年春)に発売予定だ。

  • スマートテレビ向けOS「Roku」を搭載したテレビ新製品も、米国市場に投入

シャープは、2001年に北米市場の液晶テレビ事業に参入。液晶テレビ市場創出と拡大に努めてきたが、市場競争の激化と収益悪化により、2015年には北米市場での一般消費者向けの液晶テレビ自社生産・販売から撤退すると表明した。それにより、「SHARP」、「AQUOS」、「Quattron」の各ブランドはハイセンス子会社が米国で展開する液晶テレビに供与するビジネスモデルに移行した。

その後2019年に、シャープはハイセンスと「新たな協力関係」を構築することで合意。このなかで2019年後半以降、米国市場におけるテレビ事業に再参入すると発表していた。シャープは、今回のAQUOS XLED新製品で米国市場に本格に再参入するかたちとなる。