映画大好きの新人編集・吉川です。3日に1本、1年で120本程とかなりのハイペースで映画を視聴しています。最近行った引っ越しを機に、より快適な映画環境を求めてホームシアター作りを企画。

マイ・ホームシアターに必要なデバイスを、「プロジェクター」と「オーディオ機器」の2つに絞り、予算を比較的手頃な「15万円」に設定。企画の前編ではプロジェクターを購入しました。

  • ホームシアター、映画

    ここ数年ずっと夢見てきた「ホームシアター」作り。寝室にプロジェクターとサウンドバーで、臨場感あふれるホームシアターを作っていきたいと思います

プロジェクターはXGIMI製プロジェクターのHalo+(購入時の価格は93,406円)を購入し、予算の残りは56,594円。後編ではこの金額でオーディオ機器を購入し、サウンド面を強化していきます。

  • ホームシアター、プロジェクター

    「予算15万円で叶える最高のマイ・ホームシアター作り(前編)」で購入した、XGIMI製プロジェクターのHalo+。大のお気に入りです

  • ホームシアター、映画

    電気を消してプロジェクターを起動させると、きれいな映像を壁一面に投映できます。この映像では、紫陽花の鮮やかな色彩が細部まで表現されていました

映画鑑賞に重要な要素「没入感」

個人的な話ですが、映画を観る際には「没入感」を重視しています。映像の世界に入り込んだような、高い臨場感を引き出すのに必要な要素を考えてみると、映像とサウンド以外の情報を完全にシャットダウンするということと、映像の世界に入り込みやすい状態に近づけるという点が重要だと考えました。

筆者は、非常に気が散りやすい性格でして、映画館に行っても上映中に隣の人の話し声が聞こえると、一気に集中が切れてしまいます。映画の上映中はもちろん静かにしてほしいですが、映画への没入感が他人や環境に大きく左右されるってもったいないですよね。私は映画館が大好きですが、より集中できるよう、なるべく混まない場所・時間帯を選ぶようにしています。設備が整った人気の映画館や、話題作を観に行くときは諦めていましたが……。

  • 映画館

    映画館の席同士の間隔ってかなり近いですよね……両隣の人によっては映画に全く集中できないなんてこともありました

この映像とサウンド以外の情報をシャットダウンするという点は、今回目論んでいるホームシアターの場合、寝室を使って一人で観るため、周りの話し声がなくクリアしやすいです。

そして、高い没入感を得るにはもう一つ、映像の世界に入り込みやすい状態で視聴するという点が重要なポイントになると思いました。

これはなにも、エアコンの温度設定を下げて『タイタニック』(ジェームズ・キャメロン氏監督)を観たり、キューバサンドを食べながら『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』(ジョン・ファヴロー氏監督作)を観たりすることを勧めているわけではありません。

「映像の世界に入り込みやすい状態」、それはやっぱりサウンドの聞こえ方。前後左右から聞こえるサラウンド音声により、まるで横を登場人物が通り過ぎて行ったような感覚になったり、登場人物と一緒に本当に嵐の中にいるような感覚になったりと、映画の世界に“没入”できます。そのサウンドを強化すべく、この後編で、追加したいオーディオ機器を選んでいきます。

マルチスピーカーとサウンドバー、どっちを選ぶ?

一般的なホームシアターのオーディオ機器は、テレビやプロジェクターの前に設置するバータイプのスピーカーであるサウンドバーか、複数のスピーカーを部屋の四隅や天井などに配置するマルチスピーカーです。

  • サウンドバー

    ソニー製ホームシアターシステム「HT-A9」

  • ホームシアター、サウンドバー

    立体音響の体感イメージ

  • サウンドバー

    ソニーのサウンドバー最上位モデル「HT-A7000」

マルチスピーカーは、スピーカーを設置した方向から音が聞こえるため、部屋の四隅などからの立体感があるサウンドで臨場感を楽しめる点が魅力。サウンドバーは手軽に設置でき、テレビなどに接続するだけで高音質なサウンドを省スペースで楽しめる点が魅力で、値段もリーズナブルな製品が多いです。

しかし、マルチスピーカーは広い部屋での設置を推奨している場合が多く、価格が高価なものも多いことから、ホームシアター入門者としても今回は、サウンドバーの購入を検討していきます。

映画鑑賞がメインのサウンドバー。求める条件は?

筆者は既婚男性25歳、都内1LDKの賃貸物件(集合住宅)住まいでパートナーと2人暮ら。ホームシアターとして使う部屋は寝室。理由は一面に映像を投映できる壁があるからです。

寝室はシンプルなつくりの6畳で、投映する壁と反対側に部屋の出入り口があり、その出入り口に設置・片付けが手軽なモバイルプロジェクターの「Halo+」を設置。高さを出すためにスツールの上に置いています。

  • 寝室
  • 寝室
  • 何の変哲もない6畳間の寝室です。

  • 寝室

    壁には若干の凹凸がありますが、スクリーンとして使用するのに何の問題もありません

この環境下で、プロジェクターと投影する壁の間に寝転んで映画を見た場合、壁一面に映し出された、迫力ある映像を楽しめますが、サウンドは自分の後方もしくは斜め後方から聞こえます。これが改善したい最重要課題。

なぜかというと、壁に映し出された映像上で発生している音がすべて後ろから聞こえるのに違和感があり、没入感がかなり低減されてしまうからです。また、遠くで発生した音や、近くで起きた音も違いが分かりにくい点も悩みどころ。

  • ホームシアター、映画

    投映する壁と手前側のプロジェクターに挟まれた状態で鑑賞するため、映像は前、音声は後ろという状況になり、違和感が……

音質もプロジェクター内蔵のため仕方のない部分ではありますが、低音が出づらく、若干「シャカシャカ」した音になります。もちろんモバイルプロジェクターとしては、かなり音がいいと思っていますし、我が家にはスピーカーを置いていないため、「YouTube Music」で音楽をかけながら、音声のみを楽しんで家事をするといった使い方もしばしばしています。

しかし、今後このような使い方はサウンドバーでしたいため、Bluetooth機能がついた製品が望ましいです。

集合住宅の6畳間に設置するため、ch数、出力が高いものはそれほど求めていません。しかし、低音域再生用のスピーカーであるサブウーファー付きは、設置場所と相談ですがかなり魅力的です。本体と別で設置するか、内蔵型かは置いておくとして是非つけたいところ。

サウンドバーは、ホームシアターシステムと比較すると、リーズナブルなイメージがありますが、その中でも価格差は大きく、3,000円台のものから、35万円を超えるものまでピンキリ。そのなかで、求めている条件はズバリ、予算内(残り56,594円ですが、他に購入する製品を考えて4万円以内に収めたい)に収まり、Bluetooth機能が付いていること。調べたところ、これらの条件を満たしつつ、評価が高かった3製品のサウンドバーをピックアップしました。