デノンは、Dolby Atmos対応の一体型サウンドバー「DHT-S217」を5月19日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は29,700円を見込む。カラーはブラック。

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    DHT-S217

大ヒットを記録したという、2019年発売の「DHT-S216」(実売約22,130円)の後継機。DHT-S217は高価になった分、ハイエンドAVアンプにも搭載しているチップ(SoC)をグレードアップしたものを採用し、新たにDolby Atmosの3Dオーディオ信号のデコードに対応。バーチャルサラウンド信号処理も余裕をもって行えるようにした。

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    Dolby Atmos(Dolby TrueHDベース)に対応。高性能SoCを搭載して処理能力を強化した

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    立体的なサウンドに包まれるイメージ

従来のS216は、原音をストレートに再生する「Pureモード」をデノンのサウンドバーで初めて搭載するなど、音質にこだわった造りを特徴としていたが、イマーシブオーディオ再生についてはロッシー(非可逆)圧縮のDolby Digitalに留まっていた。S217はロスレス(可逆)圧縮のDolby TrueHDベースのAtmosやリニアPCM 7.1chをサポートしており、「ロスレスという新しいステージに突入したサウンドバー」であることを全面に打ち出している。

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    対応する音声フォーマット

また、デノンのHi-Fi製品やAVアンプの音作りに携わっているサウンドマスター・山内慎一氏が、S217のサウンドチューニングを担当。Hi-FiコンポやAVアンプと同様の厳格な音質評価とチューニングを施し、デノンのHi-Fiオーディオの特徴である“ビビッド”、“スペーシャス”なサウンドを追求した。

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    デノンのサウンドマネージャー・山内慎一氏

DHT-S216と同じ3ウェイ6スピーカー構成で、45×90mmミッドレンジユニットと25mmツイーター、75mmサブウーファーを各2基搭載。上位機「DHT-S517」のような上向きのDolby Atmosイネーブルドスピーカーは備えていないが、Dolby Atmosのハイトバーチャライザーで高さ方向を含むあらゆる方向からのバーチャルサラウンドを実現する。

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    内部構造

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    DHT-S217(右)と上位機「DHT-S517」(左)の違い

サウンドモードはS216と同じく、コンテンツに合わせて選べる「Movieモード」と「Musicモード」、夜間の視聴に適した「Nightモード」を搭載。さらに独自の「Pureモード」も搭載しており、各サウンドモードやバーチャルサラウンドの処理をバイパスして、入力信号に手を加えることなく再生する。Pureモードの音は、山内氏による40回以上の音質検討を繰り返して決めたという。

他にも、ニュースやナレーション、映画やドラマのセリフなど、人の声の音量だけを調整して聴き取りやすくする「ダイアログエンハンサー」を装備。効果の強さは3段階で調整できる。

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    Pureモードの概要

HDMI入出力を各1系統備え、4K/60Hz映像やさまざまなHDR信号(HDR10、HDR10+、Dolby Vision、HLG、DynamicHDR)のパススルーに対応。ARC、eARC、CECもサポートする。他にも、光デジタル音声入力、3.5mmステレオミニのAUX入力、サブウーファー出力を搭載。Bluetooth接続にも対応し、スマートフォンやタブレットなどの音楽をワイヤレス再生できる。対応コーデックはSBC。

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    背面の端子部

各ドライバーを支えるエンクロージャーは、FEM(有限要素法)による強度解析を用いて設計。不要な振動を抑えることで、明瞭で透明感の高いサウンドを追求した。サウンドバーの幅は890mmで40〜50V型のテレビに最適な大きさとしている。

上面に操作ボタンを装備。左右端のバスレフポートは、S216が光沢仕上げだったが、S217ではマットな仕上げに変更。底面のフットの形状は直方体から四角錐台に変わり、厚みも増しているが、高さ67mmのスリムデザインでテレビの画面やリモコン受光部をさえぎらないようにした。奥行は120mm。壁掛け設置にも対応する。重さは3.5kg。

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    本体の底面。四角錐台になったフットの形状に注目

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    S217(左)のバスレフポートはマットな仕上げ。従来のS216(右)は光沢仕上げだった

消費電力はサウンドバーが40W(待機時1.7W)。電源ユニットは上位機のS517と同等のものを採用し、「パワーアンプの出力とは不釣り合いなほどに強力で安定した作動」を実現する。付属品はリモコン、HDMIケーブル、光デジタルケーブル、電源ケーブル、壁掛け用スペーサー×2など。

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    付属のリモコン

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    利用イメージ