10日間使ってわかったサウンドバー「DHT-S217」のよかったところ
サウンドバー「DHT-S217」を購入してからかれこれ10日以上が経過しました。結論から言いますと「2万円台のサウンドバーでここまで満足できるのか」と非常に驚いています。この10日間、毎日使って見えてきた「DHT-S217」のよかったところとあと少し物足りなかったところをまとめていきます。
前から音が……そうそうこれこれ!
当然のことながら、サウンドバーを前に設置したら、前から音が聞こえます。しかし、たったこれだけのことで映画への没入感が桁違いに上がり、筆者が思い描いていた映画館にグッと近づきました。
映像と同じ方向からサウンドが聞こえると、これまでに感じていた若干の違和感が取り払われ、自然とスクリーンの中の世界に集中できます。中でも特に、アクション映画やミュージカル映画などは、映画館で鑑賞した時に感じる、実際に目の前で起こっているかのような感覚が味わえました。
やっぱり音質が全然違う
サウンドバーのレビューにあたってまず視聴したのは、『竜とそばかすの姫』(細田守氏監督)。映画の冒頭に、インターネット上の仮想世界「U(ユー)」で主人公の分身である「ベル」が歌うシーンがありますが、ここからもう圧巻です。重厚な低音から伸びのある高音までしっかりと味わえました。立体音響のDolby Atmosを使っていませんが、仮想空間上のキャラクターが横を通り過ぎて行くような感覚や、さまざまな方向から聞こえてくる声なども極めてリアルです。
4種のサウンドモードはフル活用できるクオリティ!
サウンドモードとして用意する「MOVIEモード」「MUSICモード」「NIGHTモード」「PUREモード」はすべて十二分に活用できるクオリティでした。これまで私が使ってきた家電製品などが搭載していた運転モードは、正直活かしきれないものが少なくなく、今回の「DHT-S217」も結局「MOVIEモード」しか使わないんだろうな……とナメていました。
しかし、どのサウンドモードも特徴があって本当に面白い。普段、映画を観るときには臨場感のあるサウンドが楽しめる「MOVIEモード」。キャラクターの足音や車が通り過ぎる音など、音の種類にかかわらず、非常にはっきりとしています。
音楽を聴く際には「MUSICモード」と「PUREモード」を使用。このサウンドバーの特徴でもある、原音をストレートに再生する「PUREモード」で音楽を聞くと、一つ一つの音がしっかりと聞こえ、「これまで聴いていた音楽は50%くらい(自分比)しか楽しめていなかったんだな」と実感。聴覚からの情報量が一気に増えた気がしました。
「NIGHTモード」は夜遅くに映画を視聴するときに重宝します。音量を抑えめにしても、登場人物のセリフなどが聞き取りやすいです。さすがにアクション映画などは、いくら聞き取りやすくても迫力が軽減してしまうため、あまり適さないと個人的には感じますが、静かなミステリーやサスペンス、ドキュメンタリー映画などは、近所への騒音を気にせずしっかりと楽しめます。
10日間使ってわかったサウンドバー「DHT-S217」の今後の課題
全体として、非常に満足のいく製品でしたが、10日間使用して感じた惜しいポイントをまとめていきたいと思います。
現在のサウンドの状態をアプリなどで可視化してほしい
唯一物足りなかった点は、専用アプリなどとの連携がないことです。エントリーモデルというのもあり、操作手段はリモコンのみ。映画を視聴するときは、基本的にプロジェクターのリモコンとサウンドバーのリモコンの2台使用することになりますが、現在使用しているプロジェクターはスマホから操作できる分、サウンドバーもスマホから操作できるようになると、1台で両機器の操作ができるので最高だと感じます。
また、今どのサウンドモードで聞いていたのかや、どれくらい低音を強化していたかを忘れてしまうタイミングがあります。そんなときに、サウンドモードやダイアログエンハンサー、低音レベルなどの現状をスマホ上で可視化できるようになるとより使い勝手が向上すると感じました(この価格帯で高望みなことは重々承知しています)。
ホームシアター作りはまだ始まったばかり! 満足度と今後の課題
最後に、出来上がったホームシアターについて改めて振り返りを。予算15万円と、ホームシアターとしてはかなり安い値段設定でしたが、十分に満足のいくホームシアターが完成しました。現在、我が家の寝室は「ほぼ映画館」。この一言に尽きます。この記事を読んでくれた読者の方を、一人ずつ我が家に招待して体感してもらいたいとまで思っています。
映像・音響に大大大満足!
特に満足な点は大きく分けて2つ。
1つ目は映像・音響に現状100%満足しているという点。迷いに迷った甲斐あって、十分に満足のいくプロジェクターとサウンドバーを選ぶことができました。映像はフルHD(1080p)で900ANSIルーメンの明るさで投映でき、ホームシアター初心者の自分にとっては全く文句がありません。上でも語りましたが、サウンドバーからはエントリーモデルとは思えないリッチなサウンドを存分に楽しめます。
設置・片付けがとにかく手軽
2つめは、機器を設置するのにほとんど時間がかからず、すぐに準備できる点。準備物はプロジェクターとサウンドバーのみで、布団を片付けて、それぞれをコードでつなげばもう完成です。ゆっくりと作業してもかかる時間は3~4分程度、急ぐと2分ほど。プロジェクターの起動スピードも非常に速く、台形補正・オートフォーカスは自動でしてくれるため、「今日は映画を観よう」と決心した5分後にはもう何の作品にしようか選び始められます。
床にサウンドバーの台とサウンドバーを設置するため、布団とマットレスの片付け・準備が若干面倒ではありますが、それも大した手間ではありません。映画の楽しみ・余韻に浸りながらゆっくり行っても5分かからずに片付きます。
鑑賞の環境がいかに優れていても、その準備に手間や時間がかかるなら、どうしても平日の仕事終わりには気が向かないもの。その点を完璧にカバーしてくれたため、週2~3本といハイペースで映画を視聴し続けられます。
完成したホームシアターの今後の課題
とはいえ、細かい課題はまだあり、一つ一つ改善してさらに居心地のいい空間に仕上げていきたいところ。現在少しだけ気になっている課題は2つ。
1つめはケーブル周りが若干散らかっているところ。プロジェクターとサウンドバーそれぞれの電源コードは気にならないのですが、お互いをつなぐHDMIケーブルがしっかりと横切っているため、少し不格好です。
また、ドリンクのおかわりを取りに行ったときに、1度引っかかってプロジェクターが台から落ちそうになったことがありました。ほぼ毎回電気を消して暗い環境下で視聴するため、似たようなことが今後ありそうです。さらに長いHDMIケーブルを購入し、壁や天井を這わすように留めようかと悩み中ですが、かなりの長さが必要になりますね……。
2つ目はサウンドバーが立体音響のDolby Atmosに対応している点を活用できていないところです。プロジェクターがDolby Atmosに対応していないため、現状では使えていませんが、今後プロジェクターを買い替えるタイミングか、他の方法を発見しだい速やかに改善していきます!
しっかりと予算内に! 余ったお金はどう使おうかな?
この夏から始まったホームシアター作り、プロジェクターが93,406円、サウンドバーが27,000円、スピーカースタンドが3,857円で計124,263円でした! 今後、10mほどのHDMIケーブルや2人分の座椅子を購入しても予算内におさまりそうで、「予算15万円で最高のマイ・ホームシアター」を作ることができました。今後、引っ越しや思わぬ臨時収入があったときには、さらにホームシアターをグレードアップしていきたいと思います!