映画大好きの新人編集・吉川です。ペース的には3日に1本、1年で120本程とかなりのハイペースで映画を視聴。ただ、実は私、映画と同じくらいといっても過言ではないほど「映画館」が大好きです。暗く静かな環境下で映画の世界に没入できる……あの雰囲気は何度通っても飽きません。似たような方も多くいるのではないでしょうか。
毎日でも映画館に通いたいものですが、時間や金銭的にどうしても厳しいところがあります。それに誘惑に弱いもので、映画館に行ったらIMAX・Dolby版など、より高価なバージョンを選んでしまったり、ドリンク・食事を一緒に購入したりと、映画代だけなら1,900円程度ですが、交通費と合わせたら5,000円以上かかることもあり、長年の悩みの種でした。
そこで、映画館の雰囲気を味わいつつ家で映画を楽しみたいと思い、引っ越しを機に自宅にホームシアターを作れたら? という考えに辿り着きました。
ホームシアターに必要なものは? 予算は?
ホームシアターに絶対に外せないものといえばプロジェクター、そしてサウンドバーもしくはスピーカーなどのオーディオ機器です。さらにトレイや椅子、高性能な遮光カーテン、ポップコーン、ビール、おつまみなど映画館の雰囲気を出すグッズも欲しい気持ちは山々ですが、最優先で必要なのはプロジェクターとオーディオ機器。
プロジェクターとオーディオ機器にかかる予算は一体どれくらいなのでしょうか? 現在住んでいる部屋や、購入する製品に私が求める条件から考えていきます。
ホームシアターに仕上げる部屋とプロジェクターに求める条件
ホームシアターとして考えた部屋は寝室。理由は、家の中で壁を最も広く確保できる部屋が寝室だったから。ダラダラ寝そべりながら優雅に映画を楽しみたいというのも理由ですが……。
我が家の寝室は、何の変哲もないシンプルなつくりの6畳タイプで、壁は材質的にスクリーンとして使うには問題ありません。投映する予定の壁と反対側のドアを開けたら距離は長く確保できます。しかし、ドアを閉め切って部屋を暗くし、より映画館の雰囲気を感じたいところ。その場合、正面からの投映距離は約2.5mなため、短焦点型のタイプが望ましいとの結論に至りました。
設置する位置は、正面から投映する場合はちょうど部屋の出入り口。据え置きで置いておくわけにもいかないため、設置と片付けが手軽な小型のモバイルプロジェクターから選んでいきます。
機能面でまず外せないのは光の強さ。これが壁に映した画面の明るさに直結します。モバイルプロジェクターは、据え置き型のプロジェクターと比較すると若干明るさが弱い傾向にありますが、その中でもより明るいのを選びたいところ。
次に補正機能。ずっと据え置きで設置しておけるならそれほど重視しなくてもよい機能ですが、寝室に置くなら映画を見るたびに毎回設置・片付けをするため重視します。スムーズにキレイな四角形になるようにしたいものです。感動のクライマックスシーンでも、画面が歪んでいたら興ざめですからね。
最後にデザインです。これは人によると思いますが、私にとっては大切。もちろん他の機能を考慮した上ですが、長く使おうとしているもののため、愛着がわくようなスタイリッシュなデザインだと嬉しいです。また、一般的な据え置き型プロジェクターのような横に長いデザインよりも、モバイルプロジェクターならではの縦長デザインが好みです。
上記の条件を考慮し、我が家の家計とも相談した結果、価格を抑えつつ多くを満たすプロジェクター6製品をピックアップしました。具体的には「Nebula Capsule II」「Elfin」「Halo+」「Aladdin Vase」「GS50」「PF610P」の6製品、価格帯は約7万円から11万円です。
次に、オーディオ機器について考えていきます。一般的なホームシアターのオーディオ機器は、テレビやプロジェクターの前に設置するバータイプのスピーカーであるサウンドバーか、複数のスピーカーを部屋の四隅や天井などに配置するマルチスピーカーです。
サウンドバーは手軽に設置でき、テレビなどに接続するだけで高音質なサウンドを省スペースで楽しめる点が魅力。値段もリーズナブルな製品がそろっています。マルチスピーカーは、スピーカーを設置した方向から音が聞こえるため、部屋の四隅などからの立体感があるサウンドで臨場感を楽しめる点が魅力。しかし、マルチスピーカーは広い部屋での設置を推奨している場合が多い点と、価格が高価なものが多いことから、今回、ホームシアター入門者である私は、サウンドバーを使ってホームシアターを作りたいと思います。
サウンドバーに求める条件として、6畳の部屋に設置するためch数、出力が高いものはそれほど求めていません。低音域再生用のスピーカーであるサブウーファー付きも魅力的ですが、設置場所を確保できないため、一体型サウンドバーから選びます。一方で、映画用として使うため、Dolby Atmosに対応しているものや、設置・接続の手間が少ないBluetooth接続に対応しているという条件は譲りたくないものです。
以上の求める条件を備えたサウンドバーを調べた結果、求める条件を満たすサウンドバーは最大4万円くらいで購入できそうです。よって、今回のホームシアター作りにかける合計の予算は15万円に設定しました。
予算が15万円に決定。痛い出費だが……
まず大前提として、私にとって15万円は決して安い買い物でありません。私は既婚男性25歳、都内1LDKの賃貸物件住まいでパートナーと2人暮らしです。映画が生きがいのような趣味だとしても、現在、初期費用でこの金額は相当勇気がいる買い物。そこで、自分を納得させるためにも、ホームシアターを作れたら、これからどれだけの節約になるのかを計算してみました!
計算方法
プロジェクターを10年間使うと仮定しましょう(実際に10年は持たないかもしれませんが)。その期間に見る映画は年間120本だとすると1,200本(現在の3日に1本ペース)。基本的には契約しているサブスクから選ぶため、その金額も上乗せします。
現在加入しているサブスクは3つ(Amazon Prime Video・Netflix・Disney+)。すべて月額制で月の合計金額は2,480円、10年間で297,600円かかる計算です。なんと、ホームシアター予算よりも大きい……。
ホームシアター予算と合計すると、447,600円、本数で割ると1本あたりにかかる金額はなんと373円! 373円です! この金額で映画館体験を体感できるのなら安いもの、と思いホームシアター作りを決心し、予算内で購入できるプロジェクターを6機種から選びました。