総務省は9月20日、非常時における通信手段の確保に向けて、携帯電話の事業者間ローミングなどの方策について検討するため、「非常時における事業者間ローミング等に関する検討会」を開催すると発表した。第1回会合は9月28日。

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“ローミング”とは、携帯電話会社間の連携により、ユーザーが自分が契約している携帯電話会社以外のネットワークで通信を行えるようにする仕組み。海外旅行の際に自キャリアと提携している現地キャリアのネットワークを利用する“海外ローミング”を利用したことがある人は多いだろう。

このローミングによって、携帯電話会社の通信設備にトラブルが生じた際に他のキャリアの通信設備を利用できるようにし、通信が途絶することを回避しようというのが今回検討されている非常時の事業者間ローミングだ。8月に起きた大規模通信障害の際、その対策として注目が集まった。

今回の検討会の設置にあたり、その目的として「携帯電話サービスは、国民生活や経済活動に不可欠なライフラインであり、自然災害や通信障害等の非常時においても、携帯電話利用者が臨時的に他の事業者のネットワークを利用する『事業者間ローミング』等により、継続的に通信サービスを利用できる環境を整備することが課題」とされている。とくに緊急通報について、携帯電話による発信が多数であることから、非常時においても緊急通報が可能な仕組みの検討が急務であるとし、通信手段の確保の方法は事業者間ローミングに限定せず、「非常時における通信手段の確保に向けて、携帯電話の事業者間ローミングをはじめ、Wi-Fiの活用などの幅広い方策について検討を行」うとしている。

検討事項として挙げられているのは次の内容。

  • 事業者間ローミングの対象とする通信の範囲(緊急通報、一般の通話、データ通信)
  • 事業者間ローミングを発動する要件(災害、通信事故、その他)と運用ルールの在り方
  • Wi-Fiの活用など事業者間ローミング以外の非常時の通信手段の在り方
  • その他

座長は東京大学大学院 工学系研究科の相田仁教授、座長代理は同研究科の森川博之教授。検討会を構成するのは国立研究開発法人防災科学技術研究所、東北大学電気通信研究所、電気通信大学先端ワイヤレス・コミュニケーション研究センターといった研究機関、独立行政法人国民生活センター、一般財団法人マルチメディア振興センター、公益社団法人全国消費生活相談員協会といった団体から選定された有識者。関係事業者としてはNTTドコモ/KDDI/ソフトバンク/楽天モバイル/インターネットイニシアティブ/日本通信の6社から技術部門を担当する執行役員クラスが加わる。

さらに内閣官房国家安全保障局/内閣官房副長官補(事態対処・危機管理担当)付/内閣府政策統括官(防災担当)付/警察庁/消防庁/海上保安庁の関係府省、一般社団法人電気通信事業者協会/一般社団法人電波産業会/一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会/一般財団法人電気通信端末機器審査協会がオブザーバーとして参加する予定。