米国政府は10nm以下のプロセスが可能な装置規制を検討

米国政府は、これまでの「10nm以下のプロセスで製造を行う製造装置の輸出規制」では、ほとんど効果がないことを踏まえ、新たに「10nm以下のプロセスで製造を行うことが可能な装置の輸出規制」に変更しようと検討しているが、まだ実現に至っていない。米国半導体装置メーカーやSEMIが反対しているためである。

10nm以下のプロセス向け製造装置の場合、露光装置以外は10nmプロセス前後で大きく製造プロセスが変更するわけではないため、14nmプロセス用という名目でさまざまな10nm以下のプロセスに使える半導体製造装置を購入することが可能である。また、SMICの生産の主力は28nmプロセス以上のレガシーデバイスであり、そうしたプロセス向け製造装置は規制対象外であるため、SMICの売り上げは伸び続けている。これが、10nmプロセス以下の製造が可能な装置になると、28nm以上のレガシープロセス用装置であっても、10nm以下のプロセスでの製造を行う能力があるとされれば輸出禁止にでき、SMICに打撃を与えることができると米国政府では考えていると思われる。

米国政府は、米国の脅威になる中国半導体産業の発展を何とか阻止しようとしてさまざまな規制を検討しているが、米国の業界団体(SIAやSEMIなど)や米国企業は連邦議会議員に対するロビー活動を展開するなど、自由貿易を阻害する政治的規制に強く反対する姿勢を見せており、政府の思い通りには規制が進んでいない。一方で、中国勢は国を挙げて米国依存から脱却することを目指しており、国産の製造装置の開発や独自プロセス開発に注力している。