NTTドコモは5月11日、2022年夏モデルのラインアップを発表した。スマートフォン8機種、4Gケータイ1機種の計9機種を順次発売する。本記事では全機種の対応バンド(対応周波数帯)など、通信周りの仕様をまとめてお伝えする。

  • 夏モデルのハイエンドスマートフォンは4機種。左からGalaxy S22 SC-51C、Galaxy S22 Ultra SC-52C、AQUOS R7 SH-52C、Xperia 1 IV SO-51C

    夏モデルのハイエンドスマートフォンは4機種。左からGalaxy S22 SC-51C、Galaxy S22 Ultra SC-52C、AQUOS R7 SH-52C、Xperia 1 IV SO-51C

夏モデル9機種の対応バンド

機種        5G対応バンド 4G対応バンド 3G対応バンド
Galaxy S22 SC-51C n78/n79/n257 1/3/4/5/7/12/13/19/21/28/38/39/40/41/42 1/5(国内非対応)
Galaxy S22 Ultra SC-52C n78/n79/n257 1/3/4/5/7/12/13/19/21/28/38/39/40/41/42 1/5(国内非対応)
Galaxy A53 5G SC-53C n78/n79 1/3/5/12/19/21/38/39/41/42 1/5(国内非対応)
AQUOS wish2 SH-51C n77/n78/n79 1/2/3/5/7/8/12/17/18/19/39 1/5(国内非対応)
AQUOS R7 SH-52C n77/n78/n79 1/2/3/5/7/8/12/17/18/19/39 1/5(国内非対応)
Xperia 1 IV SO-51C n3/n41/n77/n78/n79/n257 1/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/21/28/38/39/40/41/42 1/5(国内非対応)
Xperia 10 IV SO-52C n77/n78/n79 1/3/5/8/12/18/19/21/39/42 1/5(国内非対応)
Xperia Ace III SO-53C n78/n79 1/3/5/12/19 1/5(国内非対応)
arrows ケータイ ベーシック F-41C 非対応 1/5/19 1/5/6/19

上の表は夏モデル9機種すべての対応バンドをまとめたものだ。まず、ハイエンドモデルに注目すると、「AQUOS R7 SH-52C」「Xperia 1 IV SO-51C」の2機種はソフトバンクやauのプラチナバンド(LTE Band 8/18)もカバーしている上、5Gでもドコモを除くMNO3社に割り当てられたn77に対応している。

一足先に発売されたGalaxy S22/S22 Ultraはほぼ従来通りで、AQUOS R7やXperia 1 IVのように国内他社バンドも網羅した仕様とはなっていない。

ハイエンドモデルを中心にこれまでの傾向とは違った他社バンドへの対応が見られる一方、ベーシックモデルの「Galaxy A53 5G SC-53C」や「Xperia Ace III SO-53C」、フィーチャーフォンの「arrows ケータイ ベーシック F-41C」に関してはほぼドコモ向けのバンドだ。

対応バンドを増やせば端末の設計や認証試験などの開発製造コストも上がるため、安さを求められる機種では余分なバンドには対応させないというのも合理的な判断だろう。現状では「回線は乗り換えても端末はそのまま」という使い方の認知度はまだ低く、ほとんどのユーザーにとっては他社バンド対応は必須とは言えない。コスト面でシビアな低価格帯の機種では特にバランス感覚が求められる。

  • 左からGalaxy A53 5G SC-53C、AQUOS wish2 SH-51C、Xperia 1 IV SO-51C、Xperia Ace III SO-53C、arrows ケータイ ベーシック F-41C

    左からGalaxy A53 5G SC-53C、AQUOS wish2 SH-51C、Xperia 1 IV SO-51C、Xperia Ace III SO-53C、arrows ケータイ ベーシック F-41C

5G SA/eSIMの対応状況

対応バンド以外にも、この夏モデルでは通信関連で目新しい仕様が見受けられる。まず、2022年夏の個人向け5G SA(スタンドアロン)サービス開始に向けて、ハイエンドスマートフォン4機種(Galaxy S22/S22 Ultra、AQUOS R7、Xperia 1 IV)がSA対応端末として用意されている。

  • ドコモの5G SAは2021年12月から法人向けに先行提供されている。今夏の一般提供に向けて、夏モデルの一部が対応端末として用意された

    ドコモの5G SAは2021年12月から法人向けに先行提供されている。今夏の一般提供に向けて、夏モデルの一部が対応端末として用意された

そして、eSIMにも注目したい。ドコモのeSIM対応機種そのものは初ではないが、キャリア側の判断ではないiPhone/iPadを除くと、従来は「キッズケータイ SH-03M」や「dtab Compact d-42A」といったeSIM専用設計の特殊な独自端末に限られていた。

2022年夏モデルでは、AQUOS R7 SH-52CとXperia 1 IV SO-51Cの2機種がeSIMに対応した。eSIM専用機ではなく通常通りnano SIMカードも利用できる仕様で、ドコモのAndroidスマートフォンとしては初めてデュアルSIMに対応する機種となる。物理SIM+eSIMの組み合わせになるため、選択できる通信会社やプランに多少の制約は生じるが、使い方が広がる大きな一歩だ。