iPhoneのカメラには、「バーストモード」と呼ばれる連写機能が用意されています。語感からうかがえるとおり、通常は1枚ずつ撮影する写真(静止画)を連続撮影する機能で、1秒間に10枚のペースで最大999枚撮影できます。1枚ずつ撮影することに特別な機能名は与えられていませんが、単写と呼ばれることもあるようですね。

単写と連写の撮影方法は若干異なり、単写はシャッターボタンまたは上下ボリュームボタンどちらかを1回押すだけです。一方の連写は、シャッターボタンを左方向へドラッグするか、上ボリュームボタンを押し続けるかのどちらかです。

単写と連写の違いは、撮影枚数と時間、撮影手順だけではありません。単写の場合、設定を変更しないかぎり記録フォーマットは高効率な「HEIF」が適用されます。HEIFは効率に優れるフォーマットでストレージ容量の節約になりますが、バーストモードはHEIFに比べ効率が劣るJPEGで記録されます。写真1枚あたりのファイルサイズはJPEGのほうが大きいため(HEIFの2倍前後)、バーストモードを使いすぎると空きストレージの減るペースが早まります。

画質に差が現れることもあります。iPhone 13シリーズで単写を行った場合、シーン検出に対応する「スマートHDR 4」が機能し、金属のような被写体はHDRらしい輝きのある画像に仕上がりますが、連写の場合はややコントラスト感に乏しくなります。RAW撮影できるのも、単写のときに限られます。

もっとも、集合写真のように誰かが目をつぶってしまう問題を回避できるのは連写ですし、連写してとにかく撮影枚数を増やせば"奇跡の1枚"を撮れる可能性があるのも確かです。HDR効果など画質に差が生じる場合があるものの、利用価値が高い機能ということは間違いないでしょう。

  • iPhone 13 Proで撮影した金属製のフタ(撮影後JPEGに変換)。コントラスト比が高い単写(左)と比べると、連写(右)は平坦な印象を受けます