はい、iOS 15からiPhoneでも「アプリ間のドラッグ&ドロップ」を利用できるようになりました。iOSと姉妹関係にあるiPadOSでは、以前からサポートされている機能ですが、ついにiPhone/iOSでもアプリをまたいでテキストや画像をドラッグ&ドロップできるようになったのです。

このアプリ間のドラッグ&ドロップ、画像やPDFなど独立した項目/ファイルの操作で力を発揮します。テキストにも利用できますが、範囲指定した部分をドラッグすると操作ミスを起こしやすく(操作途中でドロップしてしまうなど)、あえてコピー&ペーストに代えて使うメリットがないからです。

たとえば、メールに添付されたファイル(PDF)をメモアプリに貼り付けるとします。従来であれば、ファイルを長押しすると現れるメニューで「共有」を選択し、共有メニューからメールアプリへ送るところですが、ドラッグ&ドロップを使えばメモアプリへ直接ファイルを渡せます。貼り付ける位置を自分で決定できることも、共有メニューを使う方法にはないメリットです。

ただし、ドロップ先のアプリに切り替える(前面に表示されるアプリを変更する)操作は、手動で行わなければなりません。パソコンにおけるドラッグ&ドロップのように、アプリアイコンの上にドロップしてもアプリは起動しませんし、ファイルを貼り付けたい/保存したい領域にうまく狙いを定めることもできません。

アプリ間のドラッグ&ドロップは、片方の手/指でドラッグを維持しつつ、もう片方の手/指でアプリの起動や貼り付け先の準備を行う必要があります。メールアプリからメモアプリへのドラッグ&ドロップでいえば、対象のファイルを左手でドラッグし続け(指を画面から離さない)、右手でメモアプリの起動と貼り付け先のメモのオープンという処理を行わなければなりません。パソコンのドラッグ&ドロップに比べると操作の難易度は高めですから、アプリを開く操作はSiriに頼むなどひと工夫したほうがいいでしょう。

  • iPhoneで「アプリ間のドラッグ&ドロップ」ができるようになりました