爽快感がスゴい『Marvel's Spider-Man:Miles Morales』
83V型ともなると画面の大きさは尋常ではなく、映像の迫力は圧巻の一言に尽きる。まずは4KとHDRの映像で描かれる『Marvel's Spider-Man:Miles Morales』を体験してみた。
同作はPS5の発売に合わせて登場したゲームで、ニューヨークのマンハッタンを舞台に“新米スパイダーマン”として活躍するマイルズ・モラレスが主人公。プレイヤーは彼をヒーローとして成長させ、街にはびこる悪との戦いに身を投じることになる。
クモの糸を操り、ビルとビルの間を振り子のようにスイングしながら高速で飛び回るときの爽快感は、自宅の55V型で遊ぶのとはまるで別次元の体験だった。逆に言えば、スイングに失敗してビルに激突しそうな瞬間など、血の気が引くくらい怖くてイヤな汗をかいてしまう(スパイダーマンは超人なのでそこでケガしたりはしないが)。
地面に降りてみると、街の人々の日常様子が細かく作り込まれていてつぶさに見ていきたくなるし、犯罪者相手にハイスピードなバトルを繰り広げるときのアクション描写も臨場感があって引き込まれる。短時間ながらも、最新世代のプレイステーションの表現力をBRAVIA XRを通して垣間見た気分だった。
PS5の実力を体感『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』
続いて『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』をプレイ。PS2の全盛期……つまり筆者がまだ子どもの頃から続く、息の長いシリーズの最新作だ。
実はアクションゲームは苦手な分野で(どちらかというとRPGを好むため)、このシリーズをちゃんと遊んだことはなかったのだが、実際に遊んでみると結構面白い。SIEによるPS5専用タイトルということもあり、PS5の性能や新機能を存分に楽しめる仕様になっているのが興味深かった。
たとえばグラフィック。海外のフルCGアニメのようなにぎやかな世界とキャラクターデザインが特徴的で、キャラのフワッとした毛並みや、光が当たってギラッと照り返す金属の光沢感など、立体感や実在感のある映像表現が半端ではない。密度感高く描かれる都市は見通しが良く、奥行きもしっかり感じられる。ラチェットとクランクのいる世界を大きな窓からのぞき込んでいる気分になる。
ライティングの向上やレイトレーシングを採用するといったPS5のソフト・ハード側の技術に加えて、BRAVIA XRの色の再現力の高さも功を奏しているのだろう。83V型という大画面ならではの高い没入感のおかげでゲームの世界にグッと引き込まれ、クエストを進めなくても、ラチェットを操作してただただ周囲を眺めているだけで楽しい。
バトルで使う武器の振動や、ゲーム内の衝撃といったフィードバックが、DualSenseワイヤレスコントローラーを通じて現実の指にかかってくるのも面白い。今回は短時間のプレイだったのであまり実感できなかったが、最初のタイトル画面から立ち上げるときなど、ゲーム画面が切り替わるタイミングでの読み込みもおそろしく早かったように思う。これもPS5の高速なストレージ機能の為せる業なのだろう。
対馬の美しい風景を堪能『Ghost of Tsushima』
PS5×BRAVIA体験取材で、実は一番楽しみにしていたのが『Ghost of Tsushima』のプレイだった。
同作は鎌倉時代の史実“元寇”を題材とし、侍の道に反した戦い方に手を染めながらも、蒙古兵と戦い続けて対馬の民を守る主人公・境井仁の生き様を描く時代劇アクションゲームだ。
時代設定やストーリーの関係で、目を覆いたくなるような惨状の描写があることから、同作はCEROレーティング指定が「Z」(18歳以上対象)となっている。とはいえ、こちらもオープンワールドゲームなので、メインストーリーやクエストの合間を縫って、心穏やかに対馬を巡り歩く楽しみがある。
筆者は取材時点ですでにメインストーリー「仁之道」の終盤に差し掛かっており、マップは上県(かみあがた)まで開放済み。境井仁の愛馬にまたがり、蒙古兵になにひとつ気兼ねすることなく(もし遭遇してもかんたんに倒せるという意味で)フィールド上を駆け回ってみて、BRAVIA XRでどんな体験ができるのかワクワクしていた。
83A90Jでプレイしてみると、対馬の風景描写の美しさが存分に味わえる。愛馬にまたがって平地を全力疾走させながら視点を変えても画面が乱れることはもちろんない。これなら戦の最中でもすばやくスムーズに視点を変え、背後から襲いかかってくる蒙古兵を切り伏せて仁の命を守れそうだ(実際に一戦交えたかったが、流石に取材対応の人の目があるので控えた)。
同作には、ロケーションによって青々とした森林や、燃えるように赤いモミジ、黄色いイチョウの並木道、純白の雪に覆われた浜辺など、色彩豊かな風景が目の前に広がり、神社や狐の祠(ほこら)、秘湯など絶景ポイントもたくさんある。月並みな表現ながら、83V型の有機ELの向こう側に吸い込まれ、“本当に対馬にいる”ような気分になれた。
後述するように、最上位MASTER Seriesに位置づけられるA90Jは従来機よりも映像が明るく、高いコントラストを追求した設計になっている。ゲーム映像でもその実力はいかんなく発揮されるので、Ghost of Tsushimaのようなゲームの映像表現をとにかくキレイに楽しみたい向きには、BRAVIA XRがピッタリだと思う。
なお、同作は8月に発売された新エディション「Director’s Cut」で、PS5向けに高画質化が図られたそうなので、いずれ機会があればBRAVIA XRでその実力を体験してみたい。