NTTドコモは9月17日、新型iPhoneの購入にも利用できる「いつでもカエドキプログラム」30歳まで割引が続く「U30 ロング割」を発表しました。同日オンラインで開催された記者説明会では、担当者が導入の狙いについて語っています。その内容をご紹介しましょう。

  • 「いつでもカエドキプログラム」「U30  ロング割ロゴ

    機種購入プログラム「いつでもカエドキプログラム」と割引サービス「U30 ロング割

いつでもカエドキプログラム

「いつでもカエドキプログラム」は、購入したスマートフォン端末を最終的にドコモに返却することで、おトクに端末を購入できるプログラムです。残価設定型の24回払いによる購入が必須となります。現時点で対象となる機種はiPhone 13シリーズ、および「Galaxy Z Flip3 5G SC-54B」「Galaxy Z Fold3 5G SC-55B」。9月24日から提供を開始します。

  • 対象機種(2021年9月17日時点)

    対象機種(2021年9月17日時点)

例えば10万5,500円の対象機種を購入した場合。端末ごとに設定される「残価額」が、この端末では4万8,000円だったとします。このとき、1~23カ月目までの支払いは月額2,500円となります(10万5,500円-4万8,000円=5万7,500円を23回の分割で支払う)。これが「いつでもカエドキプログラム」の基本的な考え方で、あとは端末の返却時期によって割引率が変化していきます。

  • 残価額を設定した分割払い購入のイメージ

    購入方法について。10万5,500円の対象機種を、残価設定型24回払いした例で考える

1. 購入してから23カ月目に返却する場合

この場合は、24回目の支払い額である4万8,000円の支払いが不要となります。つまり、利用者の実質的な負担金は5万7,500円のみ。2年周期で最新のスマートフォンに買い換えるユーザーに適した買い方と言えそうです。

  • 23カ月目に返却する場合

    23カ月目に返却する場合。残価額の支払いが不要になるメリットがある

2. 購入してから1~22カ月目に返却する場合

23カ月目より早く返却するときは、例えば12カ月目に端末を返却する場合でいうと、24回目の支払い額である4万8,000円が不要となるだけでなく、13カ月目~23カ月目に支払う予定だった2,500円/月も1,900円/月に割引されるという早期利用特典があります。

  • 1~22カ月目に返却する場合

    1~22カ月目に返却する場合。残価額の支払いが不要なのに加えて、早期利用特典がつく

3. 24カ月目以降も利用する場合

24カ月目以降も利用すると、24回目の支払い額である4万8,000円が自動的に24回払いに再分割されます。つまり4万8,000円÷24=2,000円より、毎月の支払い額は2,000円に。そして再分割後に端末を返却した場合は、翌月以降の支払いが不要になります。

  • 24カ月目以降も利用する場合

    24カ月目以降も利用する場合。端末の返却以降、支払いは不要になる

ドコモでは「いつでもカエドキプログラムは、お客様に合ったタイミングでいつでも機種を変更できるプログラムです。iPhone 13シリーズも対象機種となります。ドコモの回線契約がないお客様もご利用いただけます」と説明しています(割賦購入に際しては与信審査があります)。

U30 ロング割

もうひとつの「U30 ロング割」は、「5Gギガホ プレミア」などの料金プランが30歳まで割り引かれ続けるプログラムです。こちらは9月21日から提供開始の予定です。

例えば5Gギガホ プレミアを契約する場合、適用月から最大6カ月間は毎月3,839円を、また7カ月目以降も30歳になるまでずっと毎月550円を割引します。他の割引プログラム(「みんなドコモ割」「dカードお支払割」「ドコモ光セット割 / home 5Gセット割」など)との併用も可能です。

  • 「U30 ロング割」のポイント

    「U30 ロング割」のポイント

  • 割引適用後の料金イメージ

    「5Gギガホプレミア」に割引を適用した際の支払料金

ドコモの担当者からは「若年層、学生の負担軽減を目的に提供するものです。昨年度は22歳までの若者を対象にした「ドコモのロング学割」を提供していましたが、対象者を拡大したことで、30歳以下のお客様が大容量プランを選びやすくなりました」とメリットを説明していました。

  • ドコモの若年層向けプログラム

    ドコモの若年層向けプログラム。「U30 ロング割」のリリースにより、若年層向けの割引の年齢上限が引き上げられた

返却された端末の行き先は? 中古販売はある?

両プログラムの内容・狙いの説明のあとの質疑応答では、これまで条件を満たせば最大12回分の支払いが不要になる「スマホおかえしプログラム」を端末購入サポートプログラムとして提供してきたのに、なぜ新しく「いつでもカエドキプログラム」を導入したのか――という質問がありました。

これについては「スマホおかえしプログラムは2年前に始めたサービスで、これまで多くの方にご利用いただいています。ただ、他社の端末購入プログラムと比べると、やや還元額で劣る部分がありました。36回払いの12回分(33%)をお返しするプログラムで、機種によらず割引率が一律だった。でも残価型にすれば、機種ごとに残価を設定できます。未来の市場価格を想定しながら、それぞれの価値に応じて、また他社の状況、お客様のニーズも反映して、割引率を設定できます」と回答していました。残価型の仕組みに変えることで、残価をどう設定するかによって還元額を柔軟に設定できるようにするという狙いです。

「中古端末を今後、ドコモのオンラインで売る可能性はあるのか」という問いには、「下取りプログラムの提供などにより、中古端末の保有数もかなり増えました。カーボンニュートラル、サステナブルといった観点でもリユースの取り組みは進めていきたいと思っています。オンラインショップでリユース販売することも前向きに検討していますが、今後の検討次第です。端末の状態の見極め、保証といった面を絡め、お客様に安心して使ってもらえるカタチを模索していければ」と回答するにとどまりました。

また、「iPhone 13」シリーズの予約受け付けにあたっての意気込みを問われると、「iPhone 13/iPhone 13 miniの128GBモデルなどでは戦略的に価格設定しており、たくさん選んでいただけるのでは、と考えています」と答え、「今回の両プログラムは、それぞれを単独で考えているわけではなく、新iPhoneをきっかけに若年層に秋~冬~春とかなりの動きがあるということもありますし、高校生や大学生、社会人になって数年間は、データ量を多く使うけれど料金面でセーブしているという傾向も見られます。それを踏まえて、若年層に向けて端末の購入や月々の利用をサポートするという戦略に基づき、今回の2つのプログラムを発表しています」と語っていました。