IDC Japanは7月1日、ビジネスおよびITコンサルティングで構成される「国内コンサルティングサービス市場」予測を発表した。

  • 国内コンサルティングサービス市場は2025年に1兆2,551億円- IDCが予測

    国内コンサルティングサービス市場 支出額予測: 2019年~2025年

この調査レポートは、IDCが定める国内ビジネスコンサルティング市場の概況や動向を分析し、サービスセグメント(戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革、GRCその他)、産業分野別、およびデジタル関連/デジタル関連以外別の予測をまとめたもの。

これによると、2020年の同市場規模は前年比1.1%増の8,623億円になったとみられ、2025年に1兆2,551億円に達するとみられるという。

ビジネスコンサルティング市場は、2020年半ばに新型コロナウイルスの感染拡大による影響を強く受けたが、その後は需要が急速に回復し、2020年もプラス成長を遂げたという。

2021年に入るとデジタル関連の需要が既存顧客層からのプロジェクトスコープの拡大と、新たな顧客層によるDXへの取り組みの開始の両面で市場成長を牽引し、高成長軌道へ回帰しているということだ。

これらを受け、IDCでは同市場の予測を上方修正し、2020年~2025年の年間平均成長率は9.3%で、2025年に8,012億円になると予測。なかでもデジタル関連ビジネスコンサルティング市場は、2020年に前年比29.3%増の1,337億円になったとIDCではみている。

高成長の大きな要因として、戦略からオペレーション、業務改善、財務/経理、人事/組織、リスク管理といったサービスラインの内、複数領域を含むDX支援型の案件が増加していることを挙げている。2021年以降もプロジェクトスコープの拡大や継続的な支援案件の増加が見込まれることから、同市場は2020年~2025年のCAGR 30.1%で高成長を維持し、2025年に4,986億円に達するとIDCでは予測している。

ITコンサルティングを含む国内コンサルティングサービス市場全体では、2020年~2025年のCAGRは7.8%で、2025年には1兆2,551億円に達するとIDCでは予測している。

IDC Japan ITサービス グループマネージャーの植村卓弥氏は、次のように述べている。「ビジネスコンサルティング市場でも、戦略とシステム実装の両面でのサービス提供能力が必須となりつつある。また、試行錯誤型の実装支援や人材育成を含む『内製化』支援の需要が、顧客企業とのジョイントベンチャースキームの活用などの包括的/継続的支援を前提とするコンサルティングサービスの拡大をもたらしている」