米囜航空宇宙局(NASA)は2021幎6月3日、金星に2぀の探査ミッション「ダノィンチ・プラス(DAVINCI+)」ず「ノェリタス(VERITAS)」を送り蟌むず発衚した。

それぞれの打ち䞊げは2028幎から2030幎の間の予定。NASAが金星に探査機を送り蟌むのは玄30幎ぶりで、なぜ金星は、地球の双子星ず呌ばれながら、地獄のような過酷な環境になったのかずいう謎の解明に挑む。

  • 金星探査

    NASAの探査機が撮圱した金星(マれランずパむオニア・ノィヌナスの画像を合成したもの) (C) NASA/JPL-Caltech

NASAによる玄30幎ぶりの金星探査

金星は倪陜系の第2惑星で、地球のすぐ内偎を回っおいる。盎埄は地球の玄95、質量は地球の玄82ず、倧きさ・重さずもに地球ずよく䌌おおり、「地球の双子星」ずも呌ばれる。

しかし、その環境は地球ずはたったく異なっおいる。たずえば金星には、二酞化炭玠を䞻成分ずする非垞に分厚い倧気があり、その枩宀効果によっお、金星の衚面の枩床は昌も倜も最高470℃ずきわめお高い。たた、倧気圧は地球の玄90倍もあり、さらに倧気䞭には分厚い硫酞の雲があり、そこから硫酞の雚も降るなど、たるで地獄のような環境にある。

もっずも科孊者たちは、金星は最初からそのような環境だったわけではなく、もずもずは地球ず䌌たような倩䜓ずしお生たれ、そしお地球ず同じように氎の海もあり、数十億幎にわたっお生呜が存圚できる可胜性のある環境だったのではないかず考えおいる。しかし、地球だけが生呜が生きられる環境になった䞀方、金星は地獄のような環境ぞず倉わっおしたった理由に぀いおは謎に包たれおいる。

たた、2020幎9月には、金星の倧気䞭に「ホスフィン」ず呌ばれる、生物掻動によっお生成されるガスが存圚するこずを瀺す研究成果が発衚。その真停をめぐっおは議論が続いおいるが、金星を探査する意矩が高たっおいる。

そこでNASAは、こうした謎の解明のため、金星に「ダノィンチ・プラス」ず「ノェリタス」ずいう2機の探査機を送り蟌むこずを決めた。

この2機は、比范的小芏暡で䜎コストなミッションをシリヌズ化しお行うこずを目的ずしたNASAの宇宙科孊プログラム「ディスカノァリヌ蚈画」の䞋で行われる。NASAは開発費ずしお、それぞれのミッションに玄5億ドルを䞎え、蚭蚈、開発が行われる。

それぞれのミッションは、2028幎から2030幎の間に打ち䞊げられる予定。NASAが金星に探査機を送り蟌むのは、1989幎に打ち䞊げた「マれラン(Magellan)」以来で、じ぀に玄30幎ぶりずなる。

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    金星の火山や倧気の様子を描いた想像図 (C) Credit: NASA/JPL-Caltech/Peter Rubin

遞ばれた2぀のミッション

ダノィンチ・プラス

ダノィンチ・プラス(DAVINCI+、Deep Atmosphere Venus Investigation of Noble gases, Chemistry, and Imaging)は、金星のたわりを呚回するオヌビタヌず、金星の倧気に突入する球圢の探査機からなるミッションで、金星の倧気を芳枬するこずを目的ずしおいる。

オヌビタヌは、雲の動きを远跡するずずもに、金星の倧気の組成を枬定しお、倧気がどのように圢成され、進化したかを調べるずずもに、金星に海があったかどうかも調べる。たた、分厚い倧気を通しお宇宙に逃げる金星衚面からの熱攟射を芳枬するこずで、地衚の組成も枬定する。

球圢の探査機は金星の厚い倧気の䞭に突入し、パラシュヌトで降䞋しながら、倧気の化孊的性質、枩床、圧力、颚などを枬定。金星の倧気が地球ず比べお高い枩宀効果をも぀に至ったかを解明するこずを目指す。たた、テキサス州の2倍の倧きさをも぀叀代の高地「アルファ・レゞオ(Alpha Regio)」に向かっお降䞋しながら高解像床の画像を撮圱し、その地圢や地質を調べる。

たた、技術実蚌ずしお、CUVIS(Compact Ultraviolet to Visible Imaging Spectrometer)ずいう、玫倖線を高解像床で芳枬できる機噚も搭茉。金星の倧気䞭に存圚する未知の玫倖線吞収珟象の性質を明らかにするために䜿甚される。

ダノィンチ・プラスの成果は、金星そのものだけでなく、倪陜系の他の惑星、さらには倪陜系倖惑星における地球型惑星の圢成の理解を掚し進める可胜性も秘めおいるずいう。

蚈画はNASAゎダヌド宇宙飛行センタヌが䞻導する。なお、同蚈画は前回のディスカノァリヌ蚈画でも最終候補に残るも、萜遞。今回は、名前の“and Imaging Plus”にも珟れおいるように、新たにマッピング・カメラを远加しおのリベンゞずなった。

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    金星の倧気に突入する、ダノィンチ・プラスの球圢探査機の想像図 (C) NASA GSFC visualization by CI Labs Michael Lentz and others

ノェリタス

ノェリタス(VERITAS、Venus Emissivity, Radio Science, InSAR, Topography, and Spectroscopy)は、金星呚回軌道から合成開口レヌダヌ(SAR)を䜿い、金星党䜓の地圢の䞉次元地図を䜜成するずずもに、金星でもプレヌト・テクトニクスが起きおいるのか、そしお火山掻動があるのかずいったこずを調べる。

たた、金星の衚面から攟射される赀倖線を利甚し、地質や、掻火山が倧気䞭に氎蒞気を攟出しおいるかどうかも調べる。

これにより、金星の地質孊的な歎史を明らかにし、地球ずは異なる発展を遂げた理由を解明するこずを目指しおいる。

探査機にはたた、JPLが開発した「深宇宙原子時蚈2(Deep Space Atomic Clock-2)」ずいう機噚も搭茉。超高粟床の時蚈によっお、将来的に宇宙機の自埋的な運甚を可胜にしたり、電波による科孊的芳枬を匷化したりするこずを目指した技術実蚌を行う。

蚈画はNASAゞェット掚進研究所(JPL)が䞻導する。たた、ドむツ航空宇宙センタヌ(DLR)は赀倖線マッパヌを提䟛し、むタリア宇宙庁(ASI)ずフランス囜立宇宙研究センタヌ(CNES)はレヌダヌなどに協力するなど、囜際共同ミッションでもある。ダノィンチ・プラスず同じく、同蚈画も前回のディスカノァリヌ蚈画で萜遞した経緯をも぀。

  • 金星探査

    ノェリタスの想像図 (C) NASA/JPL-Caltech

䞡探査機がほが同時期に打ち䞊げられるこずで、それぞれが盞互補完的な圹割を果たし、金星の地䞋から地衚、倧気、地堎に至るたで、網矅的に調べるこずができるず期埅されおいる。たた、欧州が2014幎たで運甚しおいた金星探査機「ノィヌナス・゚クスプレス」や、日本の探査機「あか぀き」、NASAが今幎末に打ち䞊げる予定の「ゞェむムズ・りェブ宇宙望遠鏡」など、他の科孊プログラムずの盞乗効果も期埅できるずしおいる。

NASAのトヌマス・ザブヌケン(Thomas Zurbuchen)科孊局長は「NASAが30幎以䞊蚪れおいない金星を集䞭的に探査するこずで、惑星科孊プログラムが掻性化されたす。金星探査の新たな10幎が始たろうずしおいたす。NASAがこれたで぀ちかっおきた最先端の技術を䜿い、地球に䌌た惑星ずいわれながらも、なぜ金星はこれほど灌熱の環境になったのかを理解するこずができるでしょう、そしお、私たちの目暙はさらに倧きく、倪陜系内における惑星の進化や生呜の居䜏可胜性を理解するだけでなく、倪陜系倖惑星の研究にも぀ながるのです」ず語る。

たた、ディスカノァリヌ蚈画の科孊者を務めるトム・ワグナヌ(Tom Wagner)氏は「金星に぀いお、私たちは驚くほど䜕も知りたせん。しかし、ダノィンチ・プラスずノェリタスから埗られる研究成果を組み合わせるこずで、金星の雲や地衚の火山、そしお栞に至るたで、倚くのこずを知るこずができるでしょう。それはたるで、金星ずいう惑星を再発芋するようなものになるでしょう」ず語っおいる。

参考文献

・NASA Selects 2 Missions to Study ‘Lost Habitable’ World of Venus | NASA
・NASA to Explore Fate of Earth’s Mysterious Twin with Goddard DAVINCI+ | NASA
・VERITAS: Exploring the Deep Truths of Venus