今回は、e☆イヤホン秋葉原店に映画鑑賞向けヘッドホンの売れ筋を尋ねました。

コロナ禍による巣ごもり需要は、ヘッドホンのトレンドにも影響を与えているようです。同店スタッフの東谷圭人氏は「最近は、自宅で映画をよく観るという方が増えていますね。それで映画向けのサウンドに興味を持って来店される方もいらっしゃいます」と言います。

  • e☆イヤホン秋葉原本店のヘッドホン売り場。東谷圭人氏にナビゲートしてもらった。ちなみに、同店は4月22日に新店舗に移転オープンする

映画鑑賞となると、情景に合わせた立体的なサウンドが求められますし、長時間装着していられる仕様も重視されそうです。「映画鑑賞向けヘッドホン選びの3つのアドバイス」を踏まえ、そのなかで支持を集めているトップ5を追いかけていきましょう。

<映画鑑賞向けヘッドホン選びの3つのアドバイス>

  • 長時間装着することを想定して、圧や重さ、眼鏡や髪の干渉具合までチェックするのがベター。
  • 没入感を求めるなら、立体的な音場を表現するサラウンド機能やNC機能を重点的にチェックしたい。
  • 自分が求める用途を明確にすることも重要。映画やゲーム、Web会議など、あらゆるシーンを想定しよう。

※本文と写真で掲載している価格は、2021年4月1日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。なお、同店は4月22日に秋葉原地区内で移転オープンします。

第1位:NC最強の「WH-1000XM4 BM」が不動の一番人気

一番人気に挙げられたのは、ソニーの「WH-1000XM4 BM」でした。強力なノイズキャンセリング(NC)機能を備えた密閉式モデルで、Bluetooth 5.0に対応したワイヤレス仕様となっています。取材時の価格は39,501円でした。

「NCの効果が強力なうえに自然で、2020年9月に登場してから不動の一番人気となっていますね。サウンドも良質なので、没入感を重視したい人に向いています。近所の工事で騒音が気になるから、と買われた方もいらっしゃいました」

  • ソニー「WH-1000XM4 BM」

第2位:重低音が振動するNC搭載モデル「CRUSHER ANC」

定番に続く2位は、Skullcandyの「CRUSHER ANC」です。重低音で振動する「センサリーベース」機能を備えた2019年10月発売モデルで、NC機能も備えています。取材時の価格は32,220円でした。

「ワイヤレスかつNCも使えて、振動で臨場感が高められるのが楽しいモデルです。個人個人の聞こえ方を測定する『パーソナルサウンド』機能も備えているのもポイントです。センサリーベースをゼロにしても、自然な音がきれいで評価が高いですね」

  • Skullcandy「CRUSHER ANC」

CRUSHERシリーズの最新モデルとして、2020年10月には「CRUSHER EVO」が売り出されています。こちらは、同ANCのNC機能を省いたモデルという位置づけ。取材時の価格も20,520円と値ごろで、トップ5には入らないものの、シリーズの良き選択肢として存在感を放っているそうです。

  • Skullcandy「CRUSHER EVO」

第3位:スピーカーのような定位で音が鳴る「EXOFIELD THEATER」

3位に入ったのは、JVCケンウッドがVictorブランドで売り出す「EXOFIELD THEATER」です。ヘッドホンで個人の特性に合わせた最適な音場を作り、独自の「EXOFIELD」技術でサラウンドスピーカーのような定位で音が感じられるが特徴です。ヘッドセット部とプロセッサー部のセットモデルで、取材時の価格は99,000円でした。

「『Dolby Atmos』の7.1.4chサラウンドにも対応するぜいたくな環境が得られます。ランクインしたほかの製品とは価格帯がだいぶ異なりますが、店頭で試用して心が射貫かれて購入される方もいらっしゃいます」

  • JVCケンウッド「EXOFIELD THEATER」

第4位:映画鑑賞でも評価されるゲーミングモデル「Kraken」

4位には、ゲーミングPCのブランドとして有名なRazerのヘッドセット「Kraken」がランクインしました。3.5mmイヤホンジャックで接続するゲーミングヘッドセットで、取材時の価格は7,900円でした。

ゲーム用途での人気が高いモデルですが、そこから映画鑑賞用としての評価も広がっているといいます。「ゲーミングヘッドセットは、音の位置がつかみやすい設計になっていますが、それは映画で臨場感を高めるのにも一役買います。きょう体が軽いうえ、イヤークッションに冷却ジェルを注入するなど、長時間つけていても疲れさせない工夫もあってファンが増えていますね」

  • Razer「Kraken」

第5位:ミニアンプとのセットで人気の「SHIDO」

5位にも、ゲーミングヘッドセットがランクインしました。オンキヨーのゲーミングブランド「SHIDO」に属するミニアンプとヘッドセットのセット「SHIDO:001&002」で、取材時の価格は20,580円でした。ミニアンプでは5つのイコライザープリセットがあり、つまみで簡単に切り替えられます。

「2021年1月に登場した話題作です。ボタンひとつでバーチャル7.1chサラウンドも味わえるなど、この価格としてはかなり本格的な仕様です。学生さんからサラリーマンの方まで、男性を中心に売れています」

  • オンキヨー「SHIDO:001&002」

はみ出し情報…3系統同時入力が可能な「QUANTUM 800」

トップ5以外で注目を集めているモデルとして東谷氏が挙げたのは、JBLの「QUANTUM 800」です。BlutoothとUSBワイヤレス、3.5mmイヤホンジャックの3系統同時入力に対応するユニークな製品で、取材時の価格は17,820円でした。

とくにゲーミング界隈で評価が高いモデルとのこと。「3系統同時だとバッテリーの持ちが厳しいですが、2系統なら十分実用できます。複数のプレーヤーで協力するゲームで、ヘッドセット側の入出力ができない環境だと効果を発揮しますよ」

  • JBL「QUANTUM 800」