Samsung Electronicsが、台湾ファウンドリのUMCに、CMOSイメージセンサ(CIS)の生産を委託する契約を行った模様だとの台湾業界筋の情報を台湾の経済メディアである経済日報が報じている。

Samsungが15億ドル以上を投じてCISの製造装置を約400台購入し、台湾の南部科学園区に設置されているUMCのP6工場に搬入し、それを用いて製造してもらうという。UMCは、2023年より28nmプロセスを用いて、月産2万7000枚規模での量産を開始し、将来はUMCの22nmプロセスに移行する計画だという。ただし、UMCは、顧客情報については一切コメントしないとしており、今回の報道は公式な発表を元にしたものではない。

また、同紙によれば、UMCはSamsung向けに、供給不足気味の有機EL(OLED)ドライバICやLEDドライバICも受託生産を行う模様だとしている。

台湾情報筋によると、Samsungが購入してUMCに搬入する装置一式の費用は、UMCが2021年に予定している設備投資額を超す規模になるという。

なお、Samsungは自社のレガシープロセスにおける生産能力不足が2020年から続いており、長期的な生産委託先を探していたというが、UMCへの製造委託は初めてのことだという。今回の契約が事実であるとすれば、Samsungはレガシープロセスでの生産能力を確保しつつ、自社工場での先端プロセスを用いた製造に注力できるようになる一方で、UMCとしても得意とする28nmプロセスの生産能力を他社の資金で増強することができるため、Win-Winの関係を構築できる可能性は高いと半導体業界関係者は見ているという。