お店のレジ付近から「支払いはApple Payで」というやり取りが聞こえてくること、珍しくなくなりました。キャッシュレス化が急速に進む現在、本邦スマートフォン市場において高いシェアを持つiPhoneのこと、その非接触決済サービスであるApple Payの利用者が少ないはずもありません。

Apple Payを利用するためには、iPhoneに標準装備の「Wallet」アプリにApple Pay対応の電子マネーやクレジットカードを登録する必要があります。2者の関係は文字どおり財布とお金、Walletアプリから電子マネーやクレジットカードという"お金"を取り出すしくみがApple Payなのです。

そしてその"お金"の代表格が、ここ日本では「Suica」と「PASMO」になります。どちらもエクスプレスカードに指定でき、生体認証やパスコードによる承認なしに支払える利便性が高く評価されています。

Walletアプリには、iPhone 8以前の端末は最大8枚、以降は最大12枚の電子マネー/クレジットカードを登録できます。フィーチャーフォンやAndroidのような「端末1台につき1枚」の制限はなく、複数のSuica/PASMOを登録することが可能です。

とはいえSuica/PASMOはどちらも交通系電子マネー、1台のiPhoneに複数枚を登録する意味がわからないという意見も。しかし、実際に使ってみるとメリットは少なくありません。

たとえば、1枚はエクスプレスカードとして公共交通機関での支払いに、もう1枚はコンビニエンスストアなどふだんの支払いに。電車やバスの運賃は後日経費として精算するから分けておきたい、というニーズに応えることができるわけです。複数区間を乗り継いで通勤・通学する人は、カードごとにチャージ額や定期券をわけておくこともできます。Suica/PASMOの複数枚使い分け、便利ですよ。

  • 「Apple Pay」では複数のSuica/PASMOを使い分けできます