今回は、中古や新古のスマホを扱うイオシス アキバ中央通店を訪ね、未使用品の白ロムスマホの売れ筋を聞き込みました。

緊急事態宣言発令中の取材でしたが、昨年4月~5月の緊急事態宣言中のような急激な売れ筋の変化は今のところ起きていないそうです。店頭スタッフの石山祐輔氏は「前回はテレワーク用にパソコンやiPhone 8の需要が急増したり、自粛中でも家でテレビや読書を楽しむために安価なAndroidタブレットを求める人が増えたりといった明確な動きがありました。2回目の今回は、すでに環境が整っている人が多いのかもしれませんね」と推測します。

  • 秋葉原の中央通りに店を構えるイオシス アキバ中央通店

スマホの売れ行きを見ても、直近の世の中の動きよりも中期的なトレンドが継続している印象が強いとのことでした。それを踏まえて、最近の売れ筋トップ5をブランド単位で追いかけていきましょう。「購入時のポイント3箇条」は以下となります。

  • 自宅で買い物ができる通販が便利。店舗では、個体ごとの状態がチェックできるメリットがある。
  • 未使用品は中古品に比べると高価になるが、バッテリーの消耗などを気にしなくていいのが強み。
  • メイン端末用やサブ用、ゲーム用など用途によって人気の価格帯が変わる。悩んだら店員に相談が近道。

※本文と写真で掲載している価格は、2021年1月13日14:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:大量入荷の未使用品が多用途で人気「iPhone 7」

人気トップは、断トツでアップルの「iPhone」シリーズでした。モデルごとに分けるとランキング上位を多く埋めてしまうほどで、廉価モデルからハイエンドモデルまで全方位で売れているとのことです。

なかでも直近では、SIMロック解除済みのソフトバンク版「iPhone 7 32GB」が一番人気になっていました。iPhoneで初めて防塵防水仕様となり、FeliCaも搭載したモデルです。画面サイズは4.7インチと標準的。取材時の価格は税込み23,800円でした。

「2016年に登場した端末ですが、重たいゲームをせずに写真のクオリティもそこまでこだわらないのであれば、十分現役で使えます。自分用のほかに、子ども用のスマホとして買われていくことも多いですね。2月になると、高校受験のプレゼントとしての需要も増えてくるかなと思います」

  • アップル「iPhone 7」

第2位:物理キーボード搭載でマニアに人気の「Cosmo Communicator with HDMI」

続く2位には、PLANETの6インチAndroid端末「Cosmo Communicator with HDMI」(国内版)がランクインしています。QWERTY物理キーボードを搭載するクラムシェル型の端末で、Dual SIMとeSIMに対応しています。取材時の価格は税込み52,800円でした。

この端末は、ガジェット好きな層に深く刺さっているそうです。「物理キーボード搭載のような一風変わった端末が好きな方が一定数いて、物珍しさでものすごく指名買いされています。ニッチな人気ですけど、流通量も限られているので、需要が集中しているのかなと思います」

  • PLANET「Cosmo Communicator with HDMI」

第3位:遊びの端末としてヒット「Rakuten Mini C330」

3位は、楽天モバイルの「Rakuten Mini C330」。3.6インチ液晶を採用したコンパクトな端末で、製造ロットにより初期と中期、後期に区別されています。取材時に未使用品で店頭に並んでいたのは後期ロットで、価格は税込み9,980円でした。

「一番人気は中期ロットですが、後期ロットも好調に売れています。コスパが高いので、おもちゃ的な感覚で買っていかれる方が多いですね。eSIMを試してみたり、DACをつないでハイレゾ端末にしてみたり」

  • 楽天モバイル「Rakuten Mini C330」

第4位:実用性で選べて買いやすい価格の「Galaxy A21」

4位には、NTTドコモ端末として2020年10月に登場したサムスン電子の「Galaxy A21 SC-42A」が挙げられました。5.8インチ画面の端末で、取材時の価格は税込み15,800円でした。

「バランスの取れたエントリー端末として人気のあったA20の後継機ですね。おサイフケータイも防塵防滴構造もあり、重たいゲームをしなければメイン端末として十分に使える実力があります。登場したころは2万円前後しましたが、順調に価格が下がってきて、A20の人気の引き継ぐ流れになってきていますね」

  • サムスン電子「Galaxy A21」

第5位:ミドルクラスの定番「Pixel 3a」

5位は、Googleの「Pixel 3a」です。5.6インチパネルを採用した2019年5月発売のモデルで、ソフトバンク版のSIMロック解除済みモデルの価格は税込み29,800円でした。

「廉価モデルながら、カメラの評価が抜群に高かった上位機『Pixel 3』とほとんど変わらないカメラ性能を備えています。CPUも、よほど重たいゲームでなければ十分楽しめるレベルですし、3万円以下で本格的に使うスマホを探している人にお勧めしたい端末ですね」

  • Google「Pixel 3a」

はみ出し情報…ゲーミングスマホとしても「iPhone」が売れ筋!?

これまで、しばしば「重たいゲーム」という表現が出てきましたが、重たいゲームをプレイするための端末としてはiPhoneの上位機、もしくはiPadが定番となっているそうです。「iPhoneやiPadは、現役で使える期間がAndroidと比べて長いと評価されていて、ゲームをやるとなると日本ではそちらを選ばれる方が大半ですね」

そのため、Androidのゲーミングスマホはニッチな存在となっているそうですが、もちろん売れ筋も存在します。人気機種として挙げたのは、Nubiaの6.65インチ端末「5S Red Magic 5S」。リフレッシュレート144Hzの有機ELパネルを採用し、水冷システムと冷却アタッチメントによる空冷を導入することでCPUやGPUの性能が引き出せる環境を構築しています。海外版の未使用品が税込み72,800円で売られていました。

  • Nubia「5S Red Magic 5S」