今回は、カシオ計算機の腕時計「G-SHOCK」の売れ筋モデルを知るために、ヨドバシカメラ新宿西口本店 時計総合館を訪ねました。

同店には、2019年10月に「カシオG-SHOCK、伝統と新技術が同居した『GA-2100』が一番人気」で同様の取材をさせてもらいましたが、その後はコロナ禍が起きて、売れ筋やトレンドにも何かしらの変化があったと思われます。同店の時計専門チームスタッフ・清水陸氏は「腕時計全体の売り上げ本数自体は、新型コロナの影響がやはり出ています。ただ、G-SHOCKは根強いファンの方が多いブランドで、新製品が出るたびに多くの予約をいただいています。盤石で堅調という印象があります」といいます。

  • ヨドバシカメラ新宿西口本店 時計総合館 1階のG-SHOCK売り場。時計専門チームスタッフの清水陸氏にナビゲートしてもらった

そうした変化から、G-SHOCK全体の売れ筋を見ると、注目を集めやすい記念モデルやフラッグシップモデルが相対的に順位を上げやすい流れになっていると感じます。買い物時に覚えておきたい以下のポイント3箇条を踏まえて、売れ筋トップ5を見ていきましょう。

  • 空いている時間帯を狙うなら、開店直後がお勧め。同店は午前9時半から営業している。
  • アナログとデジタルタイプは前者の人気がやや優勢。人気が集中するモデルにはアナログが多い傾向。
  • Bluetoothでスマホと連携するスマートウォッチタイプも登場。搭載技術で選ぶのも醍醐味のひとつ。

※本文と写真で掲載している価格は、2019年11月25日15:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:ビジネスで使いやすいデジタル「ORIGIN GMV-B5000D-1JF」

一番人気となっていたのは、初代モデルの系譜を継ぐデジタルタイプの「ORIGIN GMV-B5000D-1JF」でした。ベースをフルメタル化し、ステンレスバンドを採用したモデルで、他の多くの人気上位モデルと同じくBluetoothによるスマホ連携機能も備えています。取材時の価格は税込み52,800円でした。

「昔からG-SHOCKが好きな人にも、初めてG-SHOCKを身につけるという人にも人気がある定番ですね。ステンレスバンドでスーツにも合いやすく、仕事で常備したいというニーズにもお勧めです」

前述の買い物のポイントでも挙げたとおり、G-SHOCKはアナログタイプの売れ行きが優勢となっていますが、その流れにあっても「仕事で使えるオリジナル系譜」は特別な人気を堅持しているようです。

  • 「ORIGIN GMV-B5000D-1JF」(右から2番目)

第2位:11月登場のMT-Gフラッグシップ「MT-G MTG-B2000BD-1A4JF」

続く2位には、11月13日に発売となったばかりのアナログタイプ「MT-G MTG-B2000BD-1A4JF」が挙がりました。メタルとカーボンでコアをガードするデュアル構造を採用したモデルで、取材時の価格は税込み11万円でした。

「頑丈さとデザイン性で人気を誇るMT-Gシリーズの最新フラッグシップモデルですね。MT-Gは新モデルが出るたびに買われる方も多く、こちらも発売当初から好調に売れています。価格的なこともあり、30~40代の方が中心になりますね」

  • 「MT-G MTG-B2000BD-1A4JF」

第3位:スーツに合うアナログG-SHOCK「MT-G MTG-B1000D-1AJF」

3位には、シルバーを基調にしたアナログタイプ「MT-G MTG-B1000D-1AJF」が入りました。取材時の価格は税込み88,000円。2位と同じMT-Gシリーズに属するモデルですが、売れ方は1位に近いといいます。

「シルバー基調で赤を差し色に使ったデザインが、ビジネスに使いやすいと好評です。G-SHOCKのオリジナルデザインを求めてデジタルのGMV-B5000D-1JFを求める人と、アナログタイプを求めてこちらを選ばれる人がいるという印象がありますね」

  • 「MT-G MTG-B1000D-1AJF」(中央)

第4位:G-SHOCK最高峰の赤備え「MR-G MRG-G1000B-1A4JR」

4位は、現行G-SHOCKの最高峰モデルとされる「MR-G "AKA-ZONAE" MRG-G1000B-1A4JR」。武具を朱塗りで統一した戦国の精鋭部隊「赤備え」(AKA-ZONAE)をテーマにした豪華なデザインが特徴です。取材時の価格は税込み33万円。

「もっとも高価なモデルで、本当にG-SHOCKが好きな方に指名買いされますね。価格的にも、お財布に余裕がないと買いにくいところもあり、40~50代など比較的高い年齢の方によく選ばれています」

ただ、60~70代のG-SHOCKファンも少なくなく、購入層の裾野は広いそうです。1983年のG-SHOCK誕生から40年弱が経過し、現在も新規のファンを獲得していると考えると、「G-SHOCKはほぼ全世代がターゲット」というのもうなずけます。

  • 「MR-G "AKA-ZONAE" MRG-G1000B-1A4JR」

第5位:機能美で人気が集まる“海G”「FROGMAN GWF-A1000-1A2JF」

5位には、ISO規格の200m潜水用防水機能を備えたFROGMANシリーズに属する「GWF-A1000-1A2JF」が続いています。ダイビング時の時間計測操作が可能なアナログタイプで、高水圧に耐えられるよう裏蓋と一体化したカーボンモノコックケースを採用。取材時の価格は税込み79,200円でした。

「G-SHOCKといえばタフさですが、なかでも防塵防水のイメージを強く持たれる方が多く、潜水用防水機能を持つFROGMANを好む人は多いですね」

  • 「FROGMAN GWF-A1000-1A2JF」

はみ出し情報:ウェアラブル端末として使える「G-SQUAD GBD-H1000-1A7JR」も人気

トップ5以外の人気モデルとして挙げられた注目製品は、スポーツ向けのG-SQUADシリーズに属するデジタルタイプ「GBD-H1000-1A7JR」です。取材時の価格は税込み49,500円。

Bluetoothによりスマホと連携できる機能を備えるG-SHOCKは多いですが、こちらは心拍計と方位、高度/気圧、温度、加速度の5センサーを内蔵し、GPS機能も備えている点が特徴です。スマートウォッチやウェアラブル端末のように使えるということで、運動好きな人やスマホ連携が好きな若い世代に人気があるとのこと。

「G-SHOCKの機能性の高さとスマートウォッチの使い方はかなり相性がいいので、両者のニーズがうまく融合していると思います」

  • 「G-SQUAD GBD-H1000-1A7JR」