台湾Digitimesが1月27日付けで、TSMCがIntelの先端CPUを3nmプロセス(Intelの5nmプロセスに相当)を用いて2022年後半から製造する受託契約を結んだ模様であると伝えている。TSMCの内情に詳しい人物からの情報だというが、TSMCおよびIntelは公式発表を行っていない。
現在、TSMCは台南市南部科学工業園区に2020年11月に完成した3nmプロセス製造棟に製造装置の搬入を始めた段階にあり、2021年後半よりリスク生産を開始、2022年後半より量産を開始する予定としている。
TSMCの3nmプロセスを活用する顧客の第1号はAppleで、2022年秋に発売されると思われる新型iPhone向けSoCで利用される見込みだが、Intelは2番目の顧客になるという。また、IntelはSamsungとも製造委託の交渉を続けているが、最終的な契約には現段階では至っていないという。
Intelは、1月21日の2020年第4四半期の決算発表の場で、7nm CPUの製造を自社で行うか外部に委託するかの判断を発表する予定としていたが、その発表の前にCEOの交代が決定。最終的な決断を新CEOにゆだねるとし、判断を先送りしていた。
その新CEOとなるPat Gelsinger氏は、2023年に発売される予定の7nm CPU製品の大部分が社内で製造されるとの見通しを示す一方、ポートフォリオが多岐にわたることから、特定のテクノロジーや製品を外部ファウンドリに製造委託する可能性はあるともしており、詳細な分析と今後の最善の道筋を完全に評価した後、最終決定すると述べていた。
今回のTSMCとIntelの契約報道が事実だとすれば、最先端品の製造をTSMCが担当し、7nmおよびそれ以前のプロセスを採用した製品を自社で製造することになるものと思われる。