ブルーエアといえば、スウェーデン発の高性能な空気清浄機メーカー。世界的に高い知名度があり、同社の製品は世界中で評価されています。日本でも家電好きや、「空気の質」に敏感な家族がいる層には非常に人気があるメーカーです。そんなブルーエアから12月3日に、新しいフラッグシップモデルとなる「Blueair Protect」シリーズが発売されます。

適用床面積が70畳までの「Blueair Protect 7700」と、適用床面積が40畳までの「Blueair Protect 7400」の2シリーズ。それぞれのシリーズでインタフェースが異なる3モデル、合計6モデルのラインナップです。本体サイズ・重さは、Blueair Protect 7700がW340×D340×H855mm・約19kg、Blueair Protect 7400がW300×D300×H690mm・約12.5kgと、なかなか存在感のある大きさです。

  • 70畳向けのBlueair Protect 7700シリーズ(写真左)と、40畳向けのBlueair Protect 7400シリーズ(写真右)。直販価格(税別)は7700シリーズが122,800~142,800円。7400シリーズが92,800~112,800円

  • 従来のフラッグシップモデルは箱形デザインでしたが、タワー型デザインに一新。デザインだけではなく、モーターやフィルターまですべてが新しくなりました

ウイルスレベルの超微粒子もしっかりキャッチ

ブルーエアの空気清浄機は、高性能なフィルターが大きな特徴です。「HEPASilent Technology」と呼ばれる技術によって、空気中に漂う微粒子をイオナイザーでマイナス帯電させ、ブラス帯電したフィルターへと静電気の力で吸着します。

これまでブルーエアは、0.1μm以上の微粒子を99.97%捕集できるとうたっていましたが、新モデルのBlueair Protectシリーズではフィルターとして、さらに進化した「HEPASilent Ultra」という技術を採用しました。HEPASilent Ultraではなんと、0.03μm以下というナノレベルの超微粒子も99%以上除去できるといいます。ちなみに、一般的にウイルスのサイズは0.1μm前後といわれています。

  • フィルターは本体の横扉を開いて取り替えるタイプ。サッと抜き取って簡単に交換できます。ひとつのフィルターは、超微粒子を除去するHEPAフィルターのほか、ニオイ除去に効果的なココナッツカーボンフィルターを持つ多層構造です

「SmartFilter」と呼ばれる新しいフィルターは、使い勝手も向上しています。設置するときは写真のように三角形の形で本体にセットしますが、交換時は汚れた面(白い面)を内側にして閉じることができるので、汚れた面に触れることなく捨てられます。

  • 大きいフィルターは7700シリーズ用「SmartFilter 7700」(直販価格は税別18,000円)、手前のコンパクトなフィルターは7400シリーズ用「SmartFilter 7400」(直販価格は税別15,000円)

このフィルターはRFIDチップを搭載していて、使用時間や空気の汚れなどから、最適な交換時期をお知らせします。従来、ブルーエアのフィルターは基本的に半年で交換とされていましたが、SmartFilterは使用状況によって最長1年まで寿命が延びました。これはうれしい!

Blueair Protectシリーズは、フィルターだけでなく本体内のファンも一から設計しており、モーターには高効率なブラシレスDCモーターを搭載しています。従来製品と比べて静音性が10%アップし、消費電力は5%減っているそうです。

  • フィルターを外すと、本体下部にあるファン。高性能モーターと遮音性の高いスチールボディによって、運転中の動作音は約27dBと非常に静か(Blueair Protect 7700シリーズ 「スピード1」の場合)

キャッチしたウイルスを不活性化する機能も搭載

空気清浄機が集めたカビや雑菌は、空気清浄機のフィルター内で増殖しないかどうかも気になります。そこで、Blueair Protectシリーズは「GermShield」と呼ばれる機能を搭載しました。

GermShieldは、部屋の湿度や温度などをモニターしながら、「菌が繁殖しやすい環境」であるかを365日24時間つねにチェック。菌が繁殖しやすいと判断した場合、フィルターに吸着した菌やウイルスにイオンをチャージ。さらに、内部に微風を起こしてフィルターを乾燥させ、菌やウイルスを不活性化させる機能です。

  • 本体側面にあるセンサー

Blueair Protectシリーズの全モデルは、温度、湿度、VOC(揮発性有機化合物)、微粒子を検出するセンサーを装備しています。面白いのは、微粒子をPM1.0、PM2.5、PM10という3つのサイズに分けて検出、表示できるところ。部屋の空気が汚れているのは、花粉などの大きな粒子(PM10)が原因なのか、あるいはPM1.0のような目に見えない大気汚染物質が原因なのか、判断できるようになっています。

こうした物質の検出結果は、空気清浄機の本体と連動するスマートフォンの専用アプリでチェックしますが、Blueair Protectのモデルによっては本体上部からも確認できます。

このインタフェース、7700シリーズと7400シリーズのそれぞれで3種類が用意されており、PM1.0・2.5・10、温度、湿度、VOCの検出結果と、フィルター使用率を表示するのは、最上位インタフェースの「インタラクティブタッチスクリーン」です。ほか、PM1.0・2.5・10の検出結果とフィルター交換お知らせランプを備える「プリントタッチボタン」があります。

【動画】最上位モデルに搭載された「インタラクティブタッチスクリーン」と呼ばれるインタフェース。「Blueair Protect 7770i」と「Blueair Protect 7740i」が搭載しています

  • 「Blueair Protect 7740i」「Blueair Protect 7440i」のインタフェースは「プリントタッチボタン」。PM1.0・2.5・10、それぞれの検出量を本体で直接確認できます

  • 「Blueair Protect 7710i」「Blueair Protect 7410i」のインタフェースも「プリントタッチボタン」ですが、同じ名前でもセンサー検出結果を数値で示す機能はありません

3つのインタフェース共通で、空気中の微粒子とVOCによる空気汚染度を5色のLEDで表示します。

  • 全モデルに搭載されている横長のLEDは、左側が浮遊している微粒子量、右側がVOCの量。空気中の量が増えると青から赤へど5段階の色で変化します

空気清浄機は、本体側面から部屋の空気を取り込み、キレイにした空気を本体上部から排気することが多いのですが、Blueair Protectは「SpiralAir」と呼ばれる複雑な形状の排気口になっています。これにより、本体両側面から吸気、内部で清浄化した空気をあらゆる方向に放出。7700シリーズなら8畳をわずか4分、7400シリーズなら8畳を7分で清浄化できるといいます。

  • あらゆる角度から清浄化された空気を送り出すため、本体全体をカバーするように排気口をデザインしています。なお、「キレイな空気を部屋に供給する」というイメージのためか、Blueair Protectのカタログでは「排気口」ではなく「供給口」と表記されています

実は今回のBlueair Protect、約25年にわたるブルーエアブランド史上で、なんと初めてとなるフラッグシップモデルのフルモデルチェンジ。それだけに、とても力をいれて開発されており、いかにも「空気清浄機」という見た目だったこれまでのBlueair Classicシリーズと比べて、デザインや使い勝手などがかなり進化しています。

特に、0.03μmというウイルスレベルの微細粒子を99%以上除去できるというのは、かなりの安心感。高級機だけあって気軽に購入できる価格帯ではありませんが、「空気の質」にこだわりたい人にとっては、検討に値する製品でしょう。