米Facebookは10月26日 (現地時間)、クラウドゲームサービスのベータ提供を発表した。FacebookのAndroidアプリまたはFacebook.comのFacebook Gamingタブからアクセスして無料で遊べる。

  • FacebookのクラウドゲームはデスクトップWebとAndroidアプリでプレイ可能

    FacebookのクラウドゲームはデスクトップWebとAndroidアプリでプレイ可能、iOSアプリはApp Storeの規約で提供できず、Safariでの提供は見送った

クラウドゲームは、クラウドサーバーがゲームの処理を担い、PC、スマートフォンやタブレットといった端末に映像をストリーミングして手軽にゲームを遊べるようにする。Googleの「Stadia」、Microsoftのクラウドゲーミング、NVIDIAの「GeForce NOW」といったサービスがすでに登場しているが、それらはどれもPCゲームやゲーム機の市場にクラウドゲームを持ち込んでいる。高スペックなPCやゲーム機を使わなくても本格的なゲームを手軽に遊べるが、ストリーミングの安定化や高画質化、遅延のない操作など課題はまだ多く、将来を見据えたサービスにとどまっている。

それらに対してFacebookは、カジュアルに遊べるゲームを基本無料で提供する同社のインスタントゲームにクラウドゲームを取り込んでいる。遊べるのはモバイル向けのゲームであり、現在のユーザー環境でも比較的快適にクラウドゲームを楽しめる。「大げさな約束をしたり、不十分なものを提供することはない」とゲーム担当のバイスプレジデントであるJason Rubin氏。「ユーザーはすぐにプレイできるHTML5ゲームと共にクラウドストリーミングゲームも遊ぶ。我々の狙い通りになら、ゲームの配信方法の違いに気づかないだろう」としている。ゲーム販売やサブスクリプションから収益を上げるのではなく、Facebookに利用者を引き付けるのが同社の目的である。「2020年におけるクラウドゲームの将来性は、2010年頃からのFacebookのソーシャルゲームの価値に等しい」とRubin氏。Facebookはクラウドゲームをプレイアブル広告として提供する仕組みも用意した。

  • Facebook Gaming

    Facebookの「Facebook Gaming」

26日時点で配信が始まったゲームは「Asphalt 9: Legends」(Gameloft)、「Mobile Legends: Adventure」(Moonton)、「PGA TOUR Golf Shootout」(Concrete Software)、「Solitaire: Arthur’s Tale」(Qublix Games)、「WWE SuperCard」(2K Games)など。快適に遊べるように遅延耐性のあるゲームを揃えた。Facebookログインによって、ゲームの進行、ゲーム内で購入したアイテムなど全てFacebookアカウントで管理され、デバイスを変えても、またはクラウドゲームとダウンロード版 (Android用ゲーム)との間でもゲームプレイを継続できる。

クラウドゲームのベータサービスは、26日に米国の北東部の州、大西洋岸中部の州、カリフォルニア州、テキサス州などでロールアウトを開始、インフラをスケールさせながら米国で提供地域を拡大し、ゲームタイトルも拡充していくとしている。