パナソニック、小型軽量の高性能フルサイズミラーレス「LUMIX S5」

パナソニックは9月3日、Lマウントを採用するフルサイズミラーレスの新製品「LUMIX S5」（DC-S5）を発表した。写真撮影と動画撮影の両方の性能を重視した高性能モデルで、フルサイズセンサー搭載ながらマイクロフォーサーズ機「LUMIX G9 PRO」よりもコンパクトに仕上げて扱いやすさを高めた。自撮りを多用するVlog撮影に向けた機能も充実させた。ターゲットをプロに特化したLUMIX S1とは異なり、写真や動画を高画質に撮影したいと考える趣味層や、ビデオブロガーなどのクリエイターに売り込む。

価格はオープンで、予想実売価格はボディ単体モデルが税別24万円前後、小型設計の標準ズームレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」が付属するレンズキットが税別28万円前後。最大3万円のキャッシュバックキャンペーンも実施する。発売は9月25日。

• ティーザー広告で発表を予告していた「LUMIX S5」（DC-S5）が正式発表となった。上位機種「LUMIX S1」並みの撮影性能をコンパクトなボディに凝縮したクリエイター向けの高性能フルサイズミラーレスだ

LUMIX S5のおもな特徴は以下の通り。

• 有効2420万画素のフルサイズCMOSセンサー＋ヴィーナスエンジン（いずれもLUMIX S1と同じ）
• 感度はISO100～51200、拡張時はISO50～204800
• 高感度ノイズを低減するデュアルネイティブISO対応
• 96M相当の高精細写真が生成できるハイレゾモード、カメラ内でJPEGで記録できるように改良。最大8秒のスローシャッターにも対応
• 星景写真が手軽に撮影できるライブビューコンポジット
• 上位機種のLUMIX S1シリーズと同等の操作性
• 手探りでも操作できる大型の動画撮影ボタン
• マグネシウム合金製の防塵防滴構造ボディ
• AFは新たに頭部検出に対応、認識や追従性能を向上
• ボディ内手ブレ補正機構（補正効果は5.5段分相当）を搭載、レンズ内手ブレ補正機構を連動して補正効果を高めるDual I.S.2にも対応（補正効果は6.5段分相当）
• 4K 60pの動画撮影に対応、4K 30pは時間制限なし
• 背面液晶はタッチ操作に対応するバリアングル式
• UHS-II対応のデュアルSDカードスロット
• 小型軽量の標準ズームレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」が付属するキットモデルを用意

発売中のフルサイズミラーレス「LUMIX S1」（DC-S1）の機能を小型軽量ボディに凝縮したモデルで、写真撮影と動画撮影の両面を高性能に仕上げた。ボディは、LUMIX S1と比べて大幅に小型軽量化を図った。本体サイズはW132.6×H97.1×D81.9mm、重さは約630gで、マイクロフォーサーズの高性能ミラーレス「LUMIX G9 PRO」（W136.9×H97.3mm×D91.6mm、約586g）よりもコンパクトに仕上げた。

• ローパスフィルターレスの2420万画素フルサイズCMOSセンサーを搭載する。センサーと画像処理エンジンはLUMIX S1と同じ

• 操作ボタン類はオーソドックスな配置となる

• 背面液晶はシリーズ初のバリアングル式となる

• ボディは各所にシーリングを施した防塵防滴構造となる

• ボディ内手ブレ補正機構とレンズ内手ブレ補正機構を連動して補正効果を高めるDual I.S.2に対応する

動画撮影機能は、LUMIX S1とほぼ同等ながら、一部はLUMIX S1を上回る仕上がりとした。撮像素子の熱をボディ全体で放熱するよう設計したうえでヴィーナスエンジンの省電力化を図り、長時間の動画撮影が安定してできるようにした。

• ボディはマグネシウム合金製となる

• ヘッドホンやマイク端子も搭載。メモリーカードスロットはSDカードのデュアルスロットとなる

需要が増えるVlog撮影を見込んだ機能も盛り込んだ。動画撮影ボタンは前方からの手探りでも操作しやすいよう大型化を図ったほか、動画撮影時は赤枠を表示することで撮影中であることを認識しやすくした。縦位置で撮影した動画は、縦長で再生できる。

• 赤い動画撮影ボタンはかなり大きめで、手探りで操作することの多い自撮りを意識している

2020年内には、DC-S5のファームウエア更新を予定しており、動画のRAW出力やシネマ4Kへの対応、LモノクロームやLクラシックネオなど新しいフォトスタイルへの対応が図られる見込み。

別売アクセサリーとして、バッテリーグリップ「DMW-BGS5」（予想実売価格は35,000円前後）やバッテリーパック「DMW-BLK22」（予想実売価格は8,500円前後）、バッテリーチャージャー「DMW-BTC15」（予想実売価格は13,000円前後）などを用意する。

• 別売のバッテリーグリップ「DMW-BGS5」を装着したところ。縦位置撮影用のシャッターボタンも搭載する

• 背面にも縦位置撮影用のボタンを搭載する

• 自撮りに使えるトライポッドグリップ「DMW-SHGR1」も利用できる

販売開始記念のキャッシュバックも実施する。ボディ単体モデルは2万円、レンズキットは3万円をキャッシュバックする。購入対象期間は12月6日まで。

Lマウントレンズの開発ロードマップも更新した。中望遠レンズ「85mm F1.8」を2020年11月に発売する予定で、「24mm F1.8」「35mm F1.8」「50mm F1.8」もそれ以降に投入する。これらのF1.8レンズは、大きさやフィルター径、操作性をすべて統一している。これ以外には、望遠ズームレンズ「70-300mm F4.5-5.6」に加え、広角の単焦点レンズと大口径の広角ズームレンズを開発中であるとした。

• Lマウントレンズの開発ロードマップ

LUMIX S5のおもな仕様は以下の通り。