設定アプリの「画面表示と明るさ」には、「テキストサイズを変更」という項目があり、そこにあるスライダーを操作するとアプリに表示される文字の大きさを変更できます。コントロールセンターに追加した「テキストサイズ」ボタンを利用しても、同じ操作が可能です。

この方法で文字の大きさを変更すると、行間などの調整をシステム側で自動的に処理してくれるため、文字が大きく/小さくなってもレイアウトが崩れません。しかし、すべてのアプリに適用されるわけではなく、まったく文字の大きさが変わらないアプリも存在します。

その理由は「Dynamic Type」にあります。Dynamic Typeとは、iOSアプリに共通の文字サイズ(フォントサイズ)を決定するための機構で、アプリを開発する時点で対応するかどうかを決めます。つまり、Dynamic Typeに対応するよう開発されたアプリでなければ、「テキストサイズを変更」画面の設定内容は反映されません。

iOS標準装備のアプリでいえば、「メール」や「カレンダー」、「連絡先」といったアプリがDynamic Typeに対応しています。ホーム画面の表示全般を担うiOSの機能もDynamic Typeに対応するため、アプリ名や通知ダイアログの文章も「テキストサイズを変更」画面の設定に応じてフォントサイズが変わります。

一方、Dynamic Typeに対応するよう開発されていないアプリは、文字の大きさが変化しません。ゲームのようにキャラクタなどの表示位置が決まっているアプリの場合、表示要素を拡大/縮小すると不都合が生じるためです。App Storeで配布されるサードパーティー製品の場合、基本的には電子書籍ビューアなど文章を読むことが主体のアプリ向けの機能と考えたほうがいいでしょう。

  • テキストサイズを上げてもアプリの文字が大きくなりません!?

    テキストサイズの変更が反映されないアプリがある?