梅雨といえば、湿気が多く室内のカビも気になる季節。洗濯物を部屋干しする日も増えますが、部屋干しは乾きにくく、部屋干し臭に悩んでいる人も多いはず。また、エアコンなど家電内部の「見えない場所のカビ」が気になる人もいるでしょう。

そんな悩まされる梅雨の到来に向けて、パナソニックはプレス向けに「梅雨に向けた上手な家電の使い方・お手入れセミナー」をオンライン開催しました。登場した家電は、5月下旬発売の「衣類乾燥除湿機 F-YHTX90」、7月20日発売の「縦型洗濯乾燥機 NA-FW120V3(ほか4モデル)」、ルームエアコン エオリア Xシリーズです。ここでは、梅雨の季節で特に力を発揮する衣類乾燥除湿機を中心に紹介します。

  • 5月下旬発売予定の衣類乾燥除湿機「F-YHTX90」。パワフルながらコンパクトな本体サイズが特徴

梅雨だけじゃない、一年中強力除湿するハイブリッド除湿機

パナソニックによると、梅雨の困りごと第1位は「洗濯物が乾かない、乾きが悪い」ことだそう。確かに、湿度が高い日の部屋干しはなかなか乾かず、その結果、部屋干し臭に悩まされることもあります。そんな場合に力を発揮するのが除湿機です。

最近は部屋全体を除湿するだけでなく、部屋干し衣類の乾燥補助をする除湿機が増えており、「衣類乾燥除湿機」などと呼ばれています。パナソニックが5月下旬に発売する「衣類乾燥除湿機 F-YHTX90」(以下、F-YHTX90)も、部屋の除湿と合わせて衣類乾燥にも対応した製品です。

  • 5月下旬発売予定の「衣類乾燥除湿機 F-YHTX90」。価格はオープンで、推定市場価格は55,000円前後(税別)です

  • 梅雨の困りごと第1位は「洗濯物が乾かない」。納得する人も多いのではないでしょうか

6畳の空間で室内干ししたときの室内湿度の変化と、衣類の残水率の変化を調べたところ(パナソニック調べ)、自然乾燥や風を当てただけの場合は、室内湿度が10時間たっても80%以上だったそうです。一般的に適切といわれる湿度は40~60%なので、80%はかなり湿度が高い状態。

こうなると、家具の裏や窓のまわりなどにカビの発生が心配です。また、室内干しした衣類は、除湿機を使わないと4時間たっても湿度が50%以上あり、雑菌繁殖による部屋干し臭が気になる状態でした。部屋干しにおける除湿機の有効性がよくわかる結果です。

  • 室内干ししたときの室内湿度の変化と、衣類の残水率の推移をグラフにしたもの。除湿機を使わないと、4時間たっても衣類が湿っている(50%以上)のがわかります

現在は多くのメーカーが衣類乾燥除湿機を発売していますが、F-YHTX90の特徴は2つ。ひとつは、除湿方式がハイブリッド方式であること。もうひとつは、コンパクトでシンプルな本体デザインです。

特に注目したいのが、ハイブリッド方式。一般的な除湿機は、大きくわけてコンプレッサー方式とデシカント方式のどちらかを採用しています。コンプレッサー方式は、空気中の水分をコンプレッサーで冷やして結露させ、「湿気」を「水」に変えてタンクに溜める除湿方法。結露は温度差が大きいほど発生しやすいので、コンプレッサー方式は梅雨や夏などの暖かい時期に効率よく除湿できます。一方、寒い冬は除湿性能が落ちるというデメリットがあります。

もうひとつのデシカント方式は、デシカント素子に空気中の湿気を吸着させる除湿方式。吸着した水分をヒーターで蒸発させるので、コンプレッサー方式よりも消費電力が大きいというデメリットがあります。

パナソニックのハイブリッド式は、コンプレッサー方式とデシカント方式を融合したもの。気温に左右されず一年中効率的に除湿でき、さらに電気代もデシカント方式ほどかかりません。最近は花粉やpm2.5、黄砂といった問題から、梅雨の時期以外でも洗濯物を部屋干しする人が増えています。梅雨に限らず、常に衣類乾燥を助けてくれる製品は魅力的です。

  • 気温が高い場合はコンプレッサー方式、低くなるとデシカント方式を組み合わせることで、除湿効率とランニングコストを改善しています

パナソニックは、ハイブリッド方式の衣類乾燥除湿機をすでに2モデル発売していますが、今回のF-YHTX90との違いは本体サイズ。たとえば、1回で約4.5人分の洗濯物を乾燥できるというフラッグシップモデル「F-YHTX200」の本体サイズは幅378×奥行き296×高さ662mm、約4人分の洗濯物に対応するミドルモデル「F-YHTX120」は幅370×奥行き225×高さ580mmと、なかなか存在感のある大きさです。

新製品のF-YHTX90は、対応する洗濯物の量は1回約2.5人分ながら、本体サイズは幅470×奥行き250×高さ335mmと比較的コンパクト。高さを抑えたデザインなので、洗濯物の下に本体を置いて乾燥させられる点も特徴です。

  • F-YHTX90は高さが33.5cmと低いので、今までの製品では難しかった「洗濯物の下に本体を設置」も可能。部屋干し乾燥中、ジャマになりません

  • 右から、フラッグシップモデルのF-YHTX200、ミドルモデルのF-YHTX120、新製品のF-YHTX90。大きさがかなり違います

また、パナソニックらしい機能として、F-YHTX90は雑菌の抑制や除臭に効果を発揮するナノイーX機能を搭載。頻繁には洗えない衣類の除菌や、花粉・ニオイケアとしても利用できるとしています。

  • 衣類乾燥だけではなく、部屋全体を除湿する「除湿」モードや、ナノイーXによって衣類や寝具の除臭などができる「ケア」モードなどを備えています

洗濯機やエアコンはカビなどのメンテナンスがしやすい製品を

今回のセミナーでは衣類乾燥除湿機のほか、7月発売の縦型洗濯機 NA-FW120V3や、エアコン エオリアXシリーズについての説明もありました。両製品で共通してアピールされたのは、梅雨時期で心配な「見えない位置に発生するカビ」のケアがしやすいという点です。

  • 洗濯容量12kg、乾燥容量6kgの縦型洗濯乾燥機 NA-FW120V3。7月20日発売で価格はオープン、推定市場価格は230,000円前後(税別)です

  • すでに発売済みのルームエアコンエオリア Xシリーズ。価格はオープン、実勢価格は260,000円前後~410,000円前後(税別)

たとえば、縦型洗濯機は目に見えない洗濯槽の裏側でカビが心配。NA-FW120V3は、洗濯槽のお手入れが必要なタイミングになったとき、「槽洗浄サイン」が点灯して知らせてくれます。また、面白い機能として「サッと槽すすぎ」コースがあり、強力かくはんと大水流シャワーで槽内を水ですすぐ機能です。汚れた洗濯物を洗ったあと「ちょっと洗濯槽をキレイにしたい」といったタイミングで使うとよいですね。

  • 「槽洗浄サイン」が点灯したら、槽洗浄コースでお手入れをするタイミング。定期的なメンテナンスによって、洗濯槽の裏に発生するカビを抑えます

一方、エアコンは「熱交換器」に発生するカビについて。パナソニックによると、一般的なエアコンは、汚れが付きにくいコーティングを施した金属を裁断して、熱交換器の形に並べます。盲点は、裁断面はコーティングされていないこと。エアコン内部でカビが発生しやすいのも、熱交換器の金属パーツ断面だそうです。パナソニックのエオリアXシリーズは、裁断面までコーティングしているので、熱交換器が汚れにくいとしました。

  • 金属板が数mm単位でびっしりと並んでいる「熱交換器」。エアコンは、この金属の断面部分にカビが発生しやすいのです

  • コーティングあり(写真左側)となし(写真右側)の素材に赤い油を塗り、さらにホコリをくっつけた実験。コーティングのあるエリアは、なにもしなくても油を弾いているのがわかります

  • 上記の素材に、じょうろで水をかけたところ。軽く水を流しただけで、コーティングのある素材は油もホコリも流れているのがわかります