新型コロナウイルスで外出自粛が求められている昨今、私たちの行動にも家電量販店の営業スタイルにも大きな変化が生まれています。そうしたなかで、自宅にいながら買い物ができることで改めて注目されているのがオンラインショップです。そこで、ビックカメラのオンラインショップ「ビックカメラ.com」の最近の売れ行き動向について、同社に取材しました。

  • 外出自粛のムードを受け、街の実店舗よりもオンラインショップで購入する人が増えている。今回は、ビックカメラ.comでのフィットネス器具と調理家電の売れ筋を取材した。ちなみに、ビックカメラの実店舗は大半のお店で営業時間を短縮して営業している

今回スポットを当てたのは、巣ごもり特需でジャンル全体の売れ行きが伸びている「フィットネス器具」と「調理家電」です。同店でも、どちらのジャンルも3月前半までは緩やかに売り上げが伸びていたのが、3月末から緊急事態宣言が出された4月初旬あたりを境に急伸に転じたといいます。

一方で、在庫状況は多くのジャンルで不安定になっているため、人気を集めたモデルが売り切れて「次回入荷未定」となることもしばしば起きているそう。特定の製品が売れ筋のトレンドを作るのは難しい状況になっています。それを踏まえて、現在見えている情報を総合し、全体のトレンドを探っていきましょう。

※本文と画像で掲載している価格や在庫状況は、2020年5月4日13:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

フィットネス器具、トランポリンは人気で品切れに

フィットネス器具は、自宅で手軽かつ安心して使えるアイテムに人気が集中しているようです。

「テレビを見ながらや仕事をしながら、ちょっとした隙間にトレーニングできるアイテムが人気です。また、振動音を和らげつつ硬い床から身体を守れるヨガマットのように、近隣や自分自身にやさしいサポートアイテムも売れています」(ビックカメラ広報・IR部)

  • 「フィットネス・トレーニング」の人気売れ筋ランキング

取材時に特に売れ行きが伸びていたのは、次の7品目でした。

  • ダンベル(1kg~2kg)
  • 腹筋ローラー
  • 縄跳び
  • トレーニングチューブ
  • トランポリン
  • ヨガマット(トレーニングマット)
  • 筋膜ローラー

ダンベルや腹筋ローラー、トレーニングチューブ、縄跳びなどは家庭でできる運動器具の典型例といえるでしょう。従来から定番化しているアイテムだけあって、ブランドを限定しなければ比較的入手しやすい状況が続いています。

取材時点で人気上位だった、ラ・ヴィの1kgダンベル「ノースリップダンベル 1kg」(税込み638円)や、腹筋ローラー「静ゴロー」(税込み1,070円)などは、執筆時点でも在庫がありました。

  • ラ・ヴィの1kgダンベル「ノースリップダンベル 1kg」

家庭用のトランポリンは、ラ・ヴィの「B-SANTE ダイエットステップ」(税込み5,470円)が注目を集めていましたが、執筆時点では次回入荷未定になっていました。購入を検討しているアイテムは、類似商品の在庫状況を含めて価格や在庫の動向を探り、品切れになりそうだったら早めに決断するのが良さそうです。

  • ラ・ヴィの家庭用トランポリン「B-SANTE ダイエットステップ」

前述のように、ヨガマット(トレーニングマット)は幅広い層に売れている様子がうかがえました。薄手の製品もありますが、やはり衝撃吸収性に優れた厚手のタイプほど売り切れが多発しているようです。取材時に人気トップだった「スーパーグリップ ヨガマット 6mm」(税込み1,620円)は、執筆時点で8mmモデルとともに多くのラインアップが次回入荷未定になっている一方で、4mm厚モデルはひと通り在庫がある状況でした。

  • ラ・ヴィの「スーパーグリップ ヨガマット 6mm」

調理家電は“SNS映え”も人気の要素に

調理家電はさらに在庫が不安定で、「売れている人気商品=在庫が薄く入荷が不安定」といった状況。ヒットモデルのピックアップも難しくなっていました。

「ご自宅での調理が楽しめるアイテムと、本格的な料理を楽しむためのアイテムに人気が集まっています。どちらのタイプでも、SNSで発信するのに向いている商品が注目される傾向は共通していますね」(ビックカメラ広報・IR部)

対面では知人に会いにくい状況が続いているからこそ、調理を楽しむと同時に、より“映え”が狙えるモデルがよく売れている様子です。それを踏まえて、取材時点でとくに売れ行きが伸びていた8品目を挙げてもらいました。

  • ホットプレート
  • ホームベーカリー
  • ハンドブレンダー
  • グリルパン
  • ホットサンドメーカー
  • ハンドミキサー
  • 精米機
  • たこ焼き器

さまざまな調理に使えるホットプレートと、本格的な調理と仕上がりの良さで注目を集めているホームベーカリーとハンドブレンダーがとくに注目を集めているようでした。

加えて、ホットサンドメーカーやたこ焼き器のように「自宅での調理が楽しめるアイテム」や、ハンドブレンダーやハンドミキサー、精米機のような「本格的な料理を楽しむためのアイテム」が売れていて、やはり人気上位の製品は品薄傾向が見てとれました。

  • ホットプレートの人気売れ筋ランキング。上位の製品は「次回入荷未定」が多くなっていた

  • ホームベーカリーの人気売れ筋ランキング。同じく「お取り寄せ」や「次回入荷未定」が多い

著者 : 古田雄介(ふるたゆうすけ)

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。