インターステラテクノロジズ(IST)は5月2日19時より、観測ロケット「MOMO5号機」の追加クラウドファンディングを開始した。同ロケットは本来、この日の打ち上げを予定していたが、地元自治体・北海道大樹町から延期要請を受け、これに応じる形で延期を決めていた。今回獲得した資金は、延期による損失の補填などに充てる。
同社が打ち上げの延期を発表したのは4月28日。経緯など詳細については過去記事を参照して欲しいが、この会見において、ISTの稲川貴大・代表取締役社長は、主要事業を止められたことによる苦しい経営環境を明かしていた。
なお今回の要請受諾に対する大樹町からの休業補償は無いとのこと。同社にとっては、収益を上げられる事業は今のところMOMOの打ち上げサービスしかないため、これが再開されなければ、損失が膨らむばかり。感染症の問題であるため、現時点で再開時期の見通しが全く立たないということも厳しいところだ。
この状況を乗り切るため、同社は延期決定からわずか4日でクラウドファンディングを開始。今回獲得した資金は、以下の用途に使うという。
- 企業活動自粛に伴う、休業補償、経営資金の補填
- ロケットの開発、打ち上げ準備費用
- 感染症対策の強化、来町自粛PRのため
目標金額は900万円に設定されていたが、この金額はわずか10時間足らずで達成。その後も支援は順調に集まり続け、5月4日朝には2000万円を突破した。5号機は前回のクラウドファンディングですでに1000万円超を獲得していたため、合計で3000万円以上を獲得したロケットということになる。
稲川社長は、「多くの応援の声と支援を頂いて力強く思っている。大樹町関係者もクラウドファンディングの動向を注意深く見ているようで、支援の可視化によって前進することがあると思う」と、大きな反響に対し感謝を述べた。
今回のクラウドファンディングのプランは5000円(報告書)から。ネーミングライツ(1000万円)や、稲川社長によるオンライン講演会(60万円)などのプランまで用意されているほか、今後も追加していく予定だという。募集期間は5月末まで。