スマホで使える新しい交通系IC「モバイルPASMO」が3月18日にスタートしました。当初はAndroidスマートフォン向けのみに提供されていましたが、10月6日にiPhoneやApple Watchでも「Apple PayのPASMO」が利用できるようになりました。
従来のICカードと同じようにPASMO・Suica対応エリアで使えるほか、これまでSuicaでは利用できなかった、私鉄のみの定期券やバス定期券もアプリ上で買える点が特徴です(モバイルPASMOのはじめ方はこちら)。
今回は、スマートフォンを中心にIT分野で活躍するライター・石井徹氏に、私鉄・バスで「スマホで定期」する方法や、一部機種で対応しているモバイルSuicaとの併用の仕方を教えていただきました。
※本記事に関する取材は、4月7日の緊急事態宣言が出される前に行われています。
鉄道・バス定期券は簡単に買える
モバイルPASMOでは、鉄道とバスの定期券を1枚ずつ購入できます。従来のカード型PASMOと同様に、定期券区間は乗り放題となり、区間外乗車はチャージ分から差し引かれます。
すでにモバイルPASMOでクレジットカードを登録まで済ませているなら、定期券の購入に手間はかかりません。鉄道定期券の場合、購入する鉄道会社を選び、経路を検索して、購入するという流れになります。
鉄道では、以下の事業者の定期券をモバイルPASMOから購入可能。これらの事業者を乗車駅に設定すれば、JR東日本などの路線を含む経路の定期券も購入できます。さらに、京王電鉄の「どっちーも」や西武新宿線の「Oneだぶる♪」のように、2つの通勤経路を選べる定期券や、東京メトロの全線定期のような特殊な定期券も買えます。いずれも継続購入はアプリ内から新規購入時と同じ手順で行えます。
なお、アプリで希望の経路が表示されない場合、モバイルPASMO サポートサイト上の申請フォームから申請する必要があります。
【モバイルPASMO 鉄道定期券対応事業者】
- 小田急電鉄
- 京王電鉄
- 京成電鉄
- 京浜急行電鉄
- 埼玉高速鉄道
- 相模鉄道
- 首都圏新都市鉄道(つくばエクスプレス)
- 新京成電鉄
- 西武鉄道
- 千葉都市モノレール
- 東急電鉄
- 東京メトロ
- 東京都交通局(都営地下鉄、都電、日暮里- 舎人ライナー)
- 東武鉄道
- 北総鉄道
- ゆりかもめ
- 横浜高速鉄道(みなとみらい線)
- 横浜市交通局
- 横浜シーサイドライン
バス定期券は以下の事業者に対応。バスの定期券がスマホで購入できるのは、モバイルPASMOならではの特長です。
【モバイルPASMO バス定期券対応事業者】
- 江ノ電バス
- 小田急バス
- 川崎市交通局
- 川崎鶴見臨港バス
- 関東バス
- 京王バス
- 京成バス・京成タウンバス
- 西武バス
- 相鉄バス
- 立川バス
- 東急バス
- 東京都交通局
- 東洋バス・千葉シーサイドバス
- 西東京バス
- 日立自動車交通
- 横浜市交通局
これまでのバス事業者のIC定期券は、窓口で購入してICカードやモバイルSuicaなどに登録する仕組みでした。この方式では券面には何も表示されず、カードに記録も残りませんでしたが、モバイルPASMOではアプリ上で有効期間や路線を確認できます。
通学定期は18歳以上の大学生・専門学校生向け
モバイルPASMOでは通学定期券は購入の条件が限定されています。「大学・専門学校相当の学校に在籍」かつ「18歳で迎える4月1日以降」の場合に購入できます。
通学定期券の購入時は、書類での手続きが必要です。モバイルPASMOの会員メニューサイトから専用の申請用紙をダウンロードして、通学証明書や学生書のとともにサポートセンターに送付し、サポートセンターから確認メールが届いたらアプリで購入できるようになります。
残額・定期券の払い戻しはアプリ上で行う
モバイルPASMOは払い戻し手順もシンプル。アプリ上で払い戻しの手続きができます。払い戻しをすると、チャージされている残額から手数料210円が引かれた上で、手続きにて指定した銀行口座に振り込まれます。
また、定期券の払い戻しも可能です。払い戻しで返ってくる金額は鉄道・バス事業者が定めた規則に準じており、たとえば東京メトロでは「使用した月数分の定期運賃+手数料220円」を引いた額が払い戻されます。払い戻しはクレジットカードの請求を差し引くかたち(引き落とし済みの場合は返金)で、払い戻される金額は手続き時に確認できます。