切符や定期券の代わりに使える交通系ICカードは、全国で9種類が展開されています。そのうちJR東日本の「Suica」は、携帯機器向けサービス「モバイルSuica」がFeliCa対応端末で利用できることから、スマートフォンを通勤・通学定期としている人が少なくありません。

しかし、都度乗車を除けば、モバイルSuicaで利用できるのはJR東日本線との連絡定期券のみ。乗り降りする駅にJR東日本の駅が含まれれば発行可能ですが、私鉄だけの定期券とか、私鉄+JR東日本線+私鉄のような乗り換えパターンの定期券はモバイルSuicaでは扱えないため、私鉄沿線住民はスマートフォンを定期券代わりに使うことはできませんでした。

2020年春からサービスが開始される「モバイルPASMO」は、この問題を解消してくれます。サービス開始後は「モバイルPASMO」アプリをインストールしたスマートフォンがあれば、定期区間の鉄道/バスに乗車できます。チャージは24時間いつでもOK、定期券を購入/更新するため窓口に並ぶ必要はありません。電子マネーとしても利用できます。

具体的なサービス開始日や対応機種は3月初旬に発表される予定ですが、当初サポートされるのは「購入時にAndroid OS 6.0以上がインストールされたおサイフケータイ対応端末」であることが明らかにされています。ということは、海外メーカーのSIMフリー端末などおサイフケータイ非対応のスマートフォンは、Androidであっても利用できません。おサイフケータイ対応であっても、Android 6.0にアップデートできない端末はモバイルPASMOアプリをインストールできないため対象外です。

クレジットカードの要不要については発表されていませんが、私鉄駅の多くにはチャージ機能を備えた券売機が用意されていることからすると、現金チャージに対応する可能性は高いといえそうです。まずは、おサイフケータイに対応したAndroid 6以降の端末を用意するところから始めましょう。

  • 私鉄沿線在住ですが、春から「スマホで定期」するのに必要なものは

    「モバイルPASMO」はAndroid端末からスタートします