3月27日の5Gサービスのスタートにあわせて、ソフトバンクからスマートフォン「AQUOS R5G」が発売されました。シャープのフラッグシップモデルである「AQUOS R」シリーズで、初の5G対応モデル。背面には4つのカメラを搭載し、8Kでの動画撮影が可能です。今回いち早くテストするチャンスを得たので、ソフトバンクの5Gサービスも含めて、その実力をチェックしました。
AQUOS R5Gのスペック
ソフトバンクでは5Gのスタートにあわせて、4つの対応スマートフォンを発表しています。「AQUOS R5G」はそのなかでもハイエンドに位置づけられるモデルで、チップセットには5G対応のオクタコアプロセッサー、クアルコム製Snapdragon 865を採用。メモリーはROM256GB/RAM12GBで、最大1TBまでのmicroSDXCカードにも対応するほか、バッテリー容量も3730mAhと、余裕のあるスペックです。
サイズは約高さ162×幅75×厚さ8.9mm、重さ約189g。5G対応のためそれなりの大きさ、重さを覚悟していましたが、手に持った印象は「AQUOS R」シリーズの前モデル「AQUOS R3」とほとんど変わりません。
省電力かつ日光下でも見やすいPro IGZOディスプレイ搭載
ディスプレイには、約6.5インチQHD+(3,168×1,440ドット)のPro IGZOディスプレイを搭載。ディスプレイ上部の水滴型のノッチには約1640万画素のフロントカメラ、また下部にもノッチがありホームキーとしても使える指紋センサーが配置されています。生体認証は指紋認証と顔認証のダブル。マスクをしていても指紋で簡単にロックを解除できます。
Pro IGZOディスプレイは「AQUOS R3」から採用されているもので、なんと10億色もの色表現が可能とのこと。実際に解像度の高い動画や写真を表示してみましたが、細部まで色が鮮明でくっきりと見える表現力には、目を見張るものがあります。
ちなみに、IGZOとはシャープが開発した半導体技術で、IGZOを用いたディスプレイには明るく高精細なのに、低消費電力という特徴があります。これが「シャープのスマホは電池持ちがいい」と言われる理由のひとつ。たとえばPro IGZOディスプレイでは、画面を書き換えるリフレッシュレートが120Hzと高く、高速に画面が切り替わるゲームなどもなめらかに表示できる一方で、画面が動いていないときは自動車のアイドリングストップのように、リフレッシュレートを抑えて省エネを実現する仕組みになっています。
「AQUOS R5G」では、さらにバックライトの効率化によって、明るさが前モデルよりアップしているだけでなく、周囲の環境にあわせてバックライトを制御し、明るさや色合いを自動調整する機能が備わっています。実際にうす暗い室内や、屋外の強い日差しのもとでチェックしてみましたが、暗い場所で明るすぎないのはもちろん、日光の下でも文字などをしっかり読み取ることができました。これなら真夏の太陽の下でも、画面を手で覆う必要はなさそうです。
ワイドに撮ってあとからズーム再生で8Kの高精細さを実感
背面には約1220万画素の標準、望遠、約4800万画素の超広角と、被写界深度を測るToFの4つのカメラを搭載。このうち約4800万画素の超広角カメラを使って、8Kの動画撮影を実現しています。
実際に8K動画を撮影してみましたが、残念ながら筆者は8Kテレビを所有しておらず、大画面に投影してその細部をチェックすることはかないませんでした。ただし8Kはさすがに高精細で、その一部分をアップにしても十分に見られる画質であることは、搭載されている「フォーカス再生」機能で確認できました。
「フォーカス再生」は撮影した8K動画をAIが解析し、ここぞという場面で自動的に被写体をアップにして再生してくれる機能。とりあえずワイド固定で撮影しておけば、あとから被写体に寄ったり引いたりした動画を楽しめるというものです。
高精細な8Kならではのおもしろい機能ですが、残念なのはこの機能が「AQUOS R5G」上でしか楽しめない点。再生した通りに自動編集してシェアできるなどの機能があれば8K動画がより手軽に楽しめると思うので、ぜひアップデートに期待したいところです。