住友化学は、韓国にある100%子会社である東友ファインケム(Dongwoo Fine Chem)で、東京応化は韓国仁川(インチョン)工場でそれぞれ韓国半導体メーカー向けにフォトレジストの生産を行っているが、最近、韓国の一部のメディアが、JSRも韓国でフォトレジスト製造する方向で検討を行っていると報じた。

韓国メディアによると、JSRはフォトレジスト製品をSamsung Electronicsに供給するために、すでに同社のディスプレイ材料工場がある清原(オチャン)に新しい半導体材料の生産ラインの建設を検討しているという。JSRはすでにその旨をSamsungに通知したとも報じられている。JSRは現在、主流のArFレジストだけではなく、最先端デバイス向けEUVレジストもSamsungに出荷している。

Samsungは、日本政府の半導体・FPD向け素材の輸出管理規制が強化された2019年7月以降、日本の素材メーカーに対して韓国内で製造するように要請しているといわれている。韓国の半導体およびディスプレイ企業は、日本の製品に代わる主要材料の国産化(日本企業の誘致を含む)に韓国政府の支援を受けて進めている。昭和電工との合弁特殊ガス製造メーカーである韓SK Showa Denkoを傘下に抱える韓SK Materialsは、今まで韓国内では製造されていなかった高純度フッ化水素ガスの製造ラインを新設して、年内にサンプル出荷を開始し、2020年には量産を始める計画としている。

SEMIがJSR会長を表彰

国際半導体製造装置材料協会(SEMI)は12月2日(米国時間)、ボブ・グラハム記念SEMIセールス・アンド・マーケティング・エクセレンス賞(SEMI Sales and Marketing Excellence Award, inspired by Bob Graham)の2019年度受賞者に、JSRの代表取締役会長の小柴満信氏を選出したと発表した。

JSRが半導体業界において重要な複数世代のフォトレジスト開発をけん引し、市場に投入した功績が認められたものである。表彰式は、12月11日~13日にかけて東京で開催されるSEMICON Japanで行われる。

なお、SEMIによると、JSRの小柴会長は、193nmドライレジスト、193nm液浸レジストおよびEUVレジストといういずれも半導体業界の微細化推進にとって極めて重要な技術に重点を置き、開発を加速したという。