米Appleが10月30日 (現地時間)に発表した同社の2019年度第4四半期 (2019年7月~9月)決算は増収減益だった。iPhoneの減速が続くが、サービスやウェアラブル、iPadの大きな伸びによって9月期としては過去最高の売上高を記録。売上高・1株利益ともアナリストの予想平均を上回った。

7〜9月期の売上高は前年同期比2%増の640億4000万ドル。純利益は同3%減の136億8600万ドルだった。希薄化後の1株あたり利益は3.03ドル。市場予想の平均は、売上高629億9000万ドル、1株利益2.84ドルだった。

  • Apple Arcade

    9月19日に始まったサブスクリプション型の新ゲームサービス「Apple Arcade」

9月期にAppleは、7月にMacBook AirとMacBook Proをアップデート、8月にARを用いたToday at Appleセッションをスタート、米国でApple Cardの提供を開始した。9月に日本最大の直営店「Apple丸の内」をオープン。秋のスペシャルイベントを開催し、「iPhone 11」「iPhone 11 Pro」シリーズ、「Apple Watch Series 5」、第7世代「iPad」などを発表、ゲームサービス「Apple Arcade」を開始した。以下は9月期の各製品カテゴリーの売上高(増減は前年同期比)。

  • iPhone:売上高333億6200万ドル (9%減)
  • Mac:売上高69億9100万ドル (5%減)
  • iPad:売上高46億5600万ドル (17%増)
  • ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高65億2000万ドル (54%増)
  • サービス:売上高125億1100万ドル (18%増)

iPhoneは減速ペースが6月期の12%減から9%減に改善し、売上高がアナリストの予測を上回った。iPhone 11とiPhone 11 Proシリーズで減速に歯止めがかかるかが10〜12月期の注目点の1つになる。9月期の売上高全体に占めるiPhone売上高の割合は52%だった。

ウェアラブル/Home/アクセサリは、6月期が48%増、9月期が54%増。9月のApple Watch Series 5に続いて、10月末にAirPods Proを発売しており、このペースの成長がホリデーシーズンも続くと12月期には売上高がMacを上回り、サービスに続いて100億ドル台に到達する可能性がある。サービスは過去最高の売上高。11月1日に「Apple TV+」がスタートする。

2019年10〜12月期の売上高については855億〜895億ドルという見通しを示した。アナリストの予想平均は869億ドルだった。