東京ゲームショウ2019の会場では、オーバークロッカー向けのグラフィックスカードやメモリが人気のGalaxy Microsystemsが展示ブースを構えていた。

今回のブースは、玄人志向が展開するPCパーツブランド「GALAKURO GAMING」との共同出展というかたちだ。オーバークロッカー「duck」氏による液体窒素冷却のオーバークロック実演や、女性ゲーマー、ストリーマー、グラビアアイドルを招いたゲーム大会などで盛り上がっていた。透過液晶ディスプレイを側面に用いたMOD PCや、各種OCメモリのほか、アパレルなどが展示されていた。

  • 東京ゲームショウ2019に出展したGalaxy Microsystems

  • 透過液晶ディスプレイを側面に用いたMOD PC

さて、ここまでがゲームショウにおけるGalaxy Microsystemsブースの内容。実はゲームショウ開催日とかぶる9月14日、この裏で「HOF EXPO 2019」というユーザーイベントが開催されていた。会場は幕張メッセからもほど近い某イベントホール。招待制で約100人が集まった。

Galaxy Microsystemsに関する自作PC系のイベントなのだが、このイベントで面白いのは、Galaxy Microsystemsやその代理店らが主導したわけではないところ。あくまでユーザーの手による、Galaxy Microsystemsのファンイベントだったのだ。

イベントの責任者は前出のduck氏とも親交のある「M8」氏、「えがお」氏、「かのう」氏など、有名PC Modderを中心とした数名というメンツだ。Galaxy Microsystemsの製品は、メインストリーム向けのものもあるが、オーバークロッカー向けなどややニッチなものが特に人気で、それだけにディープなファンを多く抱えている。当日はGalaxy Microsystemsの本社からもCEOをはじめとした重役が来日して駆け付けた。ファン主導ということでメーカーの垣根を超え、Galaxy Microsystems以外のメーカー担当者が参加している姿も見られた。

  • この日のために、Galaxy MicrosystemsのCEOも来日

  • ゲームショウの裏で、自作PCに関わる多くのメーカーやショップ担当が集まってしまった

イベントではGalaxy Microsystemsの歴代オーバークロックメモリやMOD PCの展示に加え、本格水冷PCの組み立て実演、液体窒素オーバークロックの実演、ゲーマーでアイドルの「逢坂愛」さんやイラストレーターの「みんひろ」さんのサイン会などが催された。

  • 10台以上のMOD PC、カスタムPCがずらり並んだ

  • 本格水冷の組み立て実演。わずか数時間でウォーターチューブの配線からLEDまで

  • 逢坂愛さん、みんひろさんのサイン付きで台風被害にあった千葉県へのチャリティーオークション

  • duck氏のオーバークロックや、液体窒素冷却の実演

  • オーバークロック実演に用いられていたこのマザーボード、実は未発売のASUSTeK「ROG Crosshair VIII Impact」。AMD X570チップセットをベースにオーバークロックに特化したモデルだ

参加者が液体窒素冷却オーバークロックでduck氏の記録にチャレンジする企画も。記録にチャレンジと言ってもガチ記録に太刀打ちするのは容易ではない。duck氏があらかじめ「ギリギリ超えられるのではないか」というクロックで取得したCINEBENCH R15のCPUスコアがリファレンスだ。リファレンススコアはCore i9-9900KFを全コア5GHzで回した「2250cb」。CINEBENCH R15はとくにOC状態では数回計測時にまれにスコアが跳ね上がることがあるが、これに当たれば十分に超えられるとのduck氏の見積もりだ。

  • duck氏のリファレンススコアは2250cb

ところが、惜しいところまで行くがなかなかこのスコアを超えられない。一般参加者も、そして各メーカー担当も乱入したがムリだった。原因はおそらく過冷却で、長時間液体窒素で冷却しつづけたため、「マザーボードのVRM部分が冷えすぎたのではないか」というのがduck氏の分析だった。

  • 惜しいところのスコアまでは行くが、2250cbの壁は高い

  • 各メーカー担当も総力戦で……

  • ラチがあかないので最終的にはコレ。5302cb……ちがう!これはXeon W-3175Xのスコアだ!もうやりたい放題

最後に、展示のなかから気になるPCをピックアップしてみた。PCを組む際の参考にしてみてはいかがだろうか。

  • かのう氏制作の超小型PC。IN WINの「A1」Mini-ITX用ケースをベースにCPUもビデオカードも本格水冷。ラジエータの幅はもちろんチューブの取り回しもギリギリ。よほどのMODDERでもこのケースでW本格水冷を組もうとは思わないだろう

  • 比較的大型のものが多いGalaxy Microsystemsのビデオカードを小型PCに収めたくなるのは何故だ!

  • 「みらべる」氏制作のオープンフレームMini-ITX。日本ではまだ未発売のMini-ITX用オープンフレームケース「Hydra Mini」。これをDIYで再現してしまったと言う。SFX電源までのところをATX電源が搭載できるよう設計するなどこだわりも。ケーブル配線スペースが皆無とのことで、一部ケーブルは短い専用のものを自作したと言う

  • えがお氏がAntec torqueをベースに制作したHOF PC。元々インパクトのあるケースだが、ホワイトでまとめてLEDも映える

  • かのう氏が逢坂愛さん用に組み立てたというオリジナルPC

  • 白をベースに水色の冷却液で逢坂愛さんも絶賛