メインストリーム寄りでバランスのよいスペック

ZenBook 15のインターフェースを見ていこう。まず左側面は中央寄りにインターフェースを集め、奥側からUSB Type-A、オーディオ入出力。右側面は奥側からDC入力ジャック、HDMI、USB Type-A、USB 3.1 Gen2 Type-C、カードリーダーがある。USB Type-Aは片方が3.1 Gen2対応、もう一つが3.0対応だ。インターフェースの種類自体は少なめで、USBも多いほうではないが、Type-C対応のUSBメモリや周辺機器が増えてきているので足りなければここを活用したい。

  • 左側面にはUSB Type-Aとオーディオ入出力

  • 右側面にはDC入力ジャック、HDMI、USB Type-A、USB Tyoe-C、カードリーダー

続いて内部のスペック。ZenBook 15は高性能でも比較的マイルドな構成で、コストバランスを調整した印象を受ける。CPUはIntel Core i7-8565U。4コア8スレッドに対応しており、メインストリームとしては十分に高性能だ。TDPが15Wと低いところはスリムな筐体と相性がよい。これに16GBのメインメモリを搭載しており、普段遣いでは快適なパフォーマンスを実現している。

  • TDPが15Wの4コア8スレッドCPU「Intel Core i7-8565U」を搭載

GPUはNVIDIA GeForce GTX 1650。GeForce GTX 1050の後継GPUとなる、ゲーム向けではエントリーグレードとなるGPUだ。兄弟モデルのZenBook 14では主に2D向けのGeForce MX250が搭載されており、それと比べるとGPU性能は引き上げられている。CPU側のGPU機能と切り替えができ、バッテリー駆動時やブラウザなどの軽作業では統合GPU側を、3DゲームなどではGeForce GTX 1650側をと自動的に切り替える。

  • GeForce GTX 1650を搭載。CPUに内蔵されたIntel UHD Graphics 620も利用できる

SSDはIntel 660p 512GB(SSDPEKNW512G8)が搭載されていた。PCI Express 3.0 x4接続でNVMeに対応している。512GBなのでホーム用途のメインドライブとしては余裕がある方だろう。転送速度に関しては、HDDはもちろんSATA接続のSSDと比べても格段に速く、シーケンシャルリードは1.8GB/s程度を確認できた。普段遣いでは十分なパフォーマンスだろう。ただし、NVMe対応M.2 SSDのなかでは飛び抜けて速いわけではなく、そこそこ、といったところ。

  • 評価機はIntel SSD 660p 512GBを搭載していた

  • シーケンシャルリードは1.8GB/s、同ライトは約1GB/s前後

ACアダプタの容量は120W。GeForce GTX 1650を搭載していることもあり100Wを超え、ACアダプタもモバイル用のものとしては大きめだ。

  • 120WのACアダプタが付属。ACアダプタにしては少し凝ったデザイン

カジュアルゲームまでいける一つ上のパフォーマンス

今度はZenBook 15 UX534FTのパフォーマンスをベンチマークで検証した。

CINEBENCH R20では、CPUが1555、CPU(Single Core)が418。TDP 15Wの低消費電力向けだがクアッドコアCPUのため、CPU側のスコアはデュアルコアCPUのモデルよりも高い。CPU(Single Core)も400台なので十分なスコアだ。

  • CPUは1555、CPU(Single Core)は418

PCMark 10から見たアプリケーション性能では、ホーム向けシナリオのEssentialsが9127、オフィス向けシナリオのProductivityが7184、クリエイター向けシナリオのDigital Content Creationが4780、Gamingが5409だった。Essentialsが非常に高いが、そのほかもバランスのよいスコアだ。

  • Essentialsは9127、Productivityは7184、Digital Content Creationは4780、Gamingは5409

3DMarkでは、Fire Strikeが6797、Time Spyが2990。GeForce GTX 1650なりのスコアで、3Dゲームを遊ぶ際には1920×1080ドットで表示して、画質に関しては標準~高画質で設定するとちょうどよいのではないだろうか。

  • Fire Strikeは6797ポイント

  • Time Spyは2990ポイント

ゲームタイトルで見ると、まずWorld of Tanks Encoreの超高プリセット設定で10092ポイント(評価:素晴らしい結果)。ドラゴンクエストX ベンチマークソフトも1920×1080ドット最高品質で17467(評価:すごく快適)。ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークも1920×1080ドット最高品質で7892(評価:非常に快適)だった。負荷の軽いゲームに関しては、このように最高画質でも十分に快適なプレイが望める。

  • World Of Tanksのベンチマーク「Encore」では超高品質で「素晴らしい結果」という評価が得られた

  • ドラゴンクエストXのベンチマークでは1920×1080ドット最高品質で「すごく快適」評価

  • ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークも1920×1080ドット最高品質で「非常に快適」評価

少し負荷の高いFar Cry 5を試したところ、1920×1080ドット中画質設定で50fps前後。安定して30fps超を出しているためプレイ自体は可能だが、60fpsを満たしたいという方は1280×720ドットに落としたほうがよい。本製品がゲーミングノートPCではないため、そこまで高望みするものではないといったほうがよいだろう。カジュアルなプレイまでが守備範囲といった印象だ。

  • Far Cry 5の1920×1080ドット中画質で50fps

  • 同1280×720ドット最高画質は65fps

PCMark 10 BatteryのModern Officeで計測したバッテリー駆動時間は6時間18分。ディスプレイ輝度最大、電源オプションは標準とした場合の駆動時間だ。カタログスペックでは約9.4時間駆動だが、テストで計測したのはパフォーマンスをあまり落とさず輝度も落とさない実環境寄りのイメージだ。ちなみにバッテリーのライフサイクルについては、専用ユーティリティ「MyASUS」から充電モードを「バランス」(80%まで充電)や「マックスライフ」(60%まで充電)に設定することで延長できる。

  • 実環境に近い設定でのPCMark 10によるバッテリー駆動時間計測ではおよそ6時間18分

ScreenPad 2.0を目玉に、熟成された15型ノートに進化

まずZenBook 15は、高級機の側面を持っていたZenBook Pro 15と比べると、より多くの方が現実的に検討できるスペックと価格に調整された。ScreenPadの魅力、使い勝手のよさをより多くの方に触れてもらおうという考えがあるのだろう。

外観の見た目も大きく進化したところだ。大画面でコンパクトを実現する狭額縁ベゼルに、スリムな筐体デザインを組み合わせ、ASUS製ノート伝統の同心円状のヘアライン加工天板、そしてブルーのカラーリングもなかなか深みがあってよい。

ちなみに、ScreenPad 2.0をビジネス用途で使うならばメインディスプレイには作業中のウインドウを、サブディスプレイでは息抜きに音楽プレイヤーを起動させてヘッドホンに流しておけば、うまいこと上司の目をかいくぐることができそうな印象だ。もちろん、学生からすれば親の目も。