配列にクセがあるキーボード
キーボードはテンキーなしの日本語配列です。キーピッチは19mmと十分な広さですが、一部のキー配列に変則的なところがあります。普通に日本語の文章を書くにはあまり影響ないと思いますが、プログラムやスクリプトなどで「\(円記号)」や「\(バックスラッシュ)」、「_(アンダーバー)」を多用する使い方だと、ちょっととまどうかもしれません。
タイプ感はやや固めです。キーストロークは1.5mmで、押した瞬間に固めのクリック感がありました。入力時にキーの軸がブレるような感触があるものの、カチャカチャとした音はなくタイプ音は静かです。打ち下ろすように強く叩けばそれなりの音はしますが、全体的には静かなキーボードだといえるでしょう。
256段階の筆圧感に対応するペン入力
m-Book U400Sには、標準で手書き入力用のペンが付属します。ちょっとしたメモやイラスト制作に便利です。遅延はほんのわずかにあるものの、気になるほどではありませんでした。
ペンの筆圧感知は256段階です。他社製品の2in1 PCには、1,024段階や4,096段階の筆圧感に対応したモデルがあることを考えると、精度の面では若干劣るような気がします。しかし、手書きメモレベルなら256段階でも十分。微妙タッチが求められるイラスト制作には向きませんが、普段使いにはちょうどよく感じました。
顔認証と指紋認証に対応、SDカードには非対応
インタフェース類は十分な構成です。USB端子はType-C×2とType-A(フルサイズ)×1の合計3ポート。Type-C端子のうち、左側のひとつだけ充電とDsiplayPort出力に対応しています。45W(20V/2.25A)あれば本体の充電が可能とのことですが、手持ちのモバイルバッテリー(25W)では充電できませんでした。やはり出力の大きいUSB PD製品が必要なようです。
ひとつ注意したいのは、SDカードおよびmicroSDカードには非対応である点です。デジカメやAndroid端末などから、写真、動画、ファイルを転送するなら、USBケーブル経由(またはWi-Fi経由)で行う必要があります。
セキュリティ機能としてはTPM2.0のほかに、顔認証用の赤外線カメラや指紋センサーが用意されています。手軽なのは顔認証ですが、Webカメラ経由の盗み見などが不安なら、指紋センサーによる指紋認証を使うといいでしょう。どちらもパスワードやPINなどを入力することなく、Windows 10にサインインできるので非常に便利です。
見た目がよくて機能も豊富!
キーボードのキー配列やSDカード非対応である点はちょっと気になるものの、全体的な仕上がりはかなり良好です。外観はスリムで高級感があり、インタフェースやセキュリティ機能も充実。据え置き用にもモバイル用にも使える大きさと重さで、利用シーンを選びません。いろんな場面でPCを活用したい人におすすめします。
ということで、今回はm-Book U400Sの外観面や機能、使い勝手についてレビューしました。次回はパフォーマンスについて紹介します。
著者プロフィール
こまめブログ
PCレビューサイト「こまめブログ」のなかの人。元書籍・雑誌編集者で現在はフリーライターおよびブロガーとして活動中。趣味は市場調査の名目でゲームをプレーすること。
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