COMPUTEX会場には、さまざまなメーカーがPC電源ユニットを展示している。今回も大手メーカーを中心に製品を紹介。小型の80PLUS Titanium製品やファンレス製品など、2019年のトレンドを探る。

ASUS

2018年にROG-THORシリーズ(80PLUS PLATINUM、1200Wと850W)で電源に参入したASUSは、2019年も新製品を展示していた。「ROG STRIX GOLD」は、容量ラインナップが750Wと650W。先行するROG-THORよりもやや小容量寄りとなり、80PLUS GOLD認証として、ゲーミングのアッパーミドルをターゲットとしているようだ。

  • ASUS「ROG STRIX GOLD」

OLEDディスプレイはなくなったが、LEDライティングは健在で、サイドには大きなROGロゴがある。また、内部にはROG-THORで用いられていたようなアルミ削り出しヒートシンクや、日本メーカー製コンデンサが採用されていた。やや小ぶりになったことで部品の密度も高くなっている。ファンもハブを小径とすることでブレードを拡大し、風圧を高めたと言う。

  • 削り出しヒートシンクやハブを小径化した大風圧ファンなどが特徴

Cooler Master

Cooler Masterには、かなりユニークな製品が展示されていた。コンセプト製品で、まだ開発段階にあるものだが、「PROJEXT FANLESS」。ファンレス電源とのことだ。電源のコネクタ面には引き出しが1つ付いており、その横にはトレーとファンが展示されていた。

話を聞くと、80PLUS Platinum認証の製品で、ファンレス時には650W、ファンを搭載した場合には1000Wの出力が可能になるとのこと。そのファンは、同社製品でも市販されているほかのものでも、トレーに入れることで利用できるのだとか。コネクタ面側にトレーを引き出すため、PCを組んでしまうと着脱が難しいが、特性もさまざまな市販のファンを選べるというのはおもしろい。

  • トレー方式でファンを交換できる「PROJECT FANLESS」コンセプト

  • ファンレスにもなりファン交換にも対応するというこれまでにないスタイル

そのほかでは「V GOLD」が展示されていた。こちらの製品は販売が決定している。人気の高かったV Semiシリーズの後継として、セミファンレス機能を備えた80PLUS Gold認証電源だ。セミファンレス機能では、背面にボタンを設けてON/OFFを選ぶことが可能。13.5cm角FDBファンの搭載なども特徴としている。そして、ホワイトモデルも展示されていた。こちらはコネクタこそ黒だが、ケーブルもホワイトのメッシュ仕様だった(ブラックモデルはフラットケーブルで展示されていた)。

  • V GOLDのブラックモデルとホワイトモデル

Corsair

CorsairはRMシリーズを展示。RMシリーズは以前も展開されていたので、今回の製品には「(2019)」などが付くのではないだろうか。あまり情報量は多くなく、80PLUS Gold認証であること、フルプラグイン方式で135mm角ファンを採用し奥行き16cmなど外観が現行RMxシリーズに近いデザインであること、Zero RPMファンモードなど機能面も概ね同じであること、日本メーカー製コンデンサを採用していることなど。展示されていたのはRM650、RM750、RM850の3モデルで、+12Vはシングルレールだ。

  • 詳細は不明だが、Corsairは新しいRMシリーズを展示

  • 外観はRMxシリーズにそっくりだ

Enermax

EnermaxはRGBファン搭載モデル「Revolution RGB」を展示していた。80PLUS Gold認証のフルプラグイン方式で、出力は650/750/850Wの3モデル。RGB LEDは側面とファンの2カ所。ホワイトモデルの展示もあった。

  • Enermaxの光る電源「Revolution RGB」のブラックモデル、ホワイトモデル。見切れているが、同社では簡易水冷などにもホワイトモデルを展示していた

そのほか、80PLUS Gold認証電源「MAXREVO 1800W」の展示もあった。これは230V地域向けで、定格1800W、ピーク1900Wという出力を1台で実現する。仮に国内の100Vコンセントに接続しても1800Wの出力は得られない。

  • 1800Wを許容できるATX電源のサイズ内で実現した「MAXREVO 1800W」

なお、搭載する135mm角ファンは2ボールベアリング仕様で最大3200rpm。通常はファン回転数制御が効くが、これを全開で回すボタンが搭載されている。その風量・動作音はすさまじく、後部に置いた風車が勢いよく回りだすほどだ。このボタンを利用すれば、通常よりも10~15℃電源内部温度が下がり、50℃という主要部品に負担の少ない温度を維持できる。

  • 背面ボタンでファンを全開にできる「Turbo Switch」を搭載

FSP

FSPはさまざまな電源新製品を展示していた。まずインパクトあったのが「Hydro G PRO」。80PLUS Gold認証のHydro Gシリーズのバリエーションで、「OFF-Wet防潮技術」と題し、熱帯を模したショーケースの中での動作デモを行なっていた。これは基板上に防湿コーティングを施し、湿度95%という環境に耐えられるというものだ。

  • 防湿機能をアピールする「Hydro G Pro」

「Twins Pro」は、ATX電源サイズでリダンダント(冗長化)を可能とする製品。展示されていたのは900Wモデルだが、2基搭載されているユニットそれぞれが出力930Wとプリントされていた。ATXケースをベースに組むもノンストップを要求されるような用途でこうした製品が活躍するのだろう。

あらためて貼られたシールを見ると、ユニット側は+12Vと+5Vの表記しかなく、本体側には+3.3V表記(+5Vと合わせて最大130W)が見られた。ユニット側では+12/5Vのみ出力し、本体側で+3.3Vを生成するという意味だろうか。

  • ATX電源1台のサイズでリダンダントを実現。今年は出力900Wに向上して登場だ

「Hydro GS」は、これもHydro Gシリーズのバリエーションで、ケーブルを直付けとしてやや価格を抑えたモデルになる。もう一つ「SDA2-650」はSFX標準規格の80PLUS Gold認証650W出力モデル。

  • ケーブル直付けの「Hydro GS」

  • 650W出力のSFX電源「SDA2-650」。愛称は「DAGGER PRO」

Seasonic

Seasonicでは、SFX-L電源「STX-800」が展示されいていた。変換効率が高く発熱の少ない80PLUS Titanium認証電源で、出力が800WとゲーミングPCにも対応する大出力。もちろんフルプラグイン方式だ。

  • 80PLUS Titaniumで800WのSFX-L電源「STX-800」

ファンレス電源も2製品展示されており、1つは80PLUS Titanium認証の「TX-700」、もう1つは80PLUS Platinum認証の「PX-500」。ファンレスと言うと、ある程度寿命については妥協するところもあるのが通常だが、POPには12年間保証がうたわれていた。

  • ファンレスモデルも2モデル

Seasonicと言えば2018年に電源ケーブルのマネジメントシステムとして「System Cable Management Device (SCMD)」が展示していた。これは2019年も同様で、ケースに組み込んだ展示とともに、POPには「Connect」と題されPRIME GX-750(80PLUS Gold)とセットの写真がプリントされていた。展示デモのケースの形状も変更があり、SCMDとConnectに形状の違いはわからなかったが、製品化に向け一歩前進したのかもしれない。

  • SCMDはConnectに名称を改め、製品化に一歩近づいた!?

SilverStone

SilverStoneブースには、RGB LED搭載モデル「ET500-BARGB」、1000WのSFX-L電源「SX1000-LPT」が展示されていた。前者は80PLUS Gold認証モデルで、ケーブルは直付けの、比較的安価にライティングを楽しめる製品になりそうだ。後者は1000Wという大出力を80PLUS Titanium認証で実現しており、ハイエンドで小型のゲーミングPC自作で活躍しそうな製品だ。

  • 「ET500-BARGB」は、ケーブル直付けのRGB LED搭載モデル

  • SFX-Lで1000Wに到達した「SX1000-LPT」

2019年の電源の展示を総括すると、まず80PLUS Titaniumの製品がいくつか増えそうだ。それも熱が問題となりがちな小型製品や、SFXやSFX-L電源を中心に採用が進んだ印象がある。また、80PLUS Goldの製品も多かった。こちらは今現在、価格と性能のバランスがよくもっとも好まれるゾーンで、ユニークな特徴を持つ製品が見られた。

そしてRGB LED。これまでならチャレンジングなメーカーが中心となってRGB LED搭載電源がリリースされてきたが、2019年は老舗と言えるメーカーでも展示が見られた。まだRGB LEDに手を出していない超硬派なメーカーもあるが、「見た目を楽しむ」というトレンドが大手にも波及しはじめていることは間違いないと言えるだろう。