アンカー・ジャパンが6日、同社が取り扱う電源関連ブランド「Anker」、プロジェクターブランド「Nebula」、オーディオブランド「Soundcore」、ドライビングアクセサリーブランド「Roav」、ロボット掃除機ブランド「eufy」など、多岐にわたる各ブランドの新製品と、今後のビジネス戦略について記者説明会を開催しました。まずは今夏から秋にかけて各ブランドから発売される新製品を見ていきましょう。

小型なままパワフルに、AnkerのUSB急速充電器

Ankerブランドの新製品では、独自技術「PowerIQ 3.0」に対応するUSB急速充電器「Anker PowerPort Atom III」シリーズに要注目です。アンカーは昨年(2018年)11月、新しい半導体素材「GaN(窒化ガリウム)」を充電器関連の製品に採用することを発表しました。

窒化ガリウムは、通常の半導体に採用されているシリコンよりもエネルギー効率が高く、駆動時の発熱を低く抑えられる素材。小型でもハイパワーな充電器製品を作れるところにメリットがあります。今回の新製品は、Ankerとして2月にリリースしたUSB充電器「PD1」に続くGaN採用モデル。新素材に加えて、ICチップ制御により、接続した機器に最適なスピードで充電を行います。

  • 「Anker PowerPort Atom III」シリーズの新製品

新製品の「PowerPort Atom III 60W」は、同シリーズの30W対応モデルと同じサイズながら、最大出力60Wのハイパワーを実現。USB Type-Cを使えば、従来比で約2.5倍の高速充電を可能とします。iPhone XSはバッテリー残量ゼロ時から約30分で、50%になるそう。

ほかにも夏までに「PowerPort Atom III」の2口タイプや、スリムなポータブルタイプなども発売されます。いずれもUSB Type-C接続をサポートしたほか、USB PD対応としています。

  • PowerPort Atom III Slim

Android TV搭載、オールインワンプロジェクター

Nebulaからは、Android TVを搭載したオールインワンタイプのモバイルプロジェクター「Anker Nebula Capsule II」が6月7日に発売されます。価格は59,800円(税込)です。

  • Android TVを搭載したポータブルプロジェクター「Anker Nebula Capsule II」

サイズはW80×H150mm、重さは約740gで、茶筒のようなデザインの本体には、DLPプロジェクターとAndroid TVのエンターテインメントプラットフォームが載っています。Goolgeアシスタント対応のスマートスピーカー機能も詰め込みました。約3時間の連続動画再生を楽しめるバッテリーも内蔵しているので、家中どこにでも持ち運んで、自分だけのシアターを作れます。

  • 最大100インチの画面を投射可能です

画面の解像度は1,280×720ドット、明るさは200ルーメン。昼間の明るいリビングで使うには少し輝度が心もとないところもありますが、カーテンを閉めたり、夕方以降に使ったりすれば、映像の視認性は確保できそうです。

Android TVから、NetflixやAmazonの動画配信を利用できるだけでなく、HDMI入力も対応しているので、Blu-ray映画の鑑賞やPlayStation 4をつなぎ大画面でゲームを楽しむ用途でも使えそう。夢が広がります。本体には8W出力のアンプとスピーカーを内蔵。発表会では音出しデモを行っていなかったため、実力は確認できませんでしたが、パワフルな鳴りっぷりを期待したいところです。

ワイヤレス充電器内蔵のアラームクロックに着目

オーディオブランド「Soundcore」も新製品が目白押しでした。ワイヤレススピーカーで、アラーム機能を備えた「Wakey」は、Qi対応のスマホやワイヤレスイヤホンを充電できる機能を搭載しています。充電時の出力は最大10W。背面にはスマホなどの充電用に、2つのUSBポートも用意しました。インテリアにさりげなく馴染むデザインは、カラバリが4色。今夏に9,999円(税込)で発売を予定しています。

  • Qi規格に対応するワイヤレス充電機能を載せたスピーカー「Wakey」。アラームクロックとしても使えます

  • 4色とポップなカラバリをそろえます

このほか、「Zolo Liberty」シリーズから、イヤホン単体で約8時間の連続再生を実現した完全ワイヤレスイヤホン「Liberty」が今夏に8,999円(税込)で登場予定。完全ワイヤレスイヤホンとして、8月に発売予定のイヤーフックタイプ「Spirit X2」も参考展示されていました。価格は未定。音声コーデックはaptX対応で、IP68の防水性能にも注目です。

  • 完全ワイヤレスイヤホン「Liberty」

  • イヤーフックタイプの完全ワイヤレスイヤホン「Spirit X2」

シガーソケットに装着、愛車を手軽にスマート化

「Roav Bolt」は、自動車のシガーソケットに装着する車載用Googleアシスタント対応アダプター。音声によるナビゲーションやスマホに届いた通知の読み上げなどが車で利用できるようになります。2019年内に1万円前後での販売を予定します。

  • あらゆる自動車をGoogleアシスタント対応にできる「Roav Bolt」

本体には2基のマイクを内蔵。ただしGoogleアシスタントの音声操作は、Bluetoothでペアリングしたスマホに対して行う形になります。音声は、車載オーディオシステムから出力されます。

これといった用途もなく、もてあましているシガーソケットを活用できることや、中古車を手軽にスマート化できるアクセサリーとしての魅力をアンカーは訴求する考え。本機にはUSB充電ポート×2も備えているので、ペアリングしたスマホの充電も可能です。

マッピング機能を強化したロボット掃除機

eufyからはシリーズで初めて、位置情報を認識・把握するためのシステム「SLAM」を搭載したロボット掃除機「RovoVac L70 Hybrid」が登場しました。独自のiPathナビゲーションにより、部屋の隅々まで効率よく掃除を行います。モップと150mlの水タンクも備え、床の拭き掃除も可能。発売は2019年夏で、販売価格は54,800円(税込)です。

  • eufyからも新しいロボット掃除機が発表されました。写真上がフラグシップの「RoboVac L70 Hybrid」です

このほかSLAM非搭載で、本体にジャイロセンサーや加速度センサーを内蔵し、スマートに室内を掃除する「Robo Vac G10 Hybrid」も発表。強力な吸引力とモップモードによる水拭き機能も備えながら、今夏に24,800円(税込)とお手頃価格で販売予定です。

川崎フロンターレを全面サポート

説明会には、アンカー・ジャパンの代表取締役である井戸義経氏が出席。今後の成長に向けた戦略を披露しました。

井戸氏は、アンカーはまだ誕生して10年にも満たない若いハードウェアのスタートアップでありながら、ユーザーから支持を受け、今日まで順調な成長を遂げることができたと振り返ります。数年前から展開するマルチブランド戦略を今後も加速させながら、「スマートライフに活力を与える(Empowering Smarter Lives)」をスローガンに掲げ、新たな戦略も走らせます。

  • 2019年後半のビジネス戦略を語る井戸義経氏

コンセプトの柱となるキーワードは3つ。1つは「越境」。サッカーJリーグ・川崎フロンターレとのコラボレーションを実施します。選手へのエンドースメント(選手個人との契約形態の1つ)として、モバイルバッテリーやワイヤレスイヤホンを提供。コラボレーショングッズの企画販売にも力を入れます。

  • 3つのコンセプトは「越境」「共創」「解き放つ」

記者説明会にはゲストスピーカーとして川崎フロンターレ 代表取締役社長の藁科義弘氏も出席。「充電器のスペシャリストであるアンカーとのコラボレーションは、まさしくチーム一丸となって戦いに挑むための活力を与えてくれる。プロスポーツクラブとして勝利を目指し、スポンサーのビジネス発展のためにも貢献したい」と壇上で意気込みを語りました。

  • プロサッカーチームの・川崎フロンターレとのスポンサーシップが発表されました

  • 川崎フロンターレ選手の背番号をデザインしたモバイルバッテリーもグッズ化されます

「越境」をテーマに、アンカーとeスポーツのコラボレーションも始まります。Nintendo Switchの人気ゲーム「スプラトゥーン2」のプロゲーマーである、GG BOYZとスポンサーシップ契約を結び、eスポーツを盛り上げていくようです(詳細は決まっていないようですが)。

  • プロゲーマー・GG BOYZのサポートもはじまります

2つ目のキーワードである「共創」には、スタートアップ企業の成長をバックアップする活動が含まれます。アンカーでは2019年現在、3社のスタートアップとアライアンスパートナーを組み、新しいビジネスの開拓を進めています。そして3つ目のキーワード「解き放つ」のもと、NTT東日本、JTBとパートナーシップを組んで、法人向けにアンカー製品の需要開拓をしていくそうです。

井戸氏はUSB Type-C対応製品について、今後もニーズ拡大が見込まれると述べます。そのうえで「スマホやタブレットだけでなく、より大きなパワーを必要とするノートPCのようなデバイスを快適に使うためのアクセサリー製品をラインナップに多くそろえていきたい」と意気込みました。

秋には都内にフラグシップストアをオープン

アンカーといえばAmazon.co.jpや直販サイトでの通販イメージが強いですが、リアル店舗も展開しており、今後はさらなる拡大が予定されているようです。2019年現在は大阪、東京(南青山)、横浜、博多の4箇所に直営店舗を構えていますが、2019年秋には東京都内に新しいフラグシップストアがオープン予定。勢いを増すアンカーから、今後も目が離せなくなりそうです。