シャープ傘下初の新モデル・dynabook Gは、東芝時代に培った「軽量薄型、堅牢設計技術」とともに、シャープの「軽量で高精細かつ省電力な液晶技術」を取り入れ、「強さと軽量化」「速さと長い駆動時間」「拡張性とセキュリティ」を追求するとしています。

  • dynabook G

堅牢かつ軽くするために

柏木氏は、dynabook Gで重視した項目として堅牢性を挙げていますが、それを実現するために、社内の堅牢性評価に加えて、10項目のMIL規格をクリア。また、ドイツに本社がある第三者認証機関の日本拠点「テュフ・ラインランドジャパン」による3種類の試験もクリアすることで実証したと説明しています。

その中でも、柏木氏は特に落下における強さを強調。堅牢性を測る目安として、MIL規格準拠試験にある「高さ76センチ26方向落下試験」を最も重視しているとしました。「ノートPCが(水平方向のまま)きれいに落ちることはない。そのようの落下するのは予測できないから、どの角度から落ちても堅牢な構造を実現しなければならない」(柏木氏)。

  • dynabook Gの堅牢性検証で実施した評価試験

  • 特に重視したのが高さ75センチからの26方向落下試験だった

  • 第三者認定機関のテュフ・ラインランドジャパンによる試験では高加速寿命試験(HALT)を実施して将来発生しうる経年劣化も検証している

堅牢性は使い勝手にも大きく影響します。その典型的な例がキーボードとパームレスト。堅牢性が不足していると、ボディがたわんで打鍵したときに不快に感じることになります。同社は社内検査でキーボード打鍵テストとパームレストのたわみテストを実施し、キーボード打鍵時(100gfの力)のたわみを0.15~0.2ミリ(他社製品テストでは0.3ミリ台半ば)に抑えていることが確認できたと説明しました。また、堅牢性に関しては本体の素材や加工技術の改善も貢献しているといいます。

  • キーボードとパームレストに荷重した場合のたわみ量検証では競合製品と比べてたわみ量が少ないことが確認できた

各パーツを小型化して本体を小さく軽く

dynabook Gでは軽量化も重要な要素として開発していますが、軽量化の手段として大きく貢献しているのがボディフットプリントの小型化です。

dynabook R63と比べてdynabook Gではフットプリント面積が10%削減(6390平方ミリに)できたと説明しています。また、別記事でも紹介した高密度基板技術によるシステム基板の小型化や、無線LANアンテナ設置位置をキーボード奥(ヒンジ部)に移したことによる狭額縁ディスプレイ、スピーカーユニットの小型化、Webカメラと顔認証用赤外線カメラの一体化についても、フットプリントの削減と軽量化につながったと紹介しました。

  • 高密度基板技術の夜システム基板の小型化

  • 狭額縁ディスプレイもフットプリントの削減に貢献している

  • 従来、Webカメラと顔認証用赤外線カメラに分かれていたモジュールを一体化した